[FP/保険営業の相談]ありがちな失敗例③【提供する情報が多い/話し過ぎ】

2024年2月27日

はじめに

FPや保険営業には共通するありがちな失敗例(だけど本人は気がついていないケースがある)がございます。このシリーズではFP、保険営業の商談を聞く中で失敗しがちなケースについてお話していきます。

今回は【提供する情報が多い】です。提供する情報が多いとはどういうことでしょうか?
金融商品や保険の話は、FPや保険営業の方々にとって日常茶飯事でも、多くのお客様にとっては難解なものです。FPや保険営業が話す情報量が多すぎると、結果的にお客様は理解をするよりも混乱してしまうことがあります。このコラムでは、FPや保険営業がお客様の話を聞かないことの具体的な失敗例と、その影響について掘り下げていきます。

1.FP/保険営業が伝える情報とは
FPや保険営業の方が提供する情報には、お金にまつわる情報や国の制度、金融商品などがあります。保険だけをとってもみても種類、特徴、内容、運用方法、料金体系、加入条件、契約に関わる法的側面などが含まれます。これらをお客様に理解して頂くことはご契約の正確性と適切性を確保するために不可欠ですが、同時にお客様にとっては圧倒的な情報量になり得ます。
圧倒的な情報量の中から、お客様の状況やニーズを確認し、最適なお金のプランを導き出し、お客様の望む将来像に向けて、必要な金融商品を選定し、プレゼンテーションを行います。 

2.金融商品の説明は難しい(生命保険の例)
今回は共通する金融商品の生命保険の例で考えていきましょう。
保険の話は、専門用語が多く、人が生活する上で目に見えないリスクを具体的な保障でカバーする複雑な仕組みです。お客様はこれらの情報を日常生活で耳にすることは少ないため、理解するのに時間がかかります。
保険契約者と被保険者、保険料と保険金、支払い期間と保障期間、給付金と保険金、特定疾病給付金と特定疾病保険料支払い免除特則、特約と特則、主契約と特約、解約返戻金と契約者貸付など、FP/保険営業にとっては毎日使う単語であって違いを説明することは簡単でしょう。ただ保険について考えることは人生のなかで数回しかないお客様にとっては聞きなじみがありません。いくら分かりやすく言い換えたり違う言葉に例えたとしても、分かりにくく感じられがちです。
その前提を忘れてしまってはFP/保険営業がどれだけ一生懸命に説明してもお客様は理解できず、この人は話が分かりづらいから今どうするか決めるのは諦めようとなってしまいます。話は区切って、紛らわしそうな確認項目を混ぜて話さない。言葉は少なく、必要な情報を短く伝える。時には割愛して話す機会を改める。FP/保険営業の説明が長くなればなるほど、お客様の理解度は下がるということを忘れてはいけません。

3.情報が多すぎるとお客様はどう感じるのか
情報が多すぎると、お客様は重要な情報を見失ったり、何を基準に判断すればよいのか分からなくなります。これは、不信感や不安を引き起こし、結果として商談が破綻することがよくあります。お客様の心理状況を理解し、情報の提供のボリュームを適切にコントロールする必要があります。情報量が多すぎて最も大事なことが何だったのかわからなくなる、これでは面談のゴールが良い結果になることは非常に難しいでしょう。
例えば、お客様が加入されている医療保険に対して最新の医療保険への切り替えをご提案する場合、新旧の比較をして不満点がどう解消、改善されるのかという事に絞って情報提供すべきでしょう。「現在の医療保険に対して不満に思われている3点について、こちらの医療保険で解消できます。一つ目の・・・。」というように、情報は本当に重要なことをコンパクトに絞ることが効果的です。あれもこれも伝えようとするとかえって逆効果なのです。ただでさえ、お客様は1週間でほとんど忘れるのです。エビングハウスの忘却曲線という有名な理論を聞いたことがあるでしょうか。人はせっかく覚えた事柄でも24時間後には25%、2日後には50%、4日後には85%となり、1週間でほとんど記憶から消えてしまいます。記憶に残りやすい伝え方を心がける必要があるという事ですね。

4.話が長くなる場合の解決策

4-1.結論から話そう
商談では、結論を先に話す習慣をつけましょう。その後でメリットやデメリットの要点、よくあるご質問について話すことが有効です。お客様のニーズに合わせて、提案する保険がどのように役立つかを具体的にイメージできるように説明することが重要です。PREP(ポイント、理由、例示、ポイント)話法を使って、明確で理解しやすい情報提供を心がけると良いでしょう。これはロジカルプレゼンテーションというスキルの一つです。
4-2.無駄な情報を削ぎ落とそう
情報が多くなってしまい、お客様が情報を理解しきれない状況が起きてしまいそうな時はあえて話さないのも選択肢の1つになり得ます。言葉は短ければ短いほど記憶は残りやすいです。アメリカ大統領であったオバマ大統領の代表的なフレーズ”Yes、 We can.”は多くの方が覚えているでしょう。とても短く、とても力強く感じ、多くの方の記憶に残るインパクトがあったものです。伝えるべき事実を簡潔に伝え、感動など感情に訴える言葉をプラスすることで人の記憶は強くなるものです。

4-3.お客様の理解度を確認しながら、日を分けて進めよう
面談を複数回に分けることも有効な手段です。今日はライフプランの作成、今日は課題の整理、今日は解決策を考えるなど、区切って面談を重ねることでお客様が面談に対してのプレッシャーがなくなり安心して参加してもらうことができます。これは心理学的にも認められている効果で、面談回数を重ねることで次第に印象が良くなる「単純接触効果」と言います。面談一つ一つで得られる情報量が適切で理解しやすい内容であれば自然と次回の面談の約束も取り付けることができるでしょう。そして面談を重ねるごとに、お客様はFPや保険営業に対しての印象が良くなるので面談が進めやすくなります。

4-4.お客様の話を聞く習慣をつける
得てしてお客様は話を聞くよりも、自分が話す方が好きです。お客様とFP/保険営業の話す割合は8:2になるように心掛けてもらうと良いでしょう。初対面でもたくさん話してくれるお客様は必然と8:2の割合になるかもしれません。ただ、そうではないお客様であってもFP/保険営業が質問から会話を組み立てる習慣がついていれば8:2に近づきます。例えば「●●は聞いたことありますか?」「どういったものかご存知ですか?」「●●についてどう思われますか?」こういった質問をすることで、理解度をはかりながら面談をすすめることもできます。また既に十分に理解されているものを説明する必要がなくなります。説明を一方的に聞かされるとお客様はストレスが溜まるものです。これらを理解したうえで話を聞く習慣やスキルを身に付けることで面談の質がぐっとあがります。

まとめ
FPや保険営業にとって、お金の情報提供が最大の使命です。しかし、その情報がお客様にとって有益なものとなるためには、提供する情報の質と量、提供の仕方に気をつける必要があります。お客様にとって最も重要な情報をわかりやすく伝え、適切な判断を下していただくことが、最終的には双方にとって最良の結果をもたらすでしょう。

ファイナンシャルプランナー(FP)はみんなどうやって生計を立てている?気になるFPの収益源をご紹介!

ファイナンシャルプランナーの皆さんはどのように生計を立てているのですか?この質問は多くの方が興味があるようです。実際、筆者もお客様や知り合いから聞かれることはよくあります。ご質問の内容としては「相談を聞くだけでもいいんですか?」「メディアにでることは可能ですか?」「お金のアドバイスってどんなことをするのですか?」などなど。

実際のところはどうなのでしょうか?今回はFPがどんな仕事をしておりどのように生計を立てているのか、その具体的な内容を今回は解説していきます。

1.FPとは

FPの一般的な仕事は、お客様のお金の計画・ライフプラン(生活設計、貯蓄計画、投資、保険など、総合的なファイナンシャル・プランニング)を企画立案し、その実行を支援します。お客様の希望のライフスタイルや人生の価値観、将来の夢を踏まえながら、家族構成や家計のお金の使い方、将来やりたいことや買いたいもの、現在の貯蓄や金融資産などをヒアリングします。ヒアリングした内容から作成したキャッシュフロー表に沿って、お客様にとって最適なお金のプランを作成し提示します。

FPとして就業している方の人数は82,920人(出典:令和2年国勢調査結果)、平均年収は780万円(出典:令和4年賃金構造基本統計調査結果)、平均年齢は40.5歳(出典:令和4年賃金構造基本統計調査結果)、ハローワーク求人統計データを見ると有効求人倍率は0.77倍となっており、人気職種の一つであることが数字からも見て取れます。

そんな人気職種となってきているFPがどういった会社に所属しているかと言うと独立系FP会社、保険代理店、不動産会社の場合が多く、FP資格を保有しIFA(Independent Financial Advisor)に従事している人もいます。

2.FPはどんな相談を行うのか

「お客様からお金にまつわる相談を受け、計画を作成する」と一口に言ってもその相談内容は様々です。 相談内容は大きく分けると以下のようなものに分かれます。

① ローン・融資アドバイス
銀行勤務や銀行出身のFP資格保有者の多くは、住宅ローンや事業資金の融資、教育ローンなどの借入れに関する相談やアドバイスを行っています。初めての借り入れの相談に対してのアドバイスだけでなく、借り換えのアドバイスも行います。ローン残高や現在のローン金利の変化、お客様の審査内容の変化にあわせて、借り換えすることで毎月の支払いを下げられるか診断し、お客様にとってメリットのある借り換え先を提案します。

② リスクマネージメント(保険)
保険会社勤務のFPの多くが現在加入中の保険についてリスク診断を行い、適切なリスク対策が可能な保険の提案をします。
例えば、偶然の事故によって生じた損害額に応じて保険金が支払われる損害保険についてのリスク診断であれば、自動車を購入した時に加入した自動車保険、住宅購入時に加入した火災保険・地震保険など、加入中の損害保険がお客様にとって必要な保障を補えているかどうか診断することでリスクマネジメントの最適化を図ります。自転車保険の加入を検討しているお客様のリスク診断をしてみると、加入中の火災保険に個人賠償責任保険が含まれているため、既に同内容の保障に加入済みであることアドバイスをすることが出来ます。
このようにリスクマネジメントを最適化することはコストアップだけでなくコストダウンに繋がることもあります。これは病気やけが、収入を得ている家族がなくなった時の死亡保障などの生命保険も同様で、リスク診断をすることでコストダウンに繋がることもあります。

③ 教育資金に特化した積み立て相談
子供の教育資金の必要額の計算や資金準備のアドバイスをメインにしている子育てアドバイザーと兼任しているFPもいます。親子写真撮影会の参加者や保活の情報収集している子育て世帯に対してFP相談を実施しています。
大学進学など将来必要な教育資金の算出、教育資金に向けた積立のプランニングを行います。具体的なお子様の進学先や習い事、公立と私立の教育費の差額や受験費用、下宿や留学の有無など積み立てるべき目標額の設定が主な相談内容になります。児童手当の有効活用などの有益情報の提供も行います。

④ 老後の資金計画相談
退職前後の方に向けた、退職金の有効な運用手段をアドバイスを行う相談です。退職後の生活設計や資金計画のサポート需要は介護・相続対策を含めて年々増加傾向にあります。
まとまった退職金を、豊かな老後生活を送るために計画的な切り崩し方、退職後の投資計画のアドバイスを行います。また実際に介護をする経験をされた方の多くは、自分たちの子供にはさせたくないと介護施設を希望され資金計画に組み込むためのアドバイスも行います。

⑤ 企業経営者向けのサービス
企業の資金計画、退職金準備、従業員福利厚生、M&Aや事業承継のアドバイスなどを行います。多くは税理士や弁護士といった士業の人たちと連携して、企業の課題解決に取り組みます。

⑥ライフプランニング(お金の計画)
住宅購入時や結婚した時、子供が生まれたタイミングで初めてライフプランを体験する方が最も多いです。また、ウェディング相談所や海外留学エージェントの相談会などライフステージにあわせたお金の計画の必要性がある場面とFPは相性が良いと言えます。そのためFP相談を依頼する企業も多く、またFPも企業に対して相談の機会を求めて営業をかける場合もあります。

では彼らがどうやって収益をあげているのかを次に挙げていきます。

3. FPの収入源

①相談料
相場は初回60分5,000円の相談料に設定している会社が多く見受けられます。
FPとしてのメイン業務であるライフプランシミュレーション作成を行う場合は、シミュレーション結果とその対策まで記載したデータ、若しくは製本したものを提供します。料金設定は20,000~30,000円という会社が多いです。
相談料が無料の場合の多くは、FP相談を依頼した企業側が費用負担しているケースがあります。例えば、住宅展示場にあるハウスメーカーでのFP相談会などがあります。

②セミナー講師
講師によって差が大きくはなりますが60分のセミナーで50,000円~で依頼を受けているFPが多いです。セミナー後に個別相談の実施等があり、その際に金融商品の提案機会があるケースなどではセミナー講演料自体は無料で依頼を受けるケースもございます。

③記事やコラムの投稿、監修
ウェブメディアや雑誌等の依頼で記事を執筆します。コラムの内容や納期、媒体、文字数、著作権の有無などで料金は変わってきます。コラムの単価は5,000円/1本のウェブコラムから50,000円/1本のコラムもあります。定期掲載であれば月単位の契約もありますが、多くは文字数か1本単位での契約になります。

④証券会社や保険会社、不動産会社からの手数料収入
F手数料収入はFPの収益源の1つです。お金を増やす、リスクをヘッジするなどの解決策として金融商品である投資信託や保険や不動産を提案し採用されることで金融機関や不動産会社から手数料を受けることになります。お金の計画をつくる相談だけを行うのではなく、解決策の提案もしてもらえる、またその後のフォローや定期的な見直しもしてもらえることにメリットを感じるお客様は多くいます。

投資信託は最近はNISA制度を活用する場合が多いです。保険はライフステージによって死亡保険や医療保険、相続対策、実際9割以上の日本人が加入しており、商品もかなり多くあり適切な保険に加入することが簡単ではないので、保険に詳しいFPのアドバイスが求められます。不動産の活用に関しても節税効果や資産形成効果があるため、投資リスクとの兼ね合いを考えながらアドバイスを行います。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
FPとしての生計の立て方や活躍のフィールドは人によって異なります。1つ言えることは、実力が伴ってくれば依頼は増えていきます。まずは経験を積み、スキルを磨いて行くことが重要です。そうした中で少しずつ自分のなりたいFP像が見えてくることもございます。
キャリアアップについてなどご相談したい方はファイナンシャルプランナーWANTED!のキャリア相談も是非ご活用ください。

【住宅購入時】住宅メーカーから紹介されるFPは怪しい?それとも信頼できる?その裏側や注意点を徹底解説!

住宅購入は人生の大きな決断の一つです。そんな時、教育費、老後資金、将来の見通しなどを考慮して家の予算を決めるために、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談することが非常に有効です。FPのアドバイス一つで、買い物の結果が大きく変わり、憧れのマイホーム購入後の生活が思い描いたような楽しい生活になり、また資金的に破綻しないようにすることが重要です。
住宅購入を検討する時に住宅展示場に足を運ぶ方は多いでしょう。たまたま向かった住宅展示場で住宅メーカーの担当者から「当社からFPさんをご紹介できるので、ぜひお金の計画を立ててみませんか?」とFPを紹介されることはありませんか?
筆者もFPとしてこのような案件を担当したことがありますが、お客様側からするとなぜ住宅展示場でFP相談の仕組みが行われているのか、どのようなことに注意すれば良いのか分からないという話をよく聞きます。
そこで今回は住宅展示場でのFP相談が行われる裏側の事情、どのようなことに注意すれば良いかを、これから住宅を購入する人の目線で解説していきます。

1. 住宅メーカーとFPの相互関係
住宅メーカーの営業はよくFPや保険営業に対して、展示場に来られたお客様をご紹介し、ライフプラン作成を依頼します。これは実は住宅メーカー側とFP側で相互にとってメリットがあり、win-winの関係になっています。FPにとっては、住宅購入を検討できる年収層で将来の教育資金、老後資金などを考えるお客様を紹介してもらえることは大きなメリットです。。一方で住宅メーカーにとっても「FP相談がお客様への営業ツールになるという」メリットがあるからこそライフプラン作成を依頼します。

2. 住宅メーカーがFPに期待すること
:購入予算の決定
お客様が購入に迷う中、FPはライフプランを通じて予算を決める、場合によっては予算を上げる可能性を探ります。例えばお客様にモデルハウスを内見していただき、仮に気に入ってもらったとしても、住宅は大きな買い物であるが故に「本当に購入して大丈夫なのか?」と購入に踏み切って良いのかお客様も不安になります。住宅メーカーの営業もお金の計画のプロではないので、こうしたお客様の不安を解消するためのお金のプラン作りでFPを頼ります。時には予算を上げる、上がる可能性を探るためにFPにライフプランを依頼することもあります。無駄に予算を上げることは勿論良くないのですが、お客様は漠然とした不安から予算を低く見積もりたくなるものです。低い予算で家を建てると、住み始めてから理想とのギャップに後悔してしまうこともあります。まずは適正な予算を知るということが住宅購入における第一歩となるため、FPの力が求められます。

:アポイントメントを繋ぐ
FP相談を活用することは予算の決定以外にもメリットがあります。FP相談を実施することで、初めて住宅展示場を訪れたお客様に対しても複数回会う機会を作ることができます。、何度もお会いしていれば、自然と住宅メーカーに対するお客様の信頼感や親近感は高まっていきます。住宅メーカーの営業にとって、この効果は大きいものです。

:本音の把握
お客様が住宅メーカーに言えない本音をFPが聞き出します。お客様は担当営業に直接言えない本音もFPには話してくれることがあります。自社に対してどう思っているのか、比較検討しているメーカーはどこか、なぜ住宅購入を検討しているのかなど第三者のFPだからこそ聞ける話があります。

3. 住宅メーカーから依頼されたFP/保険営業のメリット
FPが一番お客様にしたい層をご紹介頂けることが、住宅展示場案件の大きなメリットです。住宅購入を検討するお客様は、結婚したばかり、これから資産運用や保険も考えたいというFPが最も力になれる属性であることが多く、また住宅購入を検討しているくらいなので予算面などでお客様属性も良いという傾向があります。

4. 住宅メーカーから紹介されたFPに相談する場合の注意点
住宅メーカーとFPではwin-winの関係にあるということを説明してきました。では、住宅購入を検討するお客様側がこのような仕組みを理解した上で注意すべきこととしてはどのようなことがあるでしょうか?

