ファイナンシャルプランナー(FP)の仕事が向いている人ってどんな人?活躍しているFPの特徴や性格を解説します

お金というのは、私たちの生活を豊かにも困難にもする大切なものです。そんなお金を上手に扱い、人々のお金の悩みを解決に導いてくれるのがファイナンシャル・プランナー(FP)の仕事です。周りで結婚をしたから、住宅購入を決めたから、FPさんに相談してみたというお知り合いもいるのではないでしょうか?

FPとして活躍している人は全国にたくさんいますが、それではFPには一体どんな人がこの仕事に向いているのでしょうか。FPとして活躍できる人には共通するスキルや性格がある程度あります。
今回はFPとして活躍できる人、FPが向いている人の特徴について記載していきます。

1.FPの仕事の概要

FPは、お客様のキャッシュフロー表作成、投資計画、保険の選定、退職金計画、相続税対策などが含まれます。つまり、人々のお金の使い方を助け、将来にわたってお金に悩まず安心して生活できるようにすることです。例えば、家を買いたいという人には、どのくらいの住宅ローンの借り入れ額であれば問題なく返済できそうで、同時に退職時に退職金を使わずに繰り上げ返済で完済するにはどのようにお金を貯めればいいかをアドバイスします。また、子どもの大学教育や、自分たちの老後のことも考えて、賢くお金を増やす方法を提案するのもFPの大切な仕事の一つです。

2.FPで成功した先には

FPとして成功すると、自分の知識と経験が、お客さんの大切な人生の一部を支えることになります。それはとても大きなやりがいと喜びを感じる瞬間です。お客さんからの「ありがとう」の言葉は、何物にも代えがたい宝物になるでしょう。また、名声や収入の面でも報われることが多く、専門家としての地位を確立することができます。筆者が転職相談にのってFPに転職した方には、実績がでてくると仕事内容ではセミナー講師に招かれることあったり、収入では前職の2倍以上になっている方もよくいらっしゃいます。以下にFPで成功した場合のメリットについてまとめます。

1. 高い収入
たくさんのお客様から信頼を得ることで、収入が増加する可能性があります。また、質の高いサービスを提供することで、より高額な報酬や手数料を得られることもある世界です。報酬に上限がない会社も多いので、がんばった分、お客様から信頼を頂けた分に応じて報酬を得ることができます。

2. お客様の信頼
継続的に質の良いアドバイスやサポートを提供することで、お客様からの深い信頼を獲得できます。信頼されることは、長期的な関係を築く上で非常に重要です。お客様の信頼から大切なご家族やご友人のお金の相談にも乗ってほしいと頼まれることもあります。

3. キャリアアップ
ある一定の経験や成功を積むと、大手の金融機関やコンサルティング会社からのスカウトや、独立して自分の会社を持つチャンスも広がります。キャリアを積んで知名度も伴ってくるとセミナー講師として招待されることもよくあります。講演や出版で活動することも可能です。

4. 人々の生活の向上
FPとしてのアドバイスやサポートがお客様の生活の質を向上させることにつながり、それが自身の達成感や満足感に繋がるでしょう。仕事である程度の成功を収めると仕事自体に社会的意義を求める人は少なくありません。その点FPの仕事そのものが日本のマネーリテラシーの向上に一役買っています。

FPに向いている人の特性 5選

ここではファイナンシャルプランナーWANTED!がこれまで多くのFPの話を聞いてきた中でFPの仕事で活躍するために特に必要だと思えるものを掲載していきます。

1. コミュニケーション能力
お客様のニーズを理解し、複雑な金融情報をわかりやすく伝える能力は必要不可欠です。人の話を聞くのが好きで、自分の考えも上手く伝えられる。
上手く伝えられるというのは相手が得意な分野での例え話を交えて伝えることや、金融の専門用語を使わずに話すこと、また一つ一つの発言を短く言い切ることなどが挙げられます。「話す」と「伝える」ことは似ているようで効力は違い、結果は大きく違ってきます。
FPが意図している言葉や質問がお客様に分かりやすく伝わること、お客様が話しやすくなる質問の投げ方などはカウンセリングする上で重要な要素です。