:住宅メーカーとFPの関係性をチェック(グルになっていないか)

住宅メーカーとFPがグルになっていないか、または住宅を購入させるための甘いライフプランを作成していないか注意が必要です。予算に対して甘めのライフプランを信用してしまって、購入後に家計が破綻してしまっては元も子もありません。住宅メーカーからたくさん紹介してもらうためにハウスメーカー側に都合が良いライフプランを作っているFPもいることも可能性としてはございます。。住宅メーカーとFPがどのような関係性なのかは分からないので、住宅メーカーから紹介されたFPの話が信用出来るかどうかは自身で判断するしかありません。もちろん、正義感を持ってお客様ファーストで話をしてくれるFPもたくさんいるでしょう。FPが信用できるかどうかはお話の内容をよく聞きながら、「納得できる内容かどうか」お客様がしっかり判断することが求められます。

:情報保護は正しくされているか
FPが取得した個人情報(年収、貯蓄額、生活費、趣味、家に対する希望、教育に対するスタンスetc)が住宅メーカーの営業と共有されていないか、共有されている場合はどのように共有がされているのか確認はしておいた方が良いでしょう。もちろん、情報をFPとハウスメーカーで共有することでお客様自身の理想の住宅購入に近づくこともあるので、共有することを自身が許可しているかどうかという点もお客様が確認、判断をするべきことの1つです。お客様の個人情報やお客様の志向、どの住宅メーカーを現在見ているかなどの情報は住宅メーカーの営業が一番知りたいところでもあるので、住宅メーカーから紹介されたFPを相談する場合、基本的に情報は共有されているという認識で相談を依頼するべきでしょう。

5. 最終的に大事なこと
上記はいかがでしたでしょうか。住宅は大きな買い物なので、住宅購入時のFP相談はうまく取り入れれば必ず役に立つものになります。住宅メーカーから紹介されたFPは、必ずしも全てが問題ありというわけではありませんが、上述したような点に注意しながら、うまく取り入れて行くことが住宅購入成功への近道となるでしょう。。FPによっても経験やスキル、レベル感などは異なるので自分が信用できるFPに出会えるかが最終的には一番のポイントとなります。

FP-wanted!では住宅購入相談の経験豊富なFPの紹介も行っています。住宅メーカーとの利害関係ないFPに住宅購入の相談をしてみたいという方はぜひご活用ください。

[FP/保険営業の相談]ありがちな失敗例⑤【結論を先に話さない】

2024年1月25日

はじめに

FPや保険営業には共通するありがちな失敗例(だけど本人は気がついていないケースがある)がございます。このシリーズではFP、保険営業の商談を聞く中で失敗しがちなケースについてお話していきます。

今回は【結論を先に話さない】です。結論を先に話さないとはどういうことでしょうか?

FPや保険営業の主な仕事は、お客様のライフステージや資産状況を把握し、最適なお金の計画を作ることです。これには、リスク管理や資産形成、節税対策など、多岐にわたる知識が求められます。お客様がより良い、安心感のある計画をつくりやプランの実行をしていくためには、FPから伝えるべき情報がお客様に正しく伝わることが非常に重要です。お客様にお金の話を分かりやすく正しく伝えるためのスキルをFPや保険営業には求められます。
一方で結論を先に話をしないFP/保険営業は多く、お客様に伝えるべき情報が正しく伝わっていない面談が発生しがちです。成績の良くないFP/保険営業ほど結論を話さない傾向にあったりします。そういった方は今すぐにでも話し方を改善していきましょう。

1.FP/保険営業での「結論」とはどういうことか
まず「結論から話す」とはどういうことでしょうか。
面談時の結論の例を挙げると以下のようなものがあることでしょう。
・65歳までに貯めたい金額が貯められます。ライフプラン作成時にお打合せした目標額に対しては8割くらいは達成可能な見込みです。
・特に心配されている病気のリスクに備えられる保険がこちらです。
・検討中の住宅を購入しても、債務超過に陥らないシミュレーション結果です。支出を厳しめにしましたが問題ありません。
・今の生活を少し改善するだけで、お子様の教育費が一人500万円ずつは貯められる見込みです。
・今と同じ保険料で、ガンになった時の保障を手厚くすることが可能です。
このような話をまずした上で、お客様にプレセンをしていますか?結論から始まらないプレゼンテーションはお客様に聞こえていても記憶には残らないので意識して面談にのぞみましょう。

2.結論を先に話すことの重要性
お客様とのご相談の時間を思い浮かべてください。その時に、お客様の悩み事が解決できるのかどうか、ということをはじめに伝えることで、お客様はその後の詳細な話を安心して聞くことが出来ます。はじめに結論を伝えないまま、説明を何分も続けられた時のお客様の気持ちを考えたことがありますでしょうか?このような時、お客様はFPの話が全く頭にはいらない状況ですし、大抵の場合結論が分からずストレスさえ感じています。。お金の話は範囲が広いため、ついつい長く説明してしまいがちですが、色々説明したい気持ちをグッとこらえる、お客様目線で結論からシンプルに話して行くことがFPに求めらる努力と言えるでしょう。

3.結論なく話をされるとどうなるか
・結論なくダラダラと話をされるとお客様は単純に疲れる
長引く説明は、聞き手にとって精神的な疲労を引き起こします。特に結論や具体的なポイントが明確でない場合、お客様は関心を持続させることが難しく、集中して聞いているフリをすることになります。お客様が集中力がない状態で話を聞いていると、重要な情報を見極めることが困難になり、必要な内容も見逃してしまう恐れがでてしまいます。
・専門用語が多く、結論ないまま話をされるとお客様は訳が分からなくなる
お金の計画、資産形成、保険に関する話題は、専門的な知識や用語が多様されがちです。これらの話題は本質的に複雑であり、特に結論がないと、お客様は情報を理解することが難しく、判断することができません。
こうした場合で肝に命じておくべきなのは、FPの話が分かりづらかったとしても「お客様はフィードバックをくれない」ということです。わざわざ「あなたの話が分かりづらいです」と親切に教えてくれることはありません。大抵の場合こうした状況ではお客様は「検討してご連絡しますね」という断りに近いお返事をされるはずです。つまり、こうした状況を経験したことがあるFPは自身の話に落ち度がなかったか、自主的に点検することが求められます。お客様が良くなかったと結論付けてしまうと、いつまでたってもFPとして成長できないという状況に陥ってしまうでしょう。

4.なぜ結論を先に話さないのか
結論を先に話さない人にはいくつかの要因がありますが、たとえば以下のようなことが考えられます。
・プレゼンテーションの基礎を身に付けていない。プレゼンテーションは立派なスキルの1つですが、しっかり学ぶ機会がこれまでなかった。また社内でロープレなどを実践していない。
・お客様が本当に解決したいことをそもそもヒアリングできていないので、何がお客様にとって求められる結論かFP/保険営業が自分でも理解できていない。この場合、例えば保険料を下げる、最新の特約の話をする、、なんとなく積み立ての話をするなど、末端の話に終始してしまう。
・設計書をそのまま説明すれば良いと思っている。設計書を1ページ目からしっかり説明することが正しいプレゼンだと考えている保険マンはとても多いです。お客様目線で、本当にそれが分かりやすいプレゼンなのか再考は必要でしょう。

結論を最初に伝えずにプロセスや詳細の説明から始めると、お客様は方向性を見失い、重要なポイントを見落とす可能性があります。

6.注意点
プレゼンテーション時に結論から話すことと共に注意しておきたいこともあります。それは、一気に全ての話をしないことです。設計書の細部まで説明してもお客様は混乱します。混乱し分からないものを契約することはありませんから、良い結果には結びにくくなります。
従って、「結論」、「重要なポイント3点」、「この商品のデメリットとその対応方法」など重要なものを優先にして話をまとめてから面談にのぞむことをおすすめします。お客様の理解が進んでから、詳細の部分も説明していきます。お客様が商品導入の効果やメリット、注意点の大枠をお客様ご自身でも回答できるくらい理解が深まってから、最後に詳細の細かい話をするくらいの感覚が妥当です。お客様自身がしっかりと判断して選んでいただけるように後押しするようにプレゼンを進めることがポイントです。
7. メリットを理解して結論から話すクセをつける
結論を先に伝えることで、お客様の関心を引き、その後の説明に対する理解が深まります。結論から話すことで相手に理解してもらいやすい伝え方、プレゼンテーションスキルの一つであるPREP法をご紹介します。

8-1. PREP法とは
PREP法(Point, Reason, Example, Point)は、プレゼンテーションスキルでありコミュニケーション技術の一つで、話すべきポイントを明確にするために役立ちます。まず結論(Point)を述べ、その理由(Reason)を説明し、具体例(Example)で補強した後、もう一度結論(Point)を繰り返します。
8-2. 具体例
構成とともに簡単な接続詞を意識することでPREP法で伝えることができます。
P. 結論を言い切る 
R. 「なぜなら~だからです。」
E. 「例えば~」
P. 結論をポジティブな言葉を添えて締めくくりましょう。
例えば、お客様に対して、退職後の生活資金として個人年金保険を勧める場合なら「老後資金の準備として個人年金保険をお勧めします。なぜなら、長期的な資金計画と税制優遇のメリットがあるからです。例えば、毎月1万円を積み立てる個人年金保険によって退職後も変わらない生活水準を保つことができ、現役の間は現在利用していない生命保険料控除の枠を活用できます。ですから、個人年金保険はお客様の老後の安定した収入源として最適です。」と説明します。

まとめ
結論を先に述べることは、お客様に明確なビジョンを提供し、それに基づいて詳細情報を提供することで、理解と信頼を築く効果的な手法です。FPと保険営業の専門家は、PREP法などのコミュニケーション戦略を活用して、お客様に最適な提案を行うことができます。
取り組み始めて最初は難しく感じるかもしれませんが、繰り返し練習することで身につくスキルです。ぜひ取り入れてみてください。

[FP/保険営業の相談]ありがちな失敗例⑤【傾聴しない】

はじめに
お金の相談をする際、あなたはどんなことに注意して面談を進めていますか?今日は話を聞くことの重要性について解説していきます。
筆者の経験上、多くのFPや保険営業は、お客様の話を聞くよりも自分が話すということに一生懸命になっています。保険会社の初期研修などでは話し方のスクリプトが存在し、スクリプト通りに話をすることを奨励している会社もあります。そのやり方が間違っているとは言いませんが、FPや保険営業の仕事がお客様のお金の問題を解決する仕事である以上、お客様それぞれの状況に合わせてしっかり話を聞き、お客様の悩みの本質がどこになるのかをしっかり把握することが重要です。
とある優秀なFPは「自分が面談中8割話をしているとお客様は逃げていく」「お客様の話を聞く時間を面談中8割にすると信頼が得られる」と話していました。
「話を聞く」という分野には「傾聴スキル」という、立派に体系建てられた話の利き方が存在します。今回は傾聴スキルについて具体例を交えて解説していきます。
とても重要なポイントなので、「傾聴」という言葉を聞いたことがないFPや保険営業の方はぜひ参考にしてください。

1.傾聴とは
傾聴とは英語で「Active Listening」と表現され、カウンセリングスキルの1つです。相手の話に関心を持ち、共感を示しながら聴くことであり、ただ漠然と相手の話を耳に入れて聞くこととは異なります。傾聴を活用したコミュニケーションではお客様もFP/保険営業側を理解してくれるようになり、面談において良好な人間関係をスムーズに築けます。
傾聴には、3つのステップがあります。これらはすべて、お客様の話を理解しようとする姿勢を表します。
①受動的傾聴(ex.相槌を打つ)
お客様の話すペースに合わせて肯定的な言葉で相槌を打ちながら、真摯にお客様の話に耳を傾けます。 相槌のペースが合わないと、話し手はしゃべりにくくなってしまいますし、否定的な相槌は共感的理解に欠けてしまうためです。 このように受動的傾聴を続けていると、沈黙が訪れることがあります。 この沈黙や間は話の内容が深刻だったり、重要だったりする時ほど起こりやすくなりますが、話が途切れているのではなく、話し手の中で自問自答や葛藤が続いていると捉え、話し手が何かを話し出すまで待つことが必要です。

②反映的傾聴(ex.オウム返し)
話の内容を確認するために、言葉を返すこと。
相手の言葉を繰り返して相槌を打ちながら聴く方法です。 繰り返しの相槌は明快に、短く、要点を掴んで、相手の使った言葉で行うのがポイントです。オウム返しが面談において有効になり得るのはこのためです。 反映的傾聴を行うと、お客様はFP/保険営業に話の内容と自分の気持ちが理解されたと感じます。 オウム返しだけをずっと繰り返してしまうと、効果が薄れることもあるのでお客様が使った言葉で要点をまとめた相槌をすることがより効果的です。

③積極的傾聴(ex.考えをまとめる)
相手の感情や意図を理解し、それに対応すること。
相槌に加えてお客様の発言に言葉を添えたり質問をしたりして、より深く考えることを促す聴き方です。 質問する時は「お客様自ら進んでそのことを考えて答えたくなり、回答をした先に気付きや行動がある質問」をするように心掛けましょう。相槌やオウム返しと同時に、お客様の考えを自分の言葉に置き換える、まとめるなどしながら反復すると効果的です。

2.FPや保険営業が傾聴を必要とするのは何故か
お客様一人一人のニーズは異なります。例えば、家族構成や将来のお金の計画に応じて、保険の必要性や種類は大きく変わります。傾聴を通じて、お客様が話をしっかり聞いてくれている、自分のことを理解してくれていると感じられるようになるので、結果的に信頼感が生まれます。初回面談の目的はお客様のニーズの把握、信頼関係の構築なので、傾聴ほど役に立つものはないと言えます。

3.傾聴しないで面談を進めるとどうなるのか
傾聴しないで面談を進めると、お客様により大きな不安を生じさせます。そのためお客様に安心して話をしてもらえずニーズを見逃したり、誤解を生じさせたりすることがあります。例えば、傾聴をせずにFPがお客様の話を遮るように自分の話をすると、お客様は不快に感じます。昨今、需要が高まっているオンライン面談では特にFPとお客様の距離感が縮みにくいと言われているなか、お客様に話を聴いてもらえている、自分のことを理解してくれていると感じてもらえなければ面談が好転することは難しいでしょう。結果として、適切なアドバイスやサービスを提供できず、お客様の信頼を失うリスクが高まります。

4.傾聴のスキルはトレーニングで身につく
傾聴のスキルは、トレーニングを通じて向上させることができます。お客様に多く話してもらい、FP/保険営業は主に聞く役割を持つようにしましょう。これまで傾聴をしてこなかった方ははじめ自分が話をするのではなく、傾聴をするということに大きな違和感を感じるかもしれません。しかし、例えば相槌やオウム返しを意識して使ってみると、お客様との会話の質が変わって行くことをすぐに実感できるでしょう。
お客様の話をうなずきながらまとめる技術は、話の要点を把握し、お客様が話したことを理解していることを示すのに役立ちます。例えば、お客様が複数の保険オプションについて検討している場合、「ご家族のために、長期的な保障を考えていらっしゃるということですね」といった形で、話の要約を行います。これにより、お客様は自分のニーズや懸念が正しく理解されていると感じ、さらに深い情報を共有する可能性が高まります。
これらの傾聴スキルは、FPや保険営業において、お客様のニーズを正確に理解し、信頼関係を築く上で非常に重要です。適切に使用することで、より効果的なコミュニケーションが可能になり、お客様にとって最適なサービスを提供することができるようになります。

おわりに
傾聴はFPや保険営業にとって不可欠なスキルです。お客様の話を真剣に聞くことで、ニーズを深く理解し、信頼関係を築くことができます。お客様からの目線で言うとFP/保険営業としてではなく、まず信頼できる人として見てもらうことに繋がります。信頼できる人が更にお金のプロだから是非、相談したい、というお客様心理を日々の業務の中で傾聴のスキルを磨き、お客様にとって最適なサービスを提供しましょう。

[FP/保険営業の相談]ありがちな失敗例④【相手を褒めない】

はじめに
FP相談するお客様はお金のことで悩んでいて相談しにくることが多いです。悩みを解決してほしく相談にくるお客様に対して、しばしばFPは自分の知識や経験、コンサルティング能力を伝えるために自分の話をしがちだったり、お客様がうまくお金の計画をためられていない時にともすればお客様にプレッシャーをかけがちであったりする。

月々1万円の貯蓄であっても、そのお客様にとっては必死で工面した1万円かもしれない。人は誰でも否定されたり、認めてもらえないと悲しい気持ちになるものです。FPにはお客様のお金の問題を解決することが当然求められますが、まずお客様の気持ちを理解して、お客様なりに頑張ってきたことは認めてあげる、褒めてあげるということが大事です。これはカウンセラーとしての重要な要素です。そのようなコミュニケーションがお客様を安心させ、信頼関係をつくるきっかけになることもあるのです。

1. カウンセラーの重要要素

人は誰しも褒められれば嬉しいものであり、褒められることでFPとの信頼関係に繋がります。FPの仕事も立派なカウンセラーです。カウンセラーとしての重要要素を列挙します。

・認める:素晴らしいお考えですねなど、相手のことを認めることです。
・褒める:特に相手が意識していないようなことでも素晴らしいことはほめることも効果的です。
・肯定する:相手の発言内容を「まずは」そのまま受け入れること。 傾聴スキルの「オウム返し」なども有効です。
・賛成する:「よくご存じですね」「ぜひ実行していきましょう」など。

これらの褒め言葉でどれ程の効果があるのかと思うかもしれませんが、人は事実でなく言葉に反応するものなのです。上記の頭文字をひろって「みほこさんの法則」と呼ばれる話法です。

「みほこさんの法則」によれば、コミュニケーションにおいて「認める」「褒める」「肯定する」「賛同する」の四つの要素は、相手に良い印象を与えるコミュニケーションの基本です。これらは、人とのつながりを深め、信頼関係を築くために不可欠な要素です。特に、ファイナンシャルプランナーや保険営業がお客様との関係を築く上で、褒めるスキルは極めて重要となります。

2.人は褒められるとどう感じるのか
心理学においては、褒められることによって人々が感じる快感は、報酬系と呼ばれる脳の部分を刺激します。これにより、ドーパミンという化学物質が放出され、気分が高揚し、自己効力感が増すと言われています。褒められるという経験は自尊心を高め、前向きな自己像を強化し、さらにその行動を繰り返そうとする動機付けにもなります。
この効果は面談において大いに役立ちます。お客様は相談したいという思いと、対峙しているFPや保険営業を信頼して良いかどうか見極めたいという思いと両方抱えながら面談が始まります。そんなお客様が相談したい内容や、自身の家計のお金についての問題解決に向けて必要な情報は、信頼した相手でなければ全てを話したいと感じません。お客様からの信頼があってこそ、本質的な問題解決に繋がるものです。例えば、教育資金の相談に来たお客様が面談冒頭では口にしなかったが、実はまとまったお金を相続したので預け先に困っていた、そういったケースは信頼がうまれることで後々に追加相談になることがよくあります。つまり、褒めることがお客様の本音を引き出すことに繋がるのです。

3.人は全く褒めてくれない相手をどう思うのか
では逆に面談においてお客様を褒めないとどうなるでしょうか。
FPや保険営業から一切褒める言葉を受けないお客様は、FPや保険営業に対して冷たさを感じるかもしれません。お客様は自分のお金の管理方法や積立に対する意見が全く価値あるものとして扱われていないと感じ、それが不満や信頼の欠如につながることがあります。
このケースではFPは、お客様が貯蓄ができていないことに対して否定的な言葉で返す必要はありません。本当は将来に向けて積立をしたい、という言葉がお客様からでてくるのであれば、その言葉を肯定し、賛同する、意見そのものを褒めることで、お客様のヤル気スイッチが入るのです。
今は貯蓄できていないけど、「これから少しずつ積立を始めていきたい」というお客様に対しての回答例を挙げてみます。                       
A.「今は貯蓄できていないのですね。これから始めていきたい、とは月々どれくらいでお考えですか?」               
B.「お金の管理って学校で教えてもらえるわけでもないですし難しいですよね。その中で老後資金に対して積立を計画したい、というお考えは大変素晴らしいですね。無理なく実行、継続できる計画を考えていきましょう!」
みなさんだったらどちらのFPと話をしたいですか?              

4.どうすれば褒めるスキルが身につくのか
3に例示したように、肯定や褒める言葉を入れるかどうかという少しのことでも、お客様に与える印象は大きく異なります。一方でこういった対応をしっかりできているFP/保険営業は多くはありません。褒めるスキルは、普段の訓練やロープレを繰り返すことで必ず身につきます。慣れないうちは紙に書き出して目につく壁などに貼っておくのも有効な手段です。具体的で、誠実な褒め言葉を学び、相手の努力や成果を正確に表現することが大切です。また、定期的なロープレで得たフィードバックを通じて、自分のコミュニケーションスタイルについて学び、改善することも有効です。最後に、他者の良い点を見つけ、それを声に出して伝えることを習慣化することで身についていきます。
褒めることに慣れておらず言葉選びが難しいと感じるかもしれません。優績な保険営業から「お客様を恋人だと思えば言葉選びに困らない」と聞いたことがあります。冗談みたいな例えですが、営業職で用いる心理学は恋愛における心理学と同じものが多いです。どちらも相手からの印象を良くしようとする為に必要な知識やスキル、言葉選びなので納得です。

おわりに
相手を褒めることは、単に良い印象を与えるだけではなく、カウンセリングの本質としての役割を果たします。信頼関係を深め、満足度の高い面談となる可能性を高めてくれます。「みほこさんの法則」を念頭に置いて面談に臨んでいきましょう。

[FP/保険営業の相談]ありがちな失敗例②【専門用語を使いがち】

はじめに

FPや保険営業には共通するありがちな失敗例(だけど本人は気がついていないケースがある)がございます。このシリーズではFP、保険営業の商談を聞く中で失敗しがちなケースについてお話していきます。

今回は【専門用語を使いがち】です。専門用語を使いがちとはどういうことでしょうか?
私たちが日々送る生活のなかでお金は付きものです。現金だけでなくNISAや保険など、存在は誰もが知るところでしょう。しかし、その仕組みや必要性などは一般にはなじみが薄く、理解しにくいものです。特に保険に加入した方の中には、FPや保険営業の人が分かりやすく勧めてくれたから加入した、そんな方も多いのではないでしょうか。そんな信頼をされるFPや保険営業の人はどうやって分かりやすく説明をしてくれたのでしょう?
このコラムでは、これからFPや保険営業をしてみようと考えている人や現在活躍中の方に向けて、FPや保険営業の方がお客様とのコミュニケーションで陥りがちな専門用語を面談中に使ってしまうという失敗と、それを避けるためのコツを解説します。

1.専門用語をついつい使ってしまうFP/保険営業は多い

まずはじめに、自分たちにとってはいつも使っている専門用語は、お客様にとっては1年に1回聞くかどうかという単語であるということを理解する必要があります。FP/保険業界でよく見られるのが、専門知識を知っているが故についついお客様の前でも使ってしまいがちということです。日々の業務で使うツールや用語、ライフプラン内での単語やそもそもライフプランという単語も当たり前のように使っているFPや保険営業の方はたくさんいます。「ライフプラン」、「保険期間」、「解約返礼金」、「積立利率」など専門家にとっては当たり前の言葉でも、お客様は紛らわしく感じることがあります。

初めて車を買おうとしたときにディーラーの方に、「初めての車がFR車を選ぶなんて素敵ですね!この車の前後重量配分は52:48と街中でのコーナリングはスパスパいけて気持ち良いですよ。ただその比率なので限界コーナリングではカーブ手前のブレーキングで荷重移動を考慮してあげてくださいね。」なんて専門用語を多用して説明されたら悪い気はしなくとも、よし、とりあえず今日は帰ろう、と思うはずです。見た目がなんとなくいいなと思った、ただそれだけで店内に足を踏み入れた自分が浅はかだった、なんておもってしまうかもしれません。実際このようなディーラーの営業はあまりいないと思いますが、FPや保険の世界では目に見えないものを取り扱うため、お客様に対してこうした専門用語を多用する状況が起こりやすいです。
この例のディーラーの方も親切心から話しかけていますし、嘘を言っているわけでもないし、来店してくれたお客様を盛り上げようと褒めようと話しかけています。ただ上手くいっていないですよね。

2.専門用語を使って話されると

特に金融業界は目に見えないものを扱うのでお客様に対してわかり易く説明をするということ自体が難しいと心得ておくべきです。お客様は話の理解ができない状況になると、面談の話の内容自体に興味がなくなります。そして、この担当者と話をするのはやめよう、となります。
金融や保険の専門用語を用いて面談することでお客様の金融・保険の知識や理解度をはかることに有効である場合もあります。ただ、多くのお客様にとっては未知の言語に等しいことが多いのだとFPや保険営業の方は改めて認識しながら面談をする必要があります。専門用語を頻繁に使用することで、お客様は何を言っているのか理解できず、心理的な距離を感じるかもしれません。お客様が置かれている心理状況を考えると、以下のような感情や反応が生じることが考えられます。

▼不安と混乱
自分の大切なお金に関する重要な決定をする際に、専門用語が理解できないと、お客様は自分の状況や決定が正しいのか不安を感じます。専門用語で話された部分は耳に残らないので情報が不足していると感じたり、内容を完全には理解できないと感じます。お客様が話の内容を間違った捉え方をしてしまう恐れがあります。学生時代を思い出してみてください。病気で1日、2日休んだあとの授業についていくことを難しく感じることはありませんでしたか?その不安が1時間の面談中に発生しているのです。

▼不信感
FPや保険営業の言葉を信じたいけれども、理解できない内容に対して疑問を持ちます。その疑問は騙されているのではないか、わざと分かりにくく話しているのではないかと思われてしまいます。結果的に提供されるサービスや製品への信頼を損なうことにつながります。例えばパソコンを初めて買おうとお店に行った時に、いくつかのパソコンをスペックを羅列しながら比べられても何の話をしているのか、自分が使おうとするシチュエーションにどれぐらい合ったものなのか判断するのは難しいでしょう。興味があるから分かるだろうというのはFPや保険営業の方が陥りやすい大きな過信の可能性があります。

▼関心がなくなる
理解が追いつかない場合、お客様はFPや保険営業の話をすること、そのものに興味を失います。想像してみてください。お客様がレストランでメニューを開いたとき、料理の名前が全てフランス語で書かれているとします。料理の内容や味も説明されておらず、ウェイターも専門用語を使って説明するだけです。この状況では、お客様は何を注文すればいいかわからず、結局、食事を楽しむことができないかもしれません。同じように、保険の説明が専門用語だらけであれば、お客様はどの保険が自分に適しているか理解できず、最終的には保険加入への関心を失ってしまうかもしれません。重要な情報を見逃したりする以前に、FPや保険営業の方との面談を継続する意欲を失うかもしれません。
これらの反応は、お客様が保険に加入する課程で感じる可能性のある負の感情の一例です。では、負の感情を引き起こす可能性のある専門用語とはどんなものがあるでしょうか。必ず確認しながら面談を進める事をおすすめします。では、どのような単語がお客様にとって専門用語と感じるレベルなのでしょうか。

3.専門用語とは
どのような専門用語があるかを紹介していきます。
例えば保険の場合、
「解約返戻金」「積立利率」「保険関係費」などの用語は、保険と金融の専門家には日常的な言葉。しかし、これらは一般の方には聞きなれないもので、壁となり得ます。
「掛捨て」か「積立」か。日本語として誰しもが理解できるだろうとFPや保険営業の方は思うかもしれません。ただ、はじめて保険について考えるというお客様にとっては、保険が解約した時にお金が返ってくるかどうか、という価値観を知らない方もいます。そんなお客様に「これは掛捨て保険ではありません」と言っても混乱してしまいます。
この場合では、保険には途中で解約したり約束した期間まで保険料を払い終わった後に、お金が全く返ってこないものと、半分ぐらい返ってくるものと、全額返ってくるものと、増えて返ってくるものがあります、という説明から入る必要があります。例えばFPの場合
ライフプランを作りましょう、だけだとお客様に伝わっている可能性は極めて低いです。いつもライフプラン、キャッシュフロー表を作成している側はその重要性や価値を理解していても、初めて体験するお客様には単語そのものが分かりません。
まずはキャッシュフロー表のサンプルを見て頂きながら、横軸が年齢、縦軸が家族構成、収入、支出、年間収支が書かれていることを伝えます。これをグラフ化することで一生涯の収支を見通すことができます。もし、いまお子様の教育費が心配と思われているかもしれませんが、ひょっとすると老後の生活費が足りなくなるかもしれない、そんなことも確認することができます。将来のお金の課題が事前に分かったらどうでしょう?お金の計画をたて、実行していくことで、より良い未来をご自身の力で現実にすることができます・・・ここまでお伝えして、やっと伝わるのではないでしょうか。「ライフプランって聞いたことありますか?」という質問や「ライフプランを作ってみましょう」という説明だけでは実はお客様には何も伝わっていないと心得ましょう。

5.そうならないために
お客様が自分のニーズに最適な投資商品や保険を選ぶための十分な知識と理解を持つことができるよう、FPや保険営業は専門用語を避けるか、使わざるを得ない場合でもそれを丁寧に説明する責任があります。お客様の理解度を確認しながら、優しく、またシンプルに情報を伝えることが大切です。
金融や保険の話をお客様にするときには、小学生にも分かる話し方、単語を用いるようにしてみましょう。はじめてお金の相談をされるお客様には分かりやすいと感じてもらえるでしょうし、専門用語もある程度ご理解されている何度かお金の相談をしたことがあるお客様であったとしても、分かりやすくシンプルに話してくれるFPの方が今までのFPより優秀だと思ってくれる可能性が高いでしょう。
例えばロープレを実施することで自分の話していることが誰にでも分かるレベルに仕上げることで、お客様の前でも自信をもって面談できるようになります。ロープレの一環として社内の人でなく友人など、この業界の話を一度も聞いたことがない方に話してみて、分かりやすかったか、意味が分からないところがなかったかだけフィードバックをもらう、ということをぜひ試してみて下さい。ほぼ実践の経験となり、リアルなお客様の聞こえ方を知る貴重な経験になります。

まとめ
投資商品や保険は複雑ですが、その複雑さをお客様に負担させず、理解しやすい言葉で伝えることはFP・保険営業の腕の見せどころです。専門用語を使うことが当たり前という意識を消して、お客様の立場に立った説明を心がけましょう。そうすることで、信頼関係が生まれ、お客様にとって最適なプランを一緒に考えることができるのです。

(一社専属)保険会社を退職しようと思ったら。保険代理店やFP会社に転職するタイミングはいつがベスト?転職のタイミングやおすすめの転職方法をご紹介

2024年1月15日

保険会社を退職して代理店やFP会社に転職する人がいます。よく、ファイナンシャルプランナーWANTED!にも相談に来られます。転職理由は様々ありますが、どのタイミングで転職するのが良いかと相談を受けることがあります。

今回は1社専属の保険会社から保険代理店やFP会社への転職はどのタイミングがベストか?についてファイナンシャル・プランナーWANTED!の考えを記載していていきます。

1-1.一社専属の保険会社に入社する人

一社専属の保険会社の営業は、新卒で入社してずっと働いているという方は多くはありません。中途採用で保険会社に転職した方がほとんどです。
中途入社される方の前職は様々です。銀行、証券会社、別の保険会社など金融機関からの転職の場合もありますが、別業界出身で営業経験がある方もたくさん活躍されています。不動産業界や自動車業界など、少なからず前職の実務で生命保険や損害保険の存在が近しい業界の方は保険営業で働く具体的なイメージをもって転職されている方が多いです。たとえば広告業界や医療機器業界、リース営業など前職での営業経験や人脈を活かして保険営業として活躍される方もいます。他にも飲食店やアパレル、スポーツインストラクター、主婦から社会復帰して保険営業になったという方まで様々なバックグラウンドの方がいます。

1−2.保険会社入社の理由

保険会社への入社の経緯は、自分自身が提案を受けた保険の担当者経由で、その保険会社からスカウトを受け入社に至るケースが多いです。求人広告や転職フェアなどへの出展も盛んにおこなわれていますし中には自ら転職サイトなどで志願して保険会社に入社することがあります。

1-3.保険会社の給料制度など

一社専属の保険会社はどの会社も福利厚生がしっかりしている会社が多いです。営業が始まると保険契約毎に報酬があります。また入社から2~3年の間は初期補給と呼ばれる固定給がある会社がほとんどです。報酬制度としては固定給に加えてインセンティブや歩合制があります。社会保険や福利厚生が充実していながら歩合制でもあるため、結果を出せば報酬は青天井に上がっていくと聞くと、起業されている方にとっては羨ましいシステムに思えるかもしれません。

2.一社専属の保険会社の営業が転職を考える理由

そのような環境にある一社専属の保険会社マンが転職を考えるのはどのような理由があるのでしょうか。筆者の経験上、大きく分けると以下の3つの理由があります。

①自社の商品しか取り扱えない(もっと多くの商品を取り扱いしたい)
1社の商品しか取り扱えないということは商品ラインナップが少ないことを意味します。お客様のニーズが自社の商品では応えきれない時に転職の検討を始める方はたくさんいます。例えば積立を保険で検討しているお客様に対して自社の商品ではお客様の要望を満たせない(ex.ドル建ての商品や投資信託型の商品がない、または商品があっても商品力が高くない)ということが営業現場に立つ保険営業にとって大きなストレスになることがあります。また他のケースでは医療保険に加入希望のお客様に持病などがあるときに、自社の商品では引き受けできないが他社のものでは引き受けることが出来る場合があるなど、お客様のニーズは掴んでいるにもかかわらず提案や契約ができないシチュエーションは一社専属で保険営業する限りよく訪れます。このような理由でもっとお客様の期待に応えたくて転職を検討するケースはよくあります。

②見込みお客様の開拓に苦戦する
保険の営業が好き、お客様に貢献できている素晴らしい仕事だと感じている。ただ、成績がなかなか挙がらない。そんな時に成績が挙がらない理由を振り返ると、保険の提案を聞いていただける人が見つからない、お客様からのご紹介がなかなか頂けない、活動量を増やす努力はしているが成果になかなか結びつかないといった理由があげられます。保険のお話をさせて頂ける機会さえあればお客様のお役に立てる自信はあるのに、その機会をつくるところまでが簡単ではないということが保険営業の一番大変な点だと言われる点です。