2. 分析する力
数字やデータに基づいて的確な分析を行い、最適な提案を行う能力が求められます。キャッシュフロー表を作成することは専用ソフトを用いるので慣れれば難しいものではないかもしれません。重要なのは作成したシミュレーション結果に対して何が課題で、そういった結果がでているのかを分析する力です。
例えば、共働きのご夫婦で世帯年収は1000万円以上あり、見立てでは収支がマイナスにならないかと思っていたら老後にマイナスに触れるシミュレーション結果がでていたお客様がいました。無駄遣いがあまり好きではない性格のご夫婦でしたが、計画的な積立はされておらず、使わなかったお金が銀行に溜まっている状態。現金預金をコツコツされたことはとても立派なことですが、一方で銀行預金だけだとお金を増やすことができないというデメリットもあります。貯蓄を老後に向けて計画的に積立の手段を変えて、再度シミュレーションすると無事に100歳まで収支がマイナスにならない結果にかわりました。「現預金だけしている」という課題が分かったことで、大好きな海外旅行へのペースを落とさなくてもしっかりと老後に向けた準備ができると喜んでいただきました。

3. 誠実さ
お客様のお金にまつわる様々な情報を扱うため、高い倫理観と信頼性が必要です。人の大切なお金の話をするので、正直でお客様にこの人なら信用できると思ってもらえる人でないとFPの仕事は務まりません。例えば、面談の時間に遅れないことは勿論ですが、約束した面談終了の時間を守ることや約束した期日までに資料を渡すことも誠実さと言えるでしょう。同様に身なりに関しても、場に適した服装か、清潔感があるかどうかでお客様の印象は異なるでしょう。これはどんな仕事にも言えることではありますが、特にFPの仕事は信用がなくなればご相談自体がなくなることは当然です。お客様にとっては、大切なお金の話ですから専門的な知識がある前提で約束を守ってくれる誠実なFPに対応してもらいたいと思いますよね。

4. 情報収集が好き
金融の世界は絶えず変化します。新しい法律や投資商品の知識、市場のトレンドなど常に情報をアップデートする姿勢が求められます。ニュースや書籍で新しい情報を集めるのが好きな人はFPに向いているかもしれません。
たとえば最近(2023年11月時点)だと、NISAの2024年からの変更点はもちろん、以前のNISAについての取り扱いについての注意点など、詳しく知っていることでお客様の信頼につながります。制度のメリットだけに着目するのではなく、お客様の貯蓄計画状況に合わせてたとえば「どのタイミングでNISAの銘柄変更をすると良いか」「満期の時はどのように受け取るのか」といった出口戦略もあわせた利用方法を模索する必要があります。

毎日の株価や為替、日本や世界経済の情報チェックなど新しいことを知るのは楽しいことも多く、お客様に喜んでもらえる情報を集める作業は毎日のモチベーションに繋がるという考え方ができる人は適正ありと言えるでしょう。

5. 問題を解決する力
FPとして最も求められるのはお客様のお金の問題や心配事に対して、適切な解決策を見つけることです。

お客様の悩みやニーズをしっかり聞く(深いところまでしっかり把握すること)、お客様が解決、実現したいことをキャッチアップするというお客様理解力、また未来を予測して解決プランにを提案するプレゼン力の2つがあってはじめて問題解決ができると言えます。分析する力でも触れましたが、相談事に対して課題が見えるだけでは心配は消えません。実行が可能な解決策を用意できるFPが活躍できる世界と言えますね。

例えば「子供の教育資金の相談」でお会いしたお客様のお話を聞き、キャッシュフロー表を作成してみると、これまでの積立ての努力の成果で教育資金はなんとか貯められそうではあるものの、このままいくと老後の資金が足りないかもしれないといったケースがあります。

今あるまとまったお金、毎月積立できるお金、中身を全く覚えていない生命保険の見直しやその他支出の見直しなど別の課題も一つ一つ見直していくことで無理のない堅実なプランを提案することができます。