③会社や上司の方針や価値観との不一致
新商品が発表されると販売目標が会社から求められることがあります。ただ、その商品の商品性や商品力について保険営業本人が「お客様にとって自信をもってご提案できるものだ」と納得していないと、お客様にその商品を熱意を持ってオススメすることができません。月末になって、目標まで残り●●件!という張り紙をみて急にふと、何の為に仕事をしているのだろう、と感じてしまう方もいます。
また保険営業に限った話ではありませんが、マネージャーなど上長との関係がうまくいかないと仕事を続けることを難しく感じます。進捗報告や月次目標などをマネージャー面談で話すことが多々あり、会社の方針やチームの営業方針に馴染めていないとそういった時間が苦しく感じてしまいがちです。

3.一社専属の保険会社の営業マンが保険代理店やFP会社に魅力を感じるところ

一社専属の保険会社から保険代理店やFP会社に転職する人々が持つ理由は様々ですが、その中でも転職理由でよくあるものを挙げていきます。

①提案できる商品の幅が広がる
取り扱える商品が増えるのでお客様への提案幅が広げられる。一社専属での保険営業では出来なかった提案ができるようになり、よりお客様一人一人にあったコーディネイトが可能になります。一社専属の保険営業の場合、自社商品のみをお客様に提案することになるので、最終的に自社商品に加入することが提案のゴールになるように、結論から逆算してお客様へのヒアリングや提案を進める方が多いです。一方で取り扱いの幅が広がればお客様の課題やニーズをしっかり把握できれば、たくさんの商品(選択肢)から解決策を提示することが可能です。「~ということがご不安なんですね。そうであれば、こういった保険がありますよ。」商品が多く提案できる幅が広いので、お客様のいろいろな状況やニーズに対応できることが可能になります。この例のように「そういうことであれば」という一言でより容易に提案に繋げられます。

②見込み客の提供がある
面談機会さえあれば成績は残せるけど、面談機会を得ることがなかなか難しい。そんなモヤモヤを抱えながら仕事を続けることは良い結果を生みにくく、より多くの見込みお客様との接点をもつチャンスを得ようと転職先を探す方もいます。1社専属の保険会社でも商品へのパンフレット請求や会社への問い合わせ、また既存のお客様(退職者が担当していたお客様)のフォロー、学校や入館許可証がある職場との提携などを営業マンの行き先として提供しているケースがありますが、保険代理店やFP会社の中でも集客ノウハウや業務提携案件を持つ会社ではより多くの商談機会を提供しています。

③働き方の自由
ハイパフォーマンスを安定して達成できるようになると勤務スタイルの自由度があがります。上述のように提案できる商品の幅が広がり、見込み客様が確保されている結果、収入を増やしやすい環境があると言えます。

保険業界やファイナンシャルプランナーを目指した理由の1つに働く時間の自由度やライフワークバランスを掲げていた人にとっては、保険代理店やFP会社に転職することで、それがより達成しやすくなると言えるでしょう。

④中立的な立場での提案、お客様のサポートができる
商品の数が多く、保険以外の商品の取り扱いをしている会社も多いため、よりお客様目線で業務を遂行しやすいこともメリットの1つです。

例えば、資産形成を始めたい相談者の方に対して、積立型の商品が外貨建て終身保険の一つしかない一社専属保険会社の営業と、NISAと変額保険、外貨建て個人年金保険から選べたり組み合わせたりする提案をする保険代理店のプランナー、FPを比べると後者の方がお客様目線でご相談を進められると言えるでしょう。

⑤手数料が高い、固定給があるなど金銭面の理由
事務所代や間接人件費を節約してその分だけ営業マンのインセンティブ率を高めている保険代理店が多い。また一社専属保険会社は歩合制の給料であることが多いが、保険代理店では固定給与を保障している雇用形態の会社がある。

4.一社専属の保険営業が転職するタイミング

もちろん、長い間一社専属保険会社で活躍される方もたくさんいます。
転職のタイミングはあくまで個人の状況や目指すキャリアや価値観によって異なりますが、ここでは保険代理店やFP会社に転職する場合の一般的な指標を下記に記載します。

①最も多いケースは勤続2~4年
保険会社の平均退社年数が3年前後であることも要因としてあるようです。保険営業で2年以上勤め、営業経験やスキルが身についてきた時が代理店へも転職しやすい指標の一つになります。経験をしっかり積んでいれば保険代理店やFP会社からも即戦力とみなしてもらえるので転職先を選びやすい状態と言えます。自身のライフスタイルや求める条件で転職先を考えると良いでしょう。もちろんMDRTなどの受賞経験があると、どの会社にも転職し易くなります。

②勤続半年〜2年未満で転職する場合は「出直し転職」
勤続期間が2年未満の場合は、もう一度教育から含めてやり直すことを前提にした転職になることが多いです。面接時に企業からは経験は少ないと見られがちですが、それでも営業経験があることや保険契約のルールを知っていることは多少評価されます。これまで保険営業としてあまりうまくいっていなかった場合には教育に強みのある会社や固定給がしっかりある会社でやり直すのがお勧めです。(固定給の会社は年齢45歳くらいまでの制限があることがあるので要注意です。)こうした会社で一度しっかり保険セールスのスキルや営業の基礎を学んで、経験を積んだ後に成果報酬型の保険代理店、FP会社で高年収を狙うというキャリアの作り方もございます。

最後に
ファイナンシャルプランナーWANTED!ではたくさんの求人情報を掲載しているのでウェブサイトをご覧になりながら自身の希望に合いそうな求人があるかどうかという点でもぜひご参考にしてください。企業に対してウェブサイトからの直接応募も可能です。
またファイナンシャルプランナーWANTED!のキャリアカウンセリングでは、今後のキャリアの作り方のお相談、お悩みを聞いて解決策を一緒に考える、また独自の求人(大手媒体に掲載ないものもある)で、FPの経験や要望に応じて転職先を紹介することが可能ですのでぜひカウンセリングもご利用ください。

[FP/保険営業の相談]ありがちな失敗例①相手の話を聞かない/ヒアリングが足りない

2024年1月12日

はじめに

FPや保険営業には共通するありがちな失敗例(だけど本人は気がついていないケースがある)がございます。このシリーズではFP、保険営業の商談を聞く中で失敗しがちなケースについてお話していきます。

今回は【相手の話を聞かない】です。相手の話を聞かないとはどういうことでしょうか?
このコラムでは、FPがお客様の話を聞かないことの具体的な失敗例と、その影響について掘り下げていきます。

1成績の良くないFPがやりがちな面談

成績の良くないFPの商談を聞いていると相手の話を聞いてないと見受けられることが多々見受けられます。多くのその商談の最後のパターンは、FPとしてのビジネスチャンスである金融商品の提案が成約に至らない結果となってしまっているのです。まず相手の話を良く聞き、お客様の本音をしっかり把握することが大事だと言われています。

2.FPの仕事におけるヒアリングの重要性について

FPの仕事におけるヒアリングの重要性は言わずもがな。ヒアリングは、単にお客様が何を話しているかを聞く行為にとどまらず、その背景にあるお客様の価値観や生活状況、将来の目標、そしてお客様本人が気付いていなかったような潜在的な不安・ニーズを深く理解するプロセスです。特に、お客様は初回面談でいきなり本音を話してくれないです。はじめて話をする相手に全て話すのはなかなか難しいことですし、お客様自身も頭の中で自身の状況や気持ちについて整理できていないことの方が多いです。したがって、FP側がしっかりお話をヒアリングできるようにする必要性があります。

2-1.顕在ニーズだけでなく潜在ニーズに触れることでお客様の気持ちは動く

たとえば、あるお客様が「教育費のために貯金をしたい」と相談されたとします。FPがこの情報をもとに即座に教育費用のための貯蓄プランを提案したとしましょう。多くのお客様は、はい分かりましたと契約することはほぼありません。
しかし、もしヒアリングをさらに深めて、「なぜ教育費の貯蓄に対して不安を覚えるのか」「どのような教育をお子様に受けさせたいのか」「そのためにどれくらいの資金が必要と見積もっているのか」などと質問を続けると、お客様も考えながら自分の言葉でその理由を語ってくれるようになり、お客様の本当のニーズが明らかになってきます。

このケースでは例えばお客様ご自身が私立の中高一貫校を卒業しているためお子様の進路も私立を望んでいる、、子供が小学生になるまではパートで働くことを希望しているがお金が足りるのか心配しているということがあるかもしれません。

まずはお客様の家庭環境や考えていることをしっかり把握することが、ご提案をする前段階でとても重要になってきます。お客様のことをしっかり理解していることが後のご提案の段階でも大きな説得力を発揮します。

2-2.ヒアリングで信頼関係を築くことができる

また、ヒアリング能力はお客様との信頼関係の構築にも不可欠です。お客様が自分の話に真剣に耳を傾けてくれるFPには、より深い信頼を寄せ、長期的な関係を築く可能性が高まります。一方で、ヒアリングが不十分だと、お客様は自分の思いが理解されていないと感じ、提案された解決策に対しても疑問を持つことになるでしょう。

FPからの質問にお客様が回答した際は、必ずその理由をしっかり聞くことが重要になってきます。お客様の回答に対しては「なぜそう思われたのですか?」と質問を行うことが重要です。お客様の回答に対して「この回答だから、こういう理由だ」とFP自身が勝手に思い込んでしまい、それ以上の質問をしないことはよく起こりがちです。本当の答えはお客様しかもっていないという事を肝に銘じておきましょう。

このように、ヒアリングはFPにとって、お客様の顕在・潜在ニーズを把握し、そのニーズに合わせた最適なお金の計画の作成や解決策、金融商品の提案を提供するための基礎となります。

3.なぜ聞かないのか

ではなぜこれほど重要なヒアリングをFPがしないことが起こるのでしょうか。
お客様の願望や問題を深く聞き出さない理由は様々ですが、主なものを記載します。お客様の背景にあるストーリーを理解する必要性を感じていない自分の話が長く、結果的にヒアリングの時間がない」
・質問をすることが習慣になっていない、質問のスキルがない
・どのタイミングでどんなことを、何を質問したら良いのか、どれくらいの質問が必要なのかそもそも分かっていない

といった点が挙げられます。これらは、しっかり営業やコンサルティングのトレーニングを受けたことがない、受けたことはあるが実践できていないことに起因することが多いです。

以下にそれぞれの理由の詳細を記載します。

3-1. お客様の背景にあるストーリーを理解しようとしない

お客様の背景にあるストーリーを理解しようとしないことは、FPが犯しがちな大きな過ちです。お客様の背景には、その人の価値観、経験、家族構成、仕事、将来の夢や不安など、お金の状況に直接影響を及ぼす要素が含まれています。これらの要素は、お客様一人ひとりのお金の計画において独自の役割を果たし、その人にとって最適なアドバイスを形成するために不可欠です。

お客様の背景にあるストーリーを無視すると、FPは誰にでもあてはまるような標準化されたアドバイスや一般的な金融商品を提案する傾向にあります。これはお客様の相談内容に必ずしも適合しない場合があります。例えば、あるお客様が住宅ローンの相談に来たとします。FPがお客様の家族構成やキャリアプラン、生活目標を深く理解せずに、ただ低金利のローン商品を支払い期間35年で勧めることは、お客様の実際のニーズに合わない可能性があります。もしかするとそのお客様は、短期間での転職や海外移住を考えており、20年未満の返済計画を求めているかもしれません。

また、お客様のストーリーを聞くことは、その人の価値観や優先順位を理解することにも繋がります。たとえば、退職後の生活において最も価値を置くことが「家族との時間」であるお客様に対して、効率だけに焦点を当てたお金の計画を提案するのは適切ではありません。そのお客様にとっては、お孫さんの教育資金や家族での集まりを可能にするようなお金の計画が適切かもしれないのです。例えばそのお客様に対して保険を活用するにしても、「保険で残された家族を守りたい」という想いよりも「老後も家族との時間を有意義に過ごす」ための資産形成に繋がる保険提案であれば喜んでいただけるのではないでしょうか。

このようにお客様のストーリーを無視することは、FPや保険営業がお客様の真のニーズと目標に対して把握できず、結果的にお客様に最適な提案ができていない状況を生み出すことになります。このため、FPはお客様一人ひとりの言葉に耳を傾け、それを理解し、お客様のお金の計画に組み込むことが不可欠です。お客様との関係構築と信頼の確立には、このような個別化されたアプローチが欠かせません。

3-2. 自分の話ばかりをしてしまう

FPや保険営業が自分の話ばかりをしてしまう行動は、お客様にとって非常に大きなフラストレーションの原因となります。このような状況は、FPや保険営業がお客様よりも自身の経験や意見、商品知識を前面に出し過ぎることで生じます。FPや保険営業は専門家としての自信や知識を示したいという意図があるかもしれませんが、それが過ぎるとお客様の話を遮り、お客様のニーズや懸念を十分に理解する機会を失います。

例えば、FPが新しい金融商品について熱心に語り、その利点や成功事例について長時間話し続ける場合を考えてみましょう。これにより、お客様は自分の状況や要望を共有する時間を奪われ、お客様の持つ独自の問題や目標について話す機会が減少します。お客様は自分が理解されていないと感じ、FPに対する信頼を失い始めるかもしれません。

また、FPが自分の話ばかりするもう一つの理由は、コンサルティングの技術が未熟である傾向があるためです。これは、お客様がFPとのやり取りでパーソナライズされたサービスを受けていると感じられないという状況を生み出します。お客様は自分の価値観や目標がFPによって適切に反映されるサービスを求めており、自分のニーズに合わない情報や商品を押し付けられると感じると、サービスに対して否定的な印象を持つようになります。

最終的に、FPが自分の話ばかりをしてしまうという行動は、お客様との信頼関係を築く上で障害となります。お客様中心のアプローチを取り、お客様の話を聞き、理解し、共感することが、成功するFPには不可欠です。お客様のニーズに真に応え、価値あるソリューションを提供するためには、お客様の視点を常に最優先に置くことが重要です。

3-3. 説明が長い

説明が長いとお客様に、感じられるとFPや保険営業がその後どれだけ熱く語ったとしてもお客様の印象は「とにかく話が長い人だ、この話は私には難しすぎる」と、興味があったとしても早くこの時間おわらないかな、としか思わなくなってしまいます。一般的に、人は話を聞かされるよりも、自分が話す方が好きだということをまず理解する必要があります。

自分の説明が長いと感じているFPや保険営業の方は、まず結論を先に伝えるようにしましょう。そしてパンフレットに沿ったような説明をどんどんとするばかりではなく是非、具体例を話しながらプレゼンした方がお客様に伝えたいことが伝わります。分かり易い言葉を選びながら、お客様目線で話すことが出来れば必ず伝わる事でしょう。また、会社紹介や自己紹介もお客様のヒアリングがしっかりできた後で行う方がうまく行くことも多いことを念頭に面談冒頭の会話のプランを作りましょう。

説明が長いとお客様は話を聞きたくなくなる、という事が分かっても慣れないうちは、いざやってみるとついつい長く話してしまい、端的に話をすることが難しく感じるかもしれません。一つの目安として面談中に準備してある飲み物の減り具合を確認したら気付きやすいです。

3-4. 質問をすることが習慣になっていない

質問することが習慣になっていないとFPや保険営業の説明はセリフを読み上げるマシンのようにお客様は感じてしまう可能性があります。あくまで面談は人と人、会話で成り立ちます。テンポの良い会話のキャッチボールをすることで面談を進めることが大切です。
お客様に言ってもらいたいフレーズ、これをFPや保険営業が口にしては、せっかくの大事な面談の時間がまるで学校の授業のようになってしまいます。学生時代を思い出してみてください。教科書や先生のノートをひたすら板書しながら読み上げる先生の授業中、居眠りしている生徒がいませんでしたか。面談中のお客様も同じことを感じているとしたらその商談はきっとうまくいかないでしょう。このFPは話が長いなと思われてしまったら、次のアポイントにはつながらないでしょう。面このようなケースではお客様は「次の予定がきまったら、こちらから連絡します」とという断りの常套手段を使われることになるでしょう。

たとえば、お客様が「老後のために貯蓄を始めたい」と述べたとします。質問を習慣化していないFPは、この情報をそのまま受け取り、一般的な退職貯蓄プランを紹介するかもしれません。しかし、これではお客様の退職に対する具体的なビジョンや期待を見落とすことになります。退職後に特定のライフスタイルを送りたい、特定の趣味に資金を使いたい、家族に資産を残したいなど、お客様個々の希望や状況に合わせた提案はできなくなります。より具体的に現実味を帯びた想像をしてもらうことで人は行動に移しやすくなります。

FPが質問をすることを習慣にしていなければFPがお客様の状況を完全には理解せず、効果的なライフプラン作成等ができないリスクを高めることになります。質問スキルを高めて、効果的な質問を通じてお客様の情報を引き出し、その情報をライフプランに組み込むことで、FPや保険営業はお客様の期待に応え、信頼関係を築くことができます。

4.相手の話を聞かないまま商談を続けるとどうなるか

お客様の深いニーズを理解していない状態で商品を提案すると、それがお客様の実際の問題解決に繋がらない可能性があります。お客様は本質的な解決を望んでおり、単なる商品の説明では満足しません。

お客様が問題解決されていないと感じると、よく「もう少し考えます」という返答をします。法人営業の方は「検討します」というほぼ断り文句と言える返答を受けることになります。これは、提案された内容に納得がいっていない、または信頼関係が築けていないことの表れです。 結果として、FPとお客様の間で契約が成立せず、お客様の問題も解決されずに相談が終わってしまうことになります。これは、FPや保険営業にとってもお客様にとっても望ましくない結果です。

5.ヒアリング力を高めるには

相手の話を聞かずに面談が失敗に終わってしまう面談が多い、ヒアリング力が足りていないと感じる場合の解決策としては以下のようなことが考えられます。

・できる人に聞く
商談やヒアリングのできる人に教えてもらうというのは一つの近道です。成績の良い人ほどヒアリングはしっかりできていることが多いです。

・ロープレに取り組む
自身1人で改善することが難しい、自身では気付きにくいクセなどがありますので客観視してもらえることで課題が分かりやすくなります。 また反復することで身につくものなので、練習しても身につかないというわけではないので安心して是非取り組んでみましょう。ロープレ相手の話を聞いてみる(お客様役をやる)ことでお客様の気持ちがより分かるようになることもあります。

・学びの時間をつくる
社内研修に積極的に参加する、外部研修を受けてみることで新しい発見を得ることができることもあります。また質問スキルの本を読むなど隙間時間を活用することで学びの時間を確保するのもおすすめです。

質問スキルを向上させるには学びと経験の両方が重要です。ただ、その面談一つ一つを大切にするために準備を万端にしてのぞむのかどうかで結果は変わってきます。

まとめ

FPとして成功するためには、お客様の話をしっかりと聞き、その人の生活に合わせた最適なアドバイスを提供することが不可欠です。ヒアリングの重要性を理解し、実践することで、信頼関係を築き、お客様の真のニーズに応えることができるでしょう。このような姿勢が、FPにとってもお客様にとっても最良の結果をもたらすのです。
ファイナンシャルプランナーWANTED!では現役FP/保険営業の方に向けたセミナーも行ってしますので、ぜひ学びの機会として利用してください。

保険メーカー所属(一社専属)の保険営業マンのやりがい、また大変な点について解説します

2024年1月8日

保険の営業として一社専属の保険会社で働くことは人生の大きな決断だと思います。「転職して良かった」「この会社に入って良かった」「前職まででは得られない経験を積むことが出来た」「保険の営業をしていなければ出会えなかった人と出会えた」など、やりがいを感じる瞬間がたくさんあります。
一方で、どんな仕事でもそうですが、保険の仕事でも辛いと感じるときはあります。実際、筆者も一社専属の保険会社で働いていた時に、お断りが連続で続いてしまうと、やりがいを感じつつも、相応に大変な仕事だなとも感じていました。
このコラムでは、保険営業への転職を検討されている方に、一社専属の保険営業が体験するやりがいの側面と、それに伴う厳しい側面について、ご紹介します。「今保険会社からスカウトを受けており受諾しようか迷っている」「保険会社で働いてみたが大変に感じることもあり、他の人はどう思っているのか知りたい」というような方は参考にしてください。

1-1一社専属の保険会社とは
一社専属の保険会社とは、〇〇生命保険株式会社や●●生命保険相互会社のことです。2023年現在では42社の保険会社が日本には存在しており、一社専属の保険会社で営業職の方は約25万人が従事しています。保険営業(保険外交員)は正社員、契約社員、業務委託という働き方があります。正社員や契約社員は基本給+歩合給の会社が多く、業務委託は完全歩合制の報酬形態を採用している傾向があります。
保険会社の営業は新卒から勤務している方もいますが、多くは転職して従事しています。転職された方の前職は銀行や別の保険会社など金融機関からの転職は一部であり、別業界で営業されていたという方の方が多い印象です。また、営業職だった方が大半を占めるというわけでもありません。筆者の元同僚の前職はアパレルショップ店員、介護職員、野球選手、シェフ、新聞記者、専業主婦などなど本当に様々でした。彼らは求人募集から応募された方よりも、ヘッドハンティングなどスカウトを受け転職されていた方が多かったです。
1-2.一社専属の保険会社で働くメリット
一社専属の保険営業は、その会社のブランド力による信頼性や安心感に支えられながら会社のポリシーに従い、所属会社の保険を販売し、お客様との長期的な関係を築く役割を果たします。
入社してからお客様との面談に向かうまでには多くは1か月、なかにはそれ以上の期間で研修期間を設けています。販売資格の取得、交付までに期間を要するという理由もありますが、目に見える商材を販売するわけではない保険営業は知識やスキルが必要不可欠だからです。研修期間中には会社の理念について知見を高める研修も組み込まれていることもあり会社のブランド力や規模感を実感することになります。頻繁にある来客に対応できるようオフィスはとても綺麗で出社の気分を高めてくれることに一役買ってくれます。これは保険代理店のオフィスと比べると、オフィス、特に応接室への投資はしっかりされている傾向があります。会社の制度などもさすが大手企業というものが多く、安心感はありますね。
一社専属の保険会社で働くメリットの次に、やりがいを感じる瞬間についてもお伝えします。

1-3.やりがいを感じる瞬間
①お客様に貢献できる喜びがある
保険はお客様の人生にとって大事なサービスです。保険営業は、お客様の生活を守り、安心感を提供する役割を果たします。保険を通じて、お客様やその家族の生活、企業経営者のビジネスをお手伝いをすることは、非常にやりがいのある体験です。
実際に保険金をお客様に届けたり、入院した時に給付金をお届けした時にお客様から「保険に入っていて良かった」と言って頂けた時の「大事なお客様に貢献できた」という実感は、この仕事でしか得られないやりがいを感じられます。

②お客様からの信頼を感じられる
長期的な信頼関係を築くことは、保険営業にとって素晴らしい側面です。お客様のニーズを理解し、最適な保険プランを提案することで、お互いに満足感を感じることができます。

面談中、ご契約後のフォローアップで信頼関係を構築できていると、お客様からライフステージの変化があった際、例えばお子様を授かった時や住宅購入を検討される時には一番にご連絡を頂き、ご相談を受けることになります。また、信頼があってこそ大切なご家族やご友人をご紹介頂き新しい商談の機会に繋げてもらう事が可能になります。信頼の延長上でスケジュールがうまってくると、どれだけ忙しくなっても喜びが勝り行動力に繋がります。
③もらえる報酬に上限がない
保険営業の給与は、彼らが営業成績を上げることに応じて増加することが一般的です。成功すれば、高いインセンティブが待っています。これは、熱心に働くことに対する報酬として大いにやりがいを感じる要因です。
一般的に来月に給与が倍になることはボーナス月以外にはなかなかあり得ないことでしょう。インセンティブは青天井の会社もあり、法人契約など大きな契約や契約件数が多かった時の給与が100万円を超えることもよくあることです。
高い報酬を得ているということはその分お客様に貢献しているということでもあるので決して悪いことではありません。収入が働くモチベーションになる人には保険営業は向いている仕事だと言えます。

④保険・金融業界の専門知識の獲得
保険業界は絶えず変化しています。一社専属の保険営業は、業界の新しい動向や保険商品について学び続けることが求められます。金融、医療、介護、社会保障、為替、住宅、教育、経済などの業界ニュースや税制度、トレンドは仕事をしている時間で自然に入ってくるものもありますが、お客様とのご相談時に必要な情報になるので積極的に情報収集することになります。
例えば児童手当が2023年現在では中学卒業まで受給期間ですが、2024年12月からは高校卒業までに変更することをライフプランニングで反映させなければお金の計画自体に影響がありますし、その後の保険提案にも影響してきます。住宅ローン控除なども頻繁に変更のあるルールなので直近の住宅ローン金利の確認とともに常時確認する情報です。

⑤時間的な自由
保険営業は一般の会社員と比べ時間的自由度がかなり高いです。仕事が熟達してくると自分で時間をコントロールできるようになり一日、一週間、月の予定を自由にコントロールすることが可能です。これは保険営業の活動の裁量は個人に任せられているためです。(その分自身の責任は大きくなりますが。)時間的に自由に働けるということが転職の決め手になった保険営業マンはたくさんいます。
2-1. 一社専属保険営業マンの大変なところ
一社専属の保険営業としての仕事には、もちろん大変な点もたくさんあります。実際に仕事がハードということで入社を躊躇われる方もいます。以下にその例をいくつか挙げます。
①売上目標が常にある
保険会社ではほとんどの場合売上目標を設定します。これは保険営業個人からすると追うべき目標を設定できるというメリットもありますが一方でプレッシャーを感じる要因でもあります。達成しなければならない数字に焦りを感じることもあります。
保険会社に限りませんが営業職のオフィスでは月間売上を壁に張り出している会社も見受けられたりします。(特に営業キャンペーンの時に実施する場合がよくあります。)
②営業力(営業スキル)が求められる
保険営業は一般的にレベルの高い営業だと言われています。お客様の期待や不満を解決するためのコミュニケーションスキルやお客様の信頼を獲得することが求められます。保険は形がないものだから説明が難しいと言われています。はじめから「保険に入りたいです」と言う人はほとんどいません。保険の重要性や役割をしっかり理解している人も多くはないです。ですが日本人の9割は保険に入っています。みんな信頼できる人に相談したいと心の中で思って、大なり小なり信頼を感じた方と出会ったときに保険に加入されている傾向があります。

③スケジュール管理も自己責任で行う必要がある
働き方が自由であることは、逆に言えば自己管理能力が必要になってきます。

たくさんのお客様にアプローチすること、ご提案やご契約をしていくことには多くの時間がかかりますが、そういった仕事の管理も自分自身で行うことになります。
お休みを自分でスケジュールする、これが出来ないと休めないと錯覚してしまうので要注意です。休みを設定しなければ上長から労基の関係で注意を受けますが、成果がなかなか出ていないと休みを設けることが億劫になったりします。心身ともに良くない働き方になってしまうとパフォーマンスが下がるのは必須です。ワークライフバランスを保ち、時間と努力が報われるスケジュール管理が大切になります。
④お客様開拓が求められる
一社専属保険営業には、新規お客様開拓のために新しい人と出会い続けることが求められます。保険業界ではこれを「マーケット開拓」と呼びますが、ご面談やセミナーなどお客様に会い続けられる仕組みを如何に作るかが、保険営業のキャリアを長続きさせる上でのポイントになってきます。人に会うことが好きな人には向いている仕事ですが、ずっと新しい人に会い続けることに疲れてしまうという人には不向きかもしれません。
保険会社の中にも会社のホームページへの問い合わせの対応を任せられたり、退職者の方が担当していた契約者へのフォローリストがもらえる、業務提携など訪問先のある会社もあります。既契約リストなどの連絡、訪問できるリストがあることは新しい商品の切り替え提案や、近況を伺いながら追加の保険相談が見込める可能性があるため、保険営業マンにとって嬉しい点でもあります。

▼まとめ
一社専属の保険営業のやりがいやメリット、半面デメリットと感じる点を挙げてきました。いかがでしたか?これから保険営業への転職を検討する人にとってキャリア選択の参考になれば幸いです。また、既に保険営業に従事されている方は、これまでの振り返りや今後のキャリアプランを考える上で参考にしていただければと思います。
ファイナンシャルプランナーwanted!では例えば既存契約リストや業務提携案件など行き先のある会社を厳選して紹介するということも行っています。既に保険の営業をされていて困っている人、また保険業界への転身を検討中の人はカウンセリングやセカンドオピニオンを受けてみることもオススメします。

ファイナンシャル・プランナー(FP)は投資用不動産をお勧めするのか?投資用不動産を購入検討のお客様に対してFPができることやその役割を解説

2023年12月18日

投資、資産形成を考えるうえで投資用不動産を検討する方は少なくありません。みなさんは投資用不動産についてどんなイメージがありますか?投資用不動産は一般的には投資用不動産会社が販売をしていて、みなさんも広告などで見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれません。「投資」であり資産形成の範囲になるので、FPも投資用不動産の話をするのかどうか、気になっている方もいるかもしれません。実際のところはどうなんでしょうか。このコラムでは「ファイナンシャル・プランナー(FP)は投資用不動産をお勧めするのか」というトピックについて、お話していきたいと思います。

■投資用不動産とは

ワンルームマンションで投資をしている方が一般的です。投資に回せるお金がたくさんある方や投資マインドが高い方は一棟もので買うケースもあります。ただ一方で「不動産投資は怖い」という印象をお持ちの方もいます。

近年、実は投資用不動産は首都圏を中心にかなり販売件数が伸びている人気の投資手段です。特に東京都心の中古物件だと、投資用に購入したいという方の需要が投資用物件の供給を上回っている状況です。投資用不動産を検討したことがない方は現在の投資用不動産人気に驚かれたかもしれません。では投資用不動産を検討するうえで、どういったメリットやデメリットがあるのかを考えていきましょう。

■ 投資用不動産のメリット

投資用不動産は、ローンで物件を購入し賃貸に出し、将来的な資産形成を目指します。他人に自分の資産の返済をしてもらって、将来返済後は資産だけが残る。そこにそのまま住んで老後は家賃0ということも可能ですし、そのまま誰かに貸し続けて年金の上乗せにすることも可能ですし、売却し生活費のために現金にすることも可能です。

1. 安定した収入の源
賃貸物件としての投資用不動産は、家賃収入という定期的なキャッシュフローを生む可能性があります。自分が老後で受け取る年金に対して不安を感じている方にとって、毎月の収入を確保することでその不安の解消を目指すことができます。
2. 資産の価値の向上
長期的な視点で考えると、不動産の価格が上昇することにより、資産の価値が増加することが期待されます。都内の物件に人気が集中しているのは、この理由によるところが大きいです。
3. 税制上のメリットがある
特定の条件下で、税金の控除や優遇措置が受けられることがあります。節税だけを理由に始める方はいらっしゃらないかと思いますが、所得税率が高くなってくると、投資をしながら節税効果もあることでメリットを感じやすく人気の理由の一つになっています。
4. インフレヘッジになる
不動産は物価の上昇に対して比較的強いため、インフレから資産を守る手段として有効です。ローン返済額は変わりにくく、賃貸料をあげることは相場に応じて可能であること、都内中古物件の賃貸料は築年数があがっても下がらずむしろ相場はあがっています。

■投資用不動産のデメリット

空室リスク、空室がおこるとローン返済は家賃収入がない状態で支出のみ発生してしまうことになります。空室の期間が続いてしまうとダメージが大きくなってしまう場合もあります。

1. 初期投資が大きい
不動産は他の投資よりも、初めの資本が大きく必要な場合があります。積立型の金融商品のみの投資経験の場合は初期投資が必要なことはデメリットと感じることもあります。
2. 流動性の低さ
売却を考えた際、すぐに現金化するのは難しいことがあります。買い手が見つからなければ希望額での売却することは出来ません。
3. リスクの存在
地域の経済状況や自然災害など、外的要因による価値低下のリスクが考えられます。
また最も大きな心配事と言えば空室のリスクです。空室がおこるとローン返済は家賃収入がない状態で支出のみ発生してしまうことになります。空室の期間が続いてしまうとダメージが大きくなってしまう場合もあります。

■ FPとしての立場からのアドバイス

FPが投資用不動産とどう関わるのか
FPの中にも投資用不動産の相談ができる人とできない人もいます。投資用不動産とFPの関わりについて、まずFPに求められることは第三者的な立場であることです。FPとして求められることは投資用不動産のメリット・デメリットを第三者の立場としてお客様に伝えられるかどうか。例えば、お客様のライフプランに投資用不動産のシミュレーションも組み合わせることでお客様にとってもお金の面でのメリット、デメリットが明確になってきます。シミュレーションを開示しながら、もし購入して上手くいったらこれくらいの資産形成効果があります、お子様の教育資金が必要な時期は空室リスクが発生した場合には耐えられなくなるかもしれません、現状のキャッシュに余裕があるので今のお客様の状況であれば投資用不動産もチャレンジしても良いかもしれませんね、などお客様のライフプランに沿ってお話することがFPの役割です。

もし投資用物件を購入したい意欲が強いお客様であった場合は、FPの目線で見て損しない物件かどうかを一緒に検討することもお客様に貢献できることの1つです。投資用不動産の業界とファイナンシャルプランナーの業界は近しいので、ここの不動産会社はお客様想いで良い物件を仕入れている、ここの会社は紹介しない方が良いなどの情報をもっていることはあります。お客様にとってメリットをもたらせてくれる、信用できる不動産会社をご紹介することができます。実際に投資用不動産を購入するかどうか、最終的にはお客様が決断する必要性がありますが、その決断の精度をあげるためにFPに相談するのは1つの有効な手段となります。

しかし、FPには専門的な知識や経験が豊富な方から、投資用不動産の詳細に精通していない方もいます。そのため、投資用不動産に関するご相談をされる際は、FPの専門性をしっかりと確認することが大切です。

まとめ

投資用不動産には、魅力的なメリットが多い一方で、注意点やデメリットも存在します。FPとしては、お客様一人ひとりの状況やニーズをしっかりと把握し、最適な提案を心がけています。投資用不動産に関心がある方は、信頼できるFPや業者とのしっかりとしたコミュニケーションを通じて、より良い決断をしていただけることを願っております。

以上、投資用不動産に関する優しいお話をさせていただきました。ご不明点や疑問がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

ファイナンシャルプランナーWANTED!では投資用不動産のご説明や業者紹介に強いファイナンシャルプランナーをご紹介することも可能です。

新NISAと変額保険で迷っている方へ。それぞれのメリット・デメリットまとめ

2023年12月12日

資産運用において、個人が直面する選択の一つに積立NISAと変額保険があります。これらは異なる特性を持ち、それぞれの選択には検討すべきメリットとデメリットが存在します。このコラムでは、ファイナンシャルプランナー(FP)の視点から、NISAと変額保険の解説を行います。

1.投資の必要性の背景
投資の必要性は、以下の要因から生じています。

インフレ対策
現在の預金金利だけではインフレーションに対抗できない可能性があります。保有資産を減らさない意味でも、インフレーションに見合うように運用して資産を保有する必要があります。

資産形成とリタイアメント
リタイアメント後に収入が老齢年金のみとなったとき、生活費だけではなく旅行などのレジャー費用や介護費用、病気に対する費用など、生活するためのお金のほかにも万が一の際にもお金が必要となってくるため、資産形成のために積極的な資産運用が必要です。

資産の分散とリスクヘッジ
銀行預金などだけではなく、投資により株式や投資信託、国債などに資産を分散させ、物価上昇等へのリスクを分散させることが大切です。

生活の変化への対応
将来の不確実性に備え、柔軟な資産を築くことが重要です。

2.NISAの概要
通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して20.315%の税金がかかります。
NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。
イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAとして、NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)という愛称がついています。
従来のNISAは、成年が利用できる一般NISA・つみたてNISA、未成年が利用できるジュニアNISAの3種類があります。
一般NISAは、株式・投資信託等を年間120万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できます。
つみたてNISAは、一定の投資信託を年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税で保有できます。
ジュニアNISAは、株式・投資信託等を年間80万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できます。
2024年以降から、上記の制度が刷新され、
・非課税保有期間の無期限化
・口座開設期間の恒久化
・つみたて投資枠と、成長投資枠の併用が可能
・年間投資枠の拡大(つみたて投資枠:年間120万円、成長投資枠:年間240万円、合計最大年間360万円まで投資が可能。)
・非課税保有限度額は、全体で1,800万円。(成長投資枠は、1,200万円。また、枠の再利用が可能。)
となります。

3.NISAのメリットとデメリット
1. 税制優遇
NISAの最大の魅力は、投資によって得た利益が非課税であることです。本来であれば、投資によって得た利益は20.315%(2023年12月時点)の税率で税金を支払う必要があります。この税制優遇の制度は将来の資産形成において、大きなアドバンテージとなります。税金の節約は将来のリタイアメント資金の拡充につながります。

2. 自由度が高い
NISAは数多くの投資商品が選択できます。そのため、自分のリスク許容度や資産目標に合わせて柔軟に運用できます。これにより、個々のニーズに合わせた資産運用が可能です。

3. 長期積立に向いている
半永久的な投資期間が定められているため、将来のリタイアメント資金(老後資金)を積み立てるのに適しています。積み立て期間が長いほど、複利の効果とドルコスト平均法の効果を最大限に生かせます。

4. 制約がある運用期間
NISAは半永久的な運用期間を定めておりますが、1,800万円の限度額を設定しております。上限金額に達してしまうと、税制優遇の制度が活用できなくなります。闇雲にNISA口座で運用を行うだけではなく、将来の計画を立てたうえで、柔軟性に制約が生じる点を考慮する必要があります。

5. 制約された商品
NISAでは数多くの運用商品を選択できる一方で、すべての商品に活用できるわけではありません。一定の条件を満たす商品にしか投資できないため、全ての投資商品を利用することが難しい場合があります。場合によっては、投資家が希望する商品や戦略を選択する自由度に影響を与える可能性があります。

4変額保険の概要
一般的な生命保険の機能(死亡保障、高度障害保障、など)を持ち合わせながら、株式や債券を中心に資産運用をし、運用実績によって保険金や解約返戻金が変動する保険です。一般的に生命保険の弱点とされていたインフレリスクに対し、運用実績に応じて保険金額が増える変額保険はこの弱点をカバーした保険となります。
このように死亡したときは、基本保険金に上乗せして変動保険金を受け取れる場合がありますが、運用実績により変動保険金がマイナスになっても、基本保険金額は最低保証されます。
保険期間には、「有期型」(一定期間保障される型、いわゆる養老保険)と「終身型」があります。「有期型」には満期保険金がありますが、運用実績により変動し、最低保証はありません。「有期型」「終身型」とも、解約返戻金に最低保証はありません。
保険の機能で万が一の際の保障をカバーしながら将来に向けた資産形成を行うことができる生命保険です。

5.変額保険のメリットとデメリット
1. 保障要素がある
変額保険は資産運用と同時に死亡保障や生存保険、保険料払込免除特約などの保障要素を含んでいます。これにより、万が一の保険事故が発生した際にも将来の資産形成にむけたリスクを軽減しながら資産を積み立てることができます。大切な家族や扶養者を守りながら資産を形成できるのが魅力です。

2. 資産運用と保険が一元化
変額保険は資産運用と保険を一つの契約にまとめて提供するため、手続きが簡便で、資産運用と保険の管理が一元的になります。これは、手続きの煩雑さを避けたい投資家にとって利点となります。

3. 手数料やコストが高い場合がある
変額保険には契約手数料や保険関係費用が発生するため、他の投資商品と比較してコストが高くなることがあります。これは、投資家が受け取るリターンに影響を与える可能性があります。

4. 解約に際して損失が生じる可能性がある
変額保険は一定期間継続することが前提であり、途中で解約すると損失が生じることがあります。急な資金の必要性やライフイベントの変化に対処する際、この制約は投資家にとってデメリットとなります。

6. NISAと変額保険で共通する点(株式を中心にした投資信託)
いずれの商品においても、株式を中心とした投資信託で資産運用をする点では大きな変わりはありません。前述のメリットデメリットで記載の通り、選択する上でのポイントは「保険機能の有無」と「投資先の種類」となります。資産運用を行いながら「絶対に」貯めなければいけない資金は、万一の事故が発生した際にも「絶対に」貯めなければいけない資金かどうか、貯まっていない時に万一の事故が発生したとしても保険金が下りてくる変額保険はリスク対策が取れる商品であると言われます。しかし保険関係費用が発生するデメリットがあるため、同じ運用利率であったとしても変額保険の場合は貯まっていく額が少なくなります。また投資先の種類については、いずれも株式や債券を中心とした投資信託とはなりますが、相対的に変額保険の場合は代表的なファンドしか用意がないため、選択肢が少ないです。日本国内、アメリカ国内、世界規模や発展途上国に目を向けたファンドや、REITや金などのファンドをポートフォリオに組み入れたい投資家は物足りないかもしれません。その反面、あまりにも膨大なファンド数に対し、投資家目線で選びきれない場合は代表的なファンドのみ有し、適切なアドバイスができる担当者がつく保険商品のほうが選びやすいという声もあります。

7. ・NISAと変額保険でお客様が悩むポイント
前述の通り「運用実績」と「ポートフォリオの組み方」に悩むお客様が多いです。運用実績については保険関係費用の発生により、相対的に増える金額としてはNISAのほうが有利です。しかし投資家のライフステージや資金状況、到達したいゴールに対しての的確なポートフォリオの組み方についてはNISAの場合だと選択肢が多すぎて選びきれないといった声も上がっています。

8.NISAが向いている人、変額保険が向いている人
それぞれのメリットデメリットがあるため、簡単にはまとめられませんが、あえて言うのであれば目的を分けて持つことが大切だと思います。優れた税制メリットを有するNISAは老後資金等、自分自身のために、長期的スパンで資産形成できる目的に向けて向いている商品です。その反面、1,800万円の購入額の上限が設定されているため、あくまで一つの資産の持ち方というところに落ち着いてくるかと思われます。また変額保険については「絶対に」貯めなければいけない、例えばこどもたちの教育資金や将来の住宅購入資金に向いている商品です。目標額を貯める前に万が一の事故が発生した場合であったとしても資金準備ができるような保険機能がついているためです。副次的効果として運用により資産形成ができていた場合に老後資金に回したりすることも可能となります。

結論
NISAと変額保険は、それぞれの特性を考慮して選択することが重要です。将来の計画やライフスタイル、リスク許容度を踏まえつつ、専門家のアドバイスを受けることが良い判断に繋がります。優れた投資は、将来の経済的な安定を築く鍵となります。

ファイナンシャルプランナーとして働くのに資格は重要?FPとして活躍するにはどのような資格があるとよいかをご紹介

はじめに
資格取得を目指す方はたくさんいますが、近年ファイナンシャルプランナー(FP)の資格取得をした方、目指す方が増えています。コロナ禍でお金について向き合うことが増えた御時世もありFP相談の数は年々増加傾向にありますが、自身が学び知識を高めたいと思う方が増えてきています。FPの資格試験は年に3回実施され、年間10万人以上が受験する人気資格になっています。また、FPの資格をとってファイナンシャルプランナーを目指す方、転職を検討している方も増えてきています。
フィナンシャルプランナーとしてのキャリアにおいて、専門知識とスキルを証明する資格は重要ではありますが、どれぐらいの資格が必要なのでしょうか。ここでは、FPとして成功するためにFP資格を含む取得すべき主要な資格を紹介し、それぞれの資格がどのようにFPの業務に役立つのかを解説します。
・資格名
★関連性
☆取得難易度 必要とされる学習時間目安、合格率
・ファイナンシャルプランナー3級  ★★★ ☆☆
基礎知識を養うことやFPを目指すきっかけ、登竜門として受けるには意味がある資格。FPとして働いていない方の取得も目立ちます。しかし3級をもっていることで実務の時にアピールになることはほとんどありません。むしろ伝えることを控えるものでもあります。
資格取得に必要な勉強時間の目安は約100時間と言われ、85%以上の合格率です。取得人数は2023年11月現在で591,178人です。

・ファイナンシャルプランナー2級(AFP)★★★ ☆☆
2級まで持っていると一般的なFPとしての知識をもっていると認識されるものです。FPを仕事とするならマストな資格と言えます。ほとんどの人はもってる、2級もっていることを条件にお客様を紹介していただける業務提携案件も多くあり、実務的に必要なレベルと言えます。入社後の取得でも可能です。

資格取得に必要な勉強時間の目安は150~300時間と言われ実務経験の有無で差が大きくなる資格です。取得の為には2年以上の実務経験か3級合格者であることが必要になります。合格率は約40%です。取得人数は2023年11月現在で542,135人です。

・ファイナンシャルプランナー1級(CFP)★★★ ☆☆☆
保有しているとFPとして拍がつく資格になります。筆者の肌感覚的に1級を取得しているFPの割合は10%以下です。1級は持っているだけで1つの個人のブランドになります。自分のブランディングとして使える資格です。

資格取得に必要な勉強時間の目安は400~600時間と言われ膨大な勉強時間を必要とする資格です。取得の為には2級合格者であることが必要になります。合格率は10%前後と高難度資格です。取得人数は2023年11月現在で23,428人です。

・証券外務員資格 ★★★ ☆☆
もっていることでお客様に幅広くアドバイスできること印象を与えられる資格です。また実際に証券の取り扱いができるので、お客様の課題解決の手段としての幅が広がります。

資格取得に必要な勉強時間の目安は100時間と言われています。合格率は約70%です。有効期間は設けられていませんが外務員期間は5年更新になります。取得人数は2023年11月現在で6544人と実務で必要でない限り取得を目指す方は多くありません。

・住宅ローンアドバイザー ★★ ☆
住宅購入、住宅ローン相談の場面で信用されやすくなる、住宅ローン選びの支援をすることができる資格です。住宅購入自体はFPの活躍できる領域なので、取得している現役FPが多い。
資格取得に必要な勉強時間の目安は30時間と言われ比較的取得しやすい資格です。有効期間は3年間、合格率は全日本不動産協会の場合、合格率は7割程度、金融検定協会の住宅ローンアドバイザー(HLA)認定試験では合格率は45.1%です。取得人数は約1万7000人です。

・相続診断士 ★ ☆
相続相談、相続税対策などでもFPが活躍できる分野です。遺言書作成など相続発生前の対策や手続きのアドバイスを行うので、お客様の資産を最適に管理・継承する支援が可能な資格になります。そのため相続対策の相談を前向きに取り組んでいるFPだけなく、相続との関連が深い⾦融業(⽣命保険業・証券業・銀⾏業)・不動産業・証券業の従事者は取得していることが多いです。
合格率は90%以上、有効期間2年、取得に必要な勉強時間は30時間と言われ、取得者数は4万人以上です。

・宅地建物取引士 ★★ ☆☆☆
不動産取引を専門的に扱う国家資格です。不動産業界からFPに挑戦する方が保有している場合が多いですが、FP転職後に取得を目指す方もいます。不動産投資や住宅の購入などのアドバイスを行う際に、法的な側面からサポートを提供することができます。
資格取得に必要な勉強時間の目安は600時間以上と言われ今回紹介するなかで最難関の資格です。取得の為には実務も必要になります。合格率は15%前後。取得人数は2023年11月現在、1,076,177人です。

資格があればFPとして活躍できるのか
上記は参考にしてもらいつつ、あくまで研鑽であったり自分自身のブランディングとして取得する人が多い。証券外務員や宅建のように保有していないと取り扱えない商品もあります。実務の場面では資格を活かしつつも、実際の面談経験であったりスキル、コミュニケーション能力などが求められます。
まとめ:
これらの資格は、FPとしてのサービスの質を高めるための基盤を作ります。しかし、資格はあくまで基礎であり、実務経験を積み、クライアント一人ひとりと真摯に向き合うことが、FPとしての価値を高める鍵です。知識を深めるための学習と同時に、コミュニケーション能力や共感力を磨き、お客様の信頼に応えられる専門家を目指しましょう。

お客様に喜ばれることが多い!ライフプランシミュレーション作成がファイナンシャルプランナー(FP)の仕事の生命線

お金とは、私たちの生活を支え、夢や希望をかなえるための大切なパートナーです。しかし、そのお金をどのように使い、どのように増やし、そしてどのように未来を設計するかは、一筋縄ではいかないもの。「お金の計画は完璧でしっかり備えています!」という家庭はほとんどいないのではないでしょうか。実際にある調査では、計画を立てて貯蓄をしている家庭は全体の3割以下というような結果も出ています。

そこで登場するのがお客様のお金の計画を一緒に作成したり、悩みを解決する「ファイナンシャルプランナー(FP)」です。FPの業務の中でも特にお客様に求められているものが「ライフプランシミュレーション」です。しっかりしたライフプランシミュレーションを作ることができるのはFPだけで、言わばFPの専売特許のような仕事とも言えます。またお金の将来に渡るシミュレーションを作るということはお客様にとってもとても喜ばれるものでもあります。

それではこのFPにとって本日は「ライフプランシミュレーション」の役割や有効性などについて解説していきます。

1.ライフプランシミュレーションの役割

ライフプランシミュレーションとは、お客様一人ひとりのライフスタイルや将来の夢、目標をベースに、最適な資産の運用や支出計画を設計するものです。多くのFPが使うライフプランシミュレーション表では横軸が年齢、縦軸が収入、支出(生活費、子育て、住宅etc)になっており、毎年の家計の収支の増減やその推移を表やグラフにして表します。これにより将来に渡るお金の流れをある程度可視化することができ、その結果普段生活しているだけでは分からなかった、自分の家庭のお金の流れで見えてくる点もあります。そこで”将来お金はどれくらい貯まりそうか(しっかり貯められるか、はたまた破綻しないか)、見直すべき支出はないか、隠れた問題点はないかなど多くのことを把握することができます。ライフプランシミュレーションをつくってみるという行為はただ単に数値を計算するだけではなく、FPとお客様の「人生の物語」「将来の希望や理想的な生活が実現できるか」を共に考え、描き出す作業と言えるでしょう。

ファイナンシャルプランナーは、お客様と一緒にその人生を歩むパートナーとして、ライフプラン作成の中で多くの発見や喜びを共有します。特に、ライフプランを作成することで、お客様が抱えるお金の問題や課題、そしてそれを解決するための方法に気づくことが多々あります。この発見は、お客様の生活をより豊かにし、安心感を与えるための第一歩となります。こういったことができるのは普段からお客様の生活面をしっかり捉え、お金の計画づくり、節約、資産運用などのエキスパートとして経験を積んでいるFPだからできることです。

2. なぜライフプラン作成が重要か

では、ライフプラン作成がどのようにお客様の役にたつのか、もう少し細かくみていきましょう。

①お客様の未来のお金の流れを明確にする
人は、未来を明確にイメージすることで、現在の行動や選択をより意味あるものにすることができます。ただ将来のお金の流れを明確にするということは誰にでも簡単にできるものではありません。そのためお金のことに詳しいFPが一緒になってライフプランを作成することが求められます。ライフプランは、その未来の道標となるものです。

②お金の課題に気づく
お客様自身が気づいていないお金の課題や、将来的なリスクに早期に気づき、適切な対策を取ることができます。例えば将来お金が足りなくなる、子供が高校生や大学生の時に収支がマイナスになる、病気などをした場合のバックアッププランが十分できていないことなどがあります。

③安心感を提供 
よくあるケースとしては漠然としていたお金に関する計画や方針が明確になることで、お客様の未来に対する不安が和らぐものです。将来の不安がなくなるほど今を生きることに余裕が生まれ、その結果喜びを感じることができるようになります。ライフプランをつくってみた結果、安心して住宅が購入できる、子供を私立の学校に通わせられるという希望が見えてくることがあります。

④お客様との絆を深められる
ライフプランを作成することはお客様との絆を深める上でも重要な役割を持っています。お金のことを生涯にわたってトータルで考えることは、単なる資産の管理以上の意味を持っています。そこには家族としてどのような暮らしをしていきたいか、趣味や旅行、子供の育て方など家族ごとに異なる価値観や想いとお金の使い方が密接に関係しているからです。それは、お客様の人生そのものをより良くするためのステップとして、ファイナンシャルプランナーが共に歩む旅のようなものとも言えるでしょう。この旅の中で、ライフプランを通して具体的で正確な計画づくりをサポートすることでお客様との絆を深め、信頼関係を築くことができるのです。

ライフプランシミュレーション作成は、ファイナンシャルプランナーの仕事の生命線であり、お客様の人生と未来をより良くするための大切な手段です。お金の計画を立て、未来を設計することで、お客様は生涯を通じて安心して生活を送ることができます。そして、このプロセスを通して、ファイナンシャルプランナーとお客様との間には深い絆と信頼が生まれFP自身のやりがいにもつながっていきます。

3.ライフプラン作成によるFP側のメリット(商品提案につなげやすい)

FPとしてライフプラン作成ができると、実はそれによって金融商品(証券、保険、不動産etc)の提案にもつなげやすいというメリットがあります。

ライフプランをお客様に提供することとは、お客様の将来のお金の流れを明確にすると同時にお客様の夢や目標を形にする道筋を示すものでもあります。ファイナンシャルプランナー(FP)がお客様と共に考えることで、その夢を叶えるための具体的なステップを見つける手助けをします。そして、このプロセスの中で、実はFPは金融商品(証券、保険、不動産etc)の提案・販売のチャンスを増やすことができるのです。

著者の周りのFPさんでも、金融知識が豊富であることはもちろんですが、このライフプランをしっかり作れている(実際にただライフプランを作るだけではなく、お客様にその重要性をしっかり理解してもらった上で精度の高いプランがつくれるかがポイント)FPさんほどお客様から信頼され、また収入面でも高い成果を挙げていらっしゃいます。

ではなぜライフプラン作成が金融商品の提案・販売のために有効なのか、具体的に見ていきましょう。

①お客様のニーズを深く理解することができる
ライフプランを作成する過程で、FPはお客様の収入や支出の状況、将来の夢や目標、懸念や不安などのお客様ニーズを深く理解することができます。お客様ニーズを深く理解すれば、そのお客様の状況をより良くするための金融商品を使った解決策が分かります。例えば、子供の教育資金や退職後の生活設計など、ライフステージに合わせた金融商品の提案が可能となります。

②信頼関係の構築ができる
ライフプランを共に考えることで、FPとお客様との間には深い信頼関係を築くことができます。ライフプランの考え方や説得力が高いほど、お客様からは「このFPにお金のことを任せて相談すれば安心できる」というような信頼を獲得できるでしょう。金融商品に加入することはどのお客様にとっても「これは本当に大丈夫な商品か?」と慎重になるものです。FPがお客様のためになると思って金融商品を提案しても、お客様からFPへの信用がなければ「怪しい商品」と見做されてしまいます。一方で信頼できるFPからオススメされた商品であればお客様は受け入れることが可能です。金融商品に限らず家や車など大きな買い物をする時、お客様は最終的には担当者の人柄や説明を判断して「この人の言うことなら信用できる」と思えるかどうかが購入に至る大事な要素になります。

③販売単価の向上にもつながる
販売単価が高いということは「お客様にたくさん商品を売り付けている」こともあるかもしれませんが、実際には「お客様の多くの課題に対して解決策を提案している」「お客様がより未来に対して希望を持てる、ワクワクするような提案ができている」ということの方が多いです。お客様の目標や課題、想いなどニーズに合わせて複数の商品を組み合わせたりカスタマイズした商品提案ができます。そのためにもライフプランの作成は有効です。

■□■□実例を交えて■□■□
例として、お客様の退職後の生活費を準備するために、長期の投資商品とともに保険商品を組み合わせた提案を行った例をご紹介します。

たとえば、42歳のTさんは、子供の大学進学資金や自分の退職後の生活設計について悩んでいました。FPとしてライフプランを共に考える中で、Tさんの退職後の夢やライフスタイルについてヒアリングを重ね明確にしました。退職後は趣味のバイクで夫婦で出かけたい、ゆっくり過ごしたいから年金とそれまでに積み立てた資産で働かなくても良い状態にしたい、介護を必要とする場合も子供に迷惑をかけたくない、孫ができたら食事会をしたい。たくさんの叶えたい想いを伺いました。その上で、NISA口座を利用した長期の投資信託、さらには生命保険を組み合わせた金融プランを提案しました。まずは10年後に控えた子供の大学進学資金についてはこれまでの積み立てた資産と手つかずで残していた児童手当を利率確定型の保険で運用し、退職後の生活費については無理のない積立額でNISA口座での投資信託とガン等の重い病気になった場合は積立投資を保険会社が継続してくれる変額保険で資産を育てていく内容です。Tさんからは、自分の夢や未来に合わせた最適な商品を得ることができたと言って頂き、プランをスタートさせることにしました。このように、ライフプランをベースにした提案は、お客様にとってもFPにとってもwin-winの関係を築くことができるのです。

いかがでしたでしょうか。

ライフプラン作成は、単なるお金の計画を描く行為以上の価値を持っています。お金の使い方はお客様それぞれの想いや価値観、家族への愛、理想的なライフスタイルや時間の過ごし方が異なるため、ライフプランも十人十色であり、お客様にあったライフプランの作成ができることがお客様の人生の充実に繋がるからです。それは、お客様の心の中にある夢や目標を形にするための頼れるツールのようなものとも言えるでしょう。FPとして、このツールを使いこなすことで、お客様の信頼を得ると同時に、上述したように金融商品の販売の可能性を高めることができるのです。もちろんそのためにはFPとしての熟練した知識や経験、プレゼン能力、また本当にお客様の人生の幸せを想う気持ちやコミットメントも必要になってくるでしょう。

これからFPを目指そうとしている方には、ライフプランを使いこなして成功を目指していきましょう。wantedではライフプラン相談を中心に活動できるFP会社のご案内も可能です。気になる方は是非チェックしてみてください!

どうしたらお客様から信頼が得られる?ファイナンシャルプランナー(FP)として顧客ニーズを理解するために必要なスキルや心構えについて

はじめに

お客様のニーズや心の中を深く理解することは、ファイナンシャルプランナー(FP)の現場での大切な役割の一つです。他のビジネスでももちろん重要だと思いますが、お客様の人生の大事なお金のことの相談を受けるFPの仕事では、顧客ニーズを把握することは特に大事になってきます。

お医者さんの例などを取ると分かり易いかと思いますが、著者は病院にいく時、自分の患っていることの症状や状態をしっかり聞いてくれて、また自分の性格にも合わせてお薬の使い方などの相談に乗ってくれるお医者さんはいつもいいお医者さんだなと感じますし、あまり話も聞いてもらえずなんとなく薬を処方されると「本当に大丈夫か?」と感じることがあります。

お金の世界ではなおさら、お客様それぞれお金の有意義な使い方は異なりますし、将来の計画や家族への想い、また不安に感じることも異なってくるので、”お客様のニーズをしっかり理解すること”はとても重要になってきます。

ではお客様のニーズを理解するためにはどのようなことが必要でしょうか。
まずは”お客様の成功を願う強い想い”が大事ですが、実際には想いだけではなく、しっかりしたスキルが必要だと言われています。そこで本日は顧客ニーズを把握、理解するためのスキルについてご紹介していきます。

ここでは事例を交えながら「必要なスキル」を体系的に列挙していきます。

1.傾聴の技術

「傾聴」は営業スキルの重要な要素の1つであり、顧客とのコミュニケーションにおいて非常に役立ちます。傾聴は、相手の意見や感情に注意深く耳を傾け、理解しようとする能力を指します。相手の話に注意を向け、言葉だけでなく、声のトーン、ボディランゲージ、感情にも注目します。質問を通じて相手の意見や要望を掘り下げ、フィードバックを提供して、相手が話す意図を理解しようとします。具体的な方法としては「大きくうなずく」「オウム返し」などがあります。
例えばFP相談の場面では、はじめにお客様が老後のお金のことで心配があるというお話をしたとします。そのような時、すぐに「それであれば有効な貯蓄手段があって〜」という解決策を説明するのではなく、まず「その点がお悩みなんですね」「それはたしかにこのままだと大変ですね」とうなずきながらしっかりお話を伺います。すると自然とお客様は自身の話を続けて話してくれるものです。

2. 共感力
お客様の気持ちや状況を自分のものとして感じ取ることができる力です。まるで、お客様の心の中に寄り添うように感じることで、お客様の深い理解へと繋がります。

例えば、お客様とライフプランシミュレーションを作成している場面で、教育費をいくら貯めるのかという質問になるとお客様も子供への想いや愛情を口にしながらどれくらい教育費を貯めたらよいのか悩まれることがあります。そのような時、FPも他人事ではなく「このお客様のケースだったら自分は自分の子供に対してどうするか」という共感を持って相談にあたります。共感をしていると、自然と声や表情にその想いがあらわれるものです。お客様もFPに自分の話を共感してもらえていると感じると、安心して心置きなく今の気持ちや悩みなどを話すことができるようになります。

3. 質問の技術
「質問スキル」は、営業において非常に重要なスキルの1つと言われており、顧客との対話を通じて情報を収集し、顧客のニーズや要望を理解するために用いられます。具体的にはオープンクエスチョンとクローズドクエスチョン、掘り下げ質問などがあります。

オープンクエスチョンとは通常、「何(What)」「なぜ(Why)」「どのように(How)」「いつ(When)」「どこで(Where)」「誰が(Who)」などの疑問詞で始まるもので、お客様が自由に話せることで問題の根本的な部分を伺うことに有効です。一方でクローズドクエスチョンとは「はい」「いいえ」など単語や短いフレーズで答えてもらう質問で、お客様が答えることや話すことにストレスを感じにくい状態で面談を進めることができる技術です。オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを織り交ぜながら、お金の計画に必要な情報をまとめていきます。掘り下げ質問は深掘りとも言います。一つ質問をして返ってきた回答に対して「そう思うのは何故ですか?」などお客様の思考を掘り下げることで、相談当初では見えていなかったお客様の本来の価値観や本当の悩みなどを汲み取ることができます。表面上の相談内容だけを伺っていては本質的な問題解決に導くことは難しいです。

例えば、FP相談の場面でもお客様ははじめご相談内容を伺うと「副業を考えている」「NISAでの運用が知りたい」と表面的な質問や回答をされることが多いですが、一つずつ紐解いて質問していくと「夫の体調があまり良くなく、子供が大学生になった時に教育費が支払い続けられるのか不安に感じている」というような本音に辿り着くことがあります。このお客様の深いところにある本音をしっかり把握しなければ、良い提案には辿り着きません。

4. 観察力

言葉だけでなく、お客様の表情や身振り、態度からも情報を読み取ることができる力です。時には、無言の瞬間が真実を教えてくれることもあります。

分かりやすいものだと、お客様が腕組みをしていたら、心を閉じている状態です。FPのことをまだ信頼していない状況では正直にお金の悩みを伝えにくいもの。そんな時に人はボクシングのガードをするように腕組みをして防御の態勢になります。まずはFPが笑顔で手を広げた状態で面談をしてみましょう。少しずつお客様の心も開いてくるものです。

また会話のなかで「●●●なんですが」と逆説で言葉が終わるときは、逆説のあとにくる言葉が本音の部分。そこを伝えるのは気が引けて割愛し逆説でフレーズが終わることがあります。「●●●だけど、本当は何でしょう?」と本音の部分を話しやすい投げかけをすることで本当に相談したかった悩みを話してもらえるようになります。その時にお客様が話すまで無言の瞬間が訪れても、話し出すまで我慢してみることで本音を話し出してくれるものです。

5. 感謝の気持ち
お客様が自分の話や悩みを共有してくれることへの感謝の気持ちを忘れずに持つこと。これが、お客様との信頼関係を築く土台となります。

まずは、面談の時間をつくってくれていることに感謝すること。FPが自分の時間だけを優先していては信頼関係を築くことは難しいです。面談の日時や提供物の期日など時間の約束を守ることは社会人としても当たり前ではありますが非常に大切な点です。また限られた面談時間を最大限に有効にすすめることは、お客様の時間を尊重していることに等しいです。

6. 解決志向
お客様のお金の問題や悩みを理解した上で、それを解決するための方法や手段を考え、提案する力。お客様のために最善の方法を模索する姿勢が大切です。

どれだけ良い人だと思われても、どれだけ面談が盛り上がってもお客様のお悩みの問題解決が出来なければ良いFPとは言えません。これはお医者さんに例えると分かりやすいです。いつもニコニコしていて診察がストレスではないが、病気を直してくれないお医者さんと、ぶっきらぼうでも何の病気か診断してくれて、その病気に聞く薬を処方してくれて、そもそもの生活習慣を改善することで再発を防げるというアドバイスをくれるお医者さんがいたとします。どちらのお医者さんが本当に良いお医者さんと言えるでしょうか。どちらの良い部分を兼ね備えることがお医者さんとしては素晴らしいかもしれませんが、後者のお医者さんとしての力があってこそお医者さんとしての役目を全うできるはずです。

これはFPも同じことが言えます。教育費の心配で相談にきたけど本当の問題は何も準備していなかった老後の生活資金についてということが分かり、その為の積み立て投資が実践可能なものを提示してくれて、そもそものお金の管理方法からアドバイスができるFPは、良い人だけど何解決してくれないFPと比べて存在価値は雲泥の差になってしまうでしょう。

まとめ

お客様の心の中を深く理解するためには、多くのスキルや心の準備が求められます。しかし、それらは特別なものではなく、日常の中で育てることができるものばかり。常にお客様の立場に立ち、心の中に寄り添う姿勢を持ち続けることで、真の理解と信頼関係を築くことができるのです。

ファイナンシャルプランナー(FP)として高収入を得る人、稼げる人の特徴を転職エージェントの立場から解説します!

2023年12月1日

はじめに
お金に関する知識やスキルを活かして高収入を実現し、同時にお客様の生活に貢献するファイナンシャル・プランナー(以下、FP)の仕事に興味を持つ方は少なくありません。FPの仕事は高収入を得るだけでなく、時間的にも自由があり、年齢に関係なく働きやすいという点も大きな魅力です。

今回はFPの収入面にフォーカスしてお話していきます。
結論からいうとFPの仕事は、通常の仕事では達成できない高収入を得ている人がたくさんいます。筆者の周りでも例えば年収1500万円以上というFPは何人もいます。高収入が得られれば将来の不安が減り安心した生活が送れる、旅行に行ける、趣味にお金をかけられる、学びにチャレンジするゆとりができる、社会貢献やチャリティーへの支援できるなど羨ましい点がたくさんありますよね。そんな人生の成功者を目指したいという人は多いです。
そこで今回はFPはどんな人が志すか、どのような人がFPとして成功しやすいか等について解説していきます。

1.FPを志す人はどういう人か
FPの道を選ぶ人にはいくつかの特徴があります。まず、お金や投資に関する知識に興味を持っている人が多いです。収入目的で転職したとしてもやはりお金自体に興味がないと上手に続けられません。FPを志す人は常に新たな情報やスキルを学ぶ姿勢を持っています。また、以下のような理由もFPを目指す理由としてよく挙げられます。
①時間的自由: FPは多くの場合、柔軟なスケジュールで仕事を進めることができます。これは、お客様のニーズに合わせて予約を調整し、個人や家庭の都合との調整がしやすいです。
②毎日の出社義務がない: 新人の頃は例外として、FPは通常毎日の通勤の必要がありません。最近はリモートワークでの業務も増えてきています。
③人と話すのが好き: 成功するFPには、人とのコミュニケーションが得意な人が多いです。お客様に喜んでもらう、お客様に信頼されたら嬉しいと感じている、お客様想いな方が多いです。

2.FPに転身した人は以前はどんな仕事をしていたか
FPに転身する人たちは様々な職業から転職しています。これはFPの仕事が前職の経験やスキルを活かすことができる多様性を持っているからです。例えば、元銀行員、保険代理店のエージェント、会計士、弁護士、経済学者などがFPになっています。また金融関係や士業に限らず、さまざまな経歴を持つ人々がFPへの転職にチャレンジしています。例えば一般的な会社員、主婦、飲食関係者、教育関係者、技術者、芸術家、医療関係者など、さまざまな背景を持つ人がFPに転職しています。つまり前職でお金に纏わる仕事をしていなくても、興味と情熱、そして学ぶ姿勢を持つことが重要で、未経験からでもFPになることは十分に可能です。
FPの職業は、個人のニーズに合わせたプランニングを行うため、多様なバックグラウンドを持つプロがお客様に価値を提供できる場でもあります。結論として、やる気さえあればFPへの道は開かれていると言えるでしょう。

3.FPの具体的な働き方
FPの仕事は多岐にわたり、法人、個人のニーズに合わせたプランニングを行うことが中心です。これには資産運用のアドバイス、税金の最適化、保険の選定、リタイアメントプランの策定などが含まれます。経験豊富なFPはお客様に寄り添い、長期的な関係を築くことが得意です。お客様のライフステージに応じてお客様にとって必要な内容が変化したり、時にはお金の計画の修正が必要になることもあるので彼らはお客様の人生の変化に合わせて計画を調整します。

4.成功するFPの特徴
筆者もこれまでたくさんのFPと話をしてきましたが、成功するFPには以下のような特徴があります。営業やコンサルティングのスタイルは十人十色ですが、「たしかにそのようにお客様に接しているとお客様も喜ばれるだろうな」と感じることが多いです。以下に筆者が感じた成功するFPが持っている要素を列挙していきます。これらのうちいくつかが達成できるようであれば、FPとして高収入を得られる可能性があると言えるでしょう。
1. コンサル力(営業力): FPはお金に関する複雑な情報を分かりやすく説明し、お客様に説明、納得させるスキルがあります。お客様が理解しやすい言葉で話すことはとても重要です。
2. 好感度: 良いFPは親しみやすい態度を備えています。話し方、身なり、仕事に対する熱意、そしてお客様に対する誠実さ、約束をしっかり守ることがお客様から信頼を得ます。
3. 自身の経験: FPは、自身の人生経験や成功体験を元にお客様に貢献することができる職業です。FP個人が自分の家庭で実践しているお金の管理方法や投資戦略、また失敗例はお客様にとって分かり易く説得力があります。「この方自身も投資している商品だったら間違いないわ」とお客様は感じるため、自分自身も良いと思ってやっている資産形成や加入している保険などは最大のプレゼンツールになります。
4.人脈の形成: FPにとって人脈は重要な要素です。人脈と言うと富裕層や経営者、医者と繋がらなければいけないと考える人が多いですがそんなことはないです。趣味の活動や地域の活動などで知り合った方々が重要な人脈になることもあります。また今人脈がなくても、人脈はこれからつくっていくことも十分に可能です。
5.お客様の課題のヒアリング力: 成功したFPは、お客様のニーズや課題を的確にヒアリングし、それに基づいて適切な解決策を提供する能力を持っています。お客様との対話を通じてお客様の要望や目標を深く理解し、しっかり理解することが大事です。「この人は私のことを良く分かってくれている」とお客様に感じてもらえることが信頼獲得の第一歩となります。
6.優良な案件:上述の1~5に加えて「お金の相談案件が定期的に入ってくる仕組み」があることは大きなポイントです。当たり前の話ですが、プレゼン力や課題解決力があっても、それを披露する場所がなければ活躍することができないためです。案件づくりはFP個人で努力して構築している人もいますし、そのような活動が苦手な方は優良な案件を提供してくれるFP会社に就職するという選択肢があります。当社の転職カウンセリングでも優良案件を持っているFP会社をご紹介しているので興味がある方はカウンセリングにお申し込みください。

5.FP転職の失敗例
FPに転職することで高収入が得られる可能性を記載してきましたが、高収入が得られる仕事というものには当然同時にデメリットも存在します。以下に、FPに転職する際に考慮すべきデメリットをいくつか挙げてみます。
1.不安定な収入: FPは一般的に手数料やコミッションに依存して収入を得るため、収入が安定しづらいことがあります。(もちろん会社員のように固定給与のFP会社もあります。)市場の変動やクライアントのニーズに左右されるため、安定的な月収を得ることが難しいこともあります。FPとして駆け出しの頃は固定給与のしっかりしている会社でまず経験を積むというのも1つの選択肢になるでしょう。
2.営業スキルの必要性: FPはクライアントを獲得し、維持するためには上述のとおり営業スキルが必要です。これにはヒアリング能力、積極的な顧客獲得、クライアントとの関係構築、プレゼンテーションなどが含まれます。
3.案件がない(案件づくりが得意ではない):成功するFPの特徴でも記載しましたが、そもそも相談案件がないため活躍ができないというFPも実際にいます。「お客様に貢献する能力」と「案件をつくる能力」について前者は得意だけど後者は苦手という人も中にはいます。そのような時は職場選びを間違えないことが解決策の1つになるでしょう。ファイナンシャルプランナーWANTED!では未経験者でも経験者でも相談案件のある会社へのご紹介を強みにしているので、ぜひ転職カウンセリングもご利用ください。
上記がFP転職の失敗例やデメリットになります。FPにはなりたいが、いきなり高収入を目指したいわけではない、という方はまずはしっかり経験が積めてお給料ももらえるような職場を選ぶべきでしょう。FPは他の職業では難しい高収入が目指せる職業である一方で、そのために必要なスキルの獲得や経験を積むことが重要で、またうまく行かなかった時のデメリットも考慮すべきです。個人のスキル、目標、リスク許容度に合わせて、FPの職業を選択する前によく考え、適切な準備を行うことが重要です。

保険代理店のカウンセラーとファイナンシャルプランナー(FP)の仕事の違いって何?現役FP経験者がその違いを解説します

Pにお金の相談をしたことがあったり、FPの資格勉強の経験がある方には「自分もFPの仕事に挑戦してみたい!お金について困っている人の役に立ちたい!みんなにお金の知識を教えてあげることを仕事にできないか」そう考えてファイナンシャルプランナーの仕事に興味を持ち始める人もいるでしょう。そのような中でFPの仕事を検索し始めると、多くの方が「保険代理店とFPはどう違うのだろうか」という疑問に突き当たることが多いです。未経験からFPを志されている方の中には「自分のやりたいことは保険だけじゃなく、中立的なお金のアドバイスができる独立系FPになりたい」というご相談をいただくことも多いです。

そこで本日は保険代理店とFP会社の仕事の違いというテーマで話をしていきましょう。

保険代理店とFP会社の違いを以下に記載していきますが、結論から申し上げると両社の境界線は曖昧なこともあり、1社1社その会社の業務内容やスタンスを確認してみることが必要になることがあります。FPの会社であっても、保険を取り扱っている場合も多くあります。なぜなら『お客様のお金の相談ごとを解決する』という点では保険も重要な役割を持っているため、FP会社を行う上でも保険が必要であるからです。

上記の前提の上で「保険代理店」「FP会社」の違いを記載していきます。

1.保険代理店の仕事内容
保険代理店の主な仕事は、お客様に最適な保険商品を提案し、その募集(販売)を行うことです。
人生の節目、ライフイベントがある時にお金のやりくりや計画についてや保険のことを考える方が多いので、お客様のご要望にあった保険商品を提供します。ライフイベントとは人生における大きな節目になるものです。以下、例を挙げながら、ライフステージとその際に考えられる保険商品の例を挙げてみます。

・結婚・出産
→ 生命(死亡)保険や医療保険、学資保険などの積立保険の検討
結婚や出産のタイミングで生命保険を検討される際には、残された遺族にどれぐらいのお金が必要なのかを計算します。遺族年金や勤務先からの弔慰金を計算、加味した適切な保険をご提案します。

・住宅購入
→ 火災保険と地震保険の検討、生命保険の切り替えを検討
住宅購入される方にはハザードマップや建築構造などを踏まえた火災保険、地震保険をご提案し、住宅ローンを組むのであれば団体信用生命保険を考慮した内容の生命保険への切り替えを提案することになります。

・退職
→ 相続に向けた生命保険の検討
退職金をすぐに使う予定や必要性が低い方にはまとまったお金を運用する手段としての運用系の保険をご提案します。また生命保険には相続税対策にもなるため、相続の準備として資産の一部を控除枠のある保険に移すという提案をします。

また、契約後のお客様のフォローアップや定期的にお客様の生活の変化をチェックし、保険の更新や新たな保険への切り替えを提案することも重要な仕事です。例えば医療保険の商品開発は毎年のように行われたりするので、年齢が上がってから新しい保険に入っても保険料が安くなったり、また最新の医療事情に合わせた商品が販売されることもあります。

2-1..FP会社の仕事内容
FP会社は、お客様のお金の計画をたてることで、お客様に貢献することをメインの命題として掲げている会社が多いです。具体的にはライフプラン表の作成、資産運用施策や住宅ローンの相談、保険の相談などがあります。保険商品の選定もFPの業務の一環ですが、その範囲はより広いお金の計画の一部として組み込まれます。そのためFPの仕事は、保険代理店よりも広範囲に渡ることが多いです。例えばキャッシュフロー表の作成から始まり、資産運用や税金、相続など幅広いお金の計画を総合的にアドバイスします。解決策として保険をはじめ金融商品の取り扱いがあります。FP相談を希望される方は、2023年現在では2024年からNISA制度の変更もあり、投資信託や株について、資産形成についての相談希望のお客様が多い傾向にあります。

2-2.FPの仕事の多様性
上記の通り保険相談もできる、保険の提案も行っているFPは多いです。その理由は保険が生活の保障、資産形成、相続など多岐にわたるリスクをカバーし、多くのお客様にとって必要なためです。その点では保険代理店の仕事と共通しています。
一方で、保険商品を取り扱っていないFP会社もあります。彼らはお客様からの相談料やコラム執筆、セミナー講師で複数人に対面やオンライン、メディアで発信する事などを通じて収入を得ています。相談業以外の仕事をメインに生計をたてているFPはたくさんいます。

2-3.FP会社で働く筆者の具体的なお客様相談例

筆者のお客様のご相談の例を挙げてみます。

▼お客様:夫婦とも30歳、お子様1人(2歳)
▼相談内容:住宅購入を検討中で住宅ローンの適切な額を知りたい
もう一人子供を授かりたいが、教育費を考慮した上で無理のない返済額の住宅ローンはいくらぐらいまでかを知りたくご相談に来られました。子育てしたいエリアの候補地は複数を検討しているので総予算次第で選定していきたいとのことでした。
▼提案/課題解決内容
キャッシュフロー表を作成し、お客様のご年収から算出できる借入可能額だけではなく、毎月の生活費や将来予測など家計の収支管理から始め、教育費の積立を考慮したうえで無理のない住宅ローンの月々の返済額の目安を提示しました。
そのうえで資産運用の計画、退職後の生活設計に向けた資産形成、ご両親の相続相談のアドバイスをさせて頂きました。、
▼お客様の反応
お金に対する漠然とした不安が解消できて前向きになれた、家を建てるのが楽しみだと喜んでいただきました。

まとめ
上記の通り、お金の相談先としては保険代理店もFPも選択肢になります。あなたがもしFPを仕事として考える場合、お客様からの相談を受ける側(FPになった時)で考えた時は、どちらの立場で仕事として取り組みたいでしょうか。
どちらもお客様の役に立つことのできる、とても使命感ややりがいのある仕事です。

保険代理店とFP会社、いずれの場合でもまずは経験を積むことが重要です。たくさんのお客様を担当し、実際のお客様の問題を解決する中で、多くの事例を学び、スキルを身につけていきます。
ファイナンシャルプランナー WANTED!では、あなたの目指すFPに向けた所属会社選びを応援しています

ファイナンシャルプランナー(FP)の仕事が向いている人ってどんな人?活躍しているFPの特徴や性格を解説します

2023年11月30日

お金というのは、私たちの生活を豊かにも困難にもする大切なものです。そんなお金を上手に扱い、人々のお金の悩みを解決に導いてくれるのがファイナンシャル・プランナー(FP)の仕事です。周りで結婚をしたから、住宅購入を決めたから、FPさんに相談してみたというお知り合いもいるのではないでしょうか?

FPとして活躍している人は全国にたくさんいますが、それではFPには一体どんな人がこの仕事に向いているのでしょうか。FPとして活躍できる人には共通するスキルや性格がある程度あります。
今回はFPとして活躍できる人、FPが向いている人の特徴について記載していきます。

1.FPの仕事の概要

FPは、お客様のキャッシュフロー表作成、投資計画、保険の選定、退職金計画、相続税対策などが含まれます。つまり、人々のお金の使い方を助け、将来にわたってお金に悩まず安心して生活できるようにすることです。例えば、家を買いたいという人には、どのくらいの住宅ローンの借り入れ額であれば問題なく返済できそうで、同時に退職時に退職金を使わずに繰り上げ返済で完済するにはどのようにお金を貯めればいいかをアドバイスします。また、子どもの大学教育や、自分たちの老後のことも考えて、賢くお金を増やす方法を提案するのもFPの大切な仕事の一つです。

2.FPで成功した先には

FPとして成功すると、自分の知識と経験が、お客さんの大切な人生の一部を支えることになります。それはとても大きなやりがいと喜びを感じる瞬間です。お客さんからの「ありがとう」の言葉は、何物にも代えがたい宝物になるでしょう。また、名声や収入の面でも報われることが多く、専門家としての地位を確立することができます。筆者が転職相談にのってFPに転職した方には、実績がでてくると仕事内容ではセミナー講師に招かれることあったり、収入では前職の2倍以上になっている方もよくいらっしゃいます。以下にFPで成功した場合のメリットについてまとめます。

1. 高い収入
たくさんのお客様から信頼を得ることで、収入が増加する可能性があります。また、質の高いサービスを提供することで、より高額な報酬や手数料を得られることもある世界です。報酬に上限がない会社も多いので、がんばった分、お客様から信頼を頂けた分に応じて報酬を得ることができます。

2. お客様の信頼
継続的に質の良いアドバイスやサポートを提供することで、お客様からの深い信頼を獲得できます。信頼されることは、長期的な関係を築く上で非常に重要です。お客様の信頼から大切なご家族やご友人のお金の相談にも乗ってほしいと頼まれることもあります。

3. キャリアアップ
ある一定の経験や成功を積むと、大手の金融機関やコンサルティング会社からのスカウトや、独立して自分の会社を持つチャンスも広がります。キャリアを積んで知名度も伴ってくるとセミナー講師として招待されることもよくあります。講演や出版で活動することも可能です。

4. 人々の生活の向上
FPとしてのアドバイスやサポートがお客様の生活の質を向上させることにつながり、それが自身の達成感や満足感に繋がるでしょう。仕事である程度の成功を収めると仕事自体に社会的意義を求める人は少なくありません。その点FPの仕事そのものが日本のマネーリテラシーの向上に一役買っています。

FPに向いている人の特性 5選

ここではファイナンシャルプランナーWANTED!がこれまで多くのFPの話を聞いてきた中でFPの仕事で活躍するために特に必要だと思えるものを掲載していきます。

1. コミュニケーション能力
お客様のニーズを理解し、複雑な金融情報をわかりやすく伝える能力は必要不可欠です。人の話を聞くのが好きで、自分の考えも上手く伝えられる。
上手く伝えられるというのは相手が得意な分野での例え話を交えて伝えることや、金融の専門用語を使わずに話すこと、また一つ一つの発言を短く言い切ることなどが挙げられます。「話す」と「伝える」ことは似ているようで効力は違い、結果は大きく違ってきます。
FPが意図している言葉や質問がお客様に分かりやすく伝わること、お客様が話しやすくなる質問の投げ方などはカウンセリングする上で重要な要素です。

2. 分析する力
数字やデータに基づいて的確な分析を行い、最適な提案を行う能力が求められます。キャッシュフロー表を作成することは専用ソフトを用いるので慣れれば難しいものではないかもしれません。重要なのは作成したシミュレーション結果に対して何が課題で、そういった結果がでているのかを分析する力です。
例えば、共働きのご夫婦で世帯年収は1000万円以上あり、見立てでは収支がマイナスにならないかと思っていたら老後にマイナスに触れるシミュレーション結果がでていたお客様がいました。無駄遣いがあまり好きではない性格のご夫婦でしたが、計画的な積立はされておらず、使わなかったお金が銀行に溜まっている状態。現金預金をコツコツされたことはとても立派なことですが、一方で銀行預金だけだとお金を増やすことができないというデメリットもあります。貯蓄を老後に向けて計画的に積立の手段を変えて、再度シミュレーションすると無事に100歳まで収支がマイナスにならない結果にかわりました。「現預金だけしている」という課題が分かったことで、大好きな海外旅行へのペースを落とさなくてもしっかりと老後に向けた準備ができると喜んでいただきました。

3. 誠実さ
お客様のお金にまつわる様々な情報を扱うため、高い倫理観と信頼性が必要です。人の大切なお金の話をするので、正直でお客様にこの人なら信用できると思ってもらえる人でないとFPの仕事は務まりません。例えば、面談の時間に遅れないことは勿論ですが、約束した面談終了の時間を守ることや約束した期日までに資料を渡すことも誠実さと言えるでしょう。同様に身なりに関しても、場に適した服装か、清潔感があるかどうかでお客様の印象は異なるでしょう。これはどんな仕事にも言えることではありますが、特にFPの仕事は信用がなくなればご相談自体がなくなることは当然です。お客様にとっては、大切なお金の話ですから専門的な知識がある前提で約束を守ってくれる誠実なFPに対応してもらいたいと思いますよね。

4. 情報収集が好き
金融の世界は絶えず変化します。新しい法律や投資商品の知識、市場のトレンドなど常に情報をアップデートする姿勢が求められます。ニュースや書籍で新しい情報を集めるのが好きな人はFPに向いているかもしれません。
たとえば最近(2023年11月時点)だと、NISAの2024年からの変更点はもちろん、以前のNISAについての取り扱いについての注意点など、詳しく知っていることでお客様の信頼につながります。制度のメリットだけに着目するのではなく、お客様の貯蓄計画状況に合わせてたとえば「どのタイミングでNISAの銘柄変更をすると良いか」「満期の時はどのように受け取るのか」といった出口戦略もあわせた利用方法を模索する必要があります。

毎日の株価や為替、日本や世界経済の情報チェックなど新しいことを知るのは楽しいことも多く、お客様に喜んでもらえる情報を集める作業は毎日のモチベーションに繋がるという考え方ができる人は適正ありと言えるでしょう。

5. 問題を解決する力
FPとして最も求められるのはお客様のお金の問題や心配事に対して、適切な解決策を見つけることです。

お客様の悩みやニーズをしっかり聞く(深いところまでしっかり把握すること)、お客様が解決、実現したいことをキャッチアップするというお客様理解力、また未来を予測して解決プランにを提案するプレゼン力の2つがあってはじめて問題解決ができると言えます。分析する力でも触れましたが、相談事に対して課題が見えるだけでは心配は消えません。実行が可能な解決策を用意できるFPが活躍できる世界と言えますね。

例えば「子供の教育資金の相談」でお会いしたお客様のお話を聞き、キャッシュフロー表を作成してみると、これまでの積立ての努力の成果で教育資金はなんとか貯められそうではあるものの、このままいくと