FPに向いていない人の特性 5選

こちらもファイナンシャルプランナーWANTED!がこれまで多くのFPのカウンセリングをしてきた中で、活躍できない方に共通する傾向があると思われる特性を記載します。

1. ロジカルに考えるのが苦手
FPは複雑なデータの分析やお金の計画を行うため、論理的な思考が苦手な人には難しい職種と言えます。収支の計算、未来の予測、資産運用の利回りのシミュレーションなどを行いながらお客様の最適解を提案する仕事になるためです。多くの計算はFP専用のシミュレーションソフトを使いますが、そのソフトを駆使して答えを導き出すのはFP本人なので、数字を扱うこと自体に苦手意識がある人は向いていないかもしれません。

2. 人とかかわる仕事が苦手
お客様のニーズを把握する為にはお客様が何を求めているのか、相手の話を聞かないことには問題を解決できません。お客様が誰しも全ての心配事に対して理路整然と説明してくれるわけではありません。FPの聞き方次第で思わず話したくなる、答えやすい質問をすることやお客様が話している時に目線をあわせる、相手の言葉を反復するなどお客様が話を聞いてもらっている、理解してくれていると感じてもらう必要があります。お客様が話しやすいなと感じてもらうことからFPの仕事は始まると言っても過言ではありません。

3. 約束を守らない
どんな仕事でも言えることではありますが、信頼関係を築くための誠実さに欠ける人にはFPの仕事は向いていません。嘘をつかない、約束を守る、時間を守ると言えば社会人として当たり前ではありますが、そういった基本的なことをしっかりできることがFPの仕事でも重要です。

4. 変化が苦手
変化に適応するのが苦手な人は、最新の知識を取り入れるのが難しくなりますし、お客様の要望に応えることも難しくなる傾向にあります。
一つ例を挙げてみると、昨今オンライン面談が主流になってきました。対面にはご面談から得られるお客様の表情や感情の機微を捉えられるというメリット、がありますが、一方でオンライン面談にはスケジュール調整の容易さという大きなメリットがあり、最近ではお客様もオンライン面談を望まれるケースが増えています。このようなトレンドを鑑みるとFPはオンライン面談を積極的に取り入れることで得られるメリットは大きいでしょう。オンライン面談には対面面談とは異なる提案スキルが必要なこともあり、FPにはオンライン独自の相談の進め方を学ぶことが求められます。今までのやり方を変えてオンライン面談のスキルも身につけていかないと、FPとして活躍できなくなる未来が来るかもしれません。変化への対応はとても重要です。

5. 思い込みが強い
向いている人のコミュニケーション能力でも触れていますが、相談事の最終的な答えはお客様自身がもっているものです。適切なコミュニケーションがとれることで最適な解決策まで導くことができます。図らずともFPの思い込みで相談内容を進行してしまっては、お客様からの信用を失い相談の途中であっても次回の面談がなくなることがあります。事実は何か、お客様の言葉は何か、一つ一つ確認をしながら面談を進行していくことがFPとして仕事をする上で極めて重要な要素です。

いかがでしたでしょうか。

FPの仕事には特定のスキルや性格が求められることがわかります。しかし、自分に足りないスキルや特性を認識し、それを補う努力をすることで、向いていないと思われる人でもFPとして成功する可能性は十分にあります。実際にこれまでも自身の弱みと向き合いトレーニングで克服して、活躍できるようになったFPはたくさんいます。

FPの仕事に向いているかどうか、FPとして働いてみたらどんな成功が考えられるか。成功するためには、お客様の想いを第一に考え、常に自身の知識やスキルをアップデートしていく姿勢が求められます。しかし、その結果として得られる達成感やお客様の笑顔、成功の喜びは、FPとしてのキャリアを非常に価値あるものにしてくれるでしょう。

FPとして活躍したい、またはもっと成功するために環境を変えたいという方はファイナンシャルプランナーWANTED!の転職カウンセリングや求人情報からの応募もぜひご検討ください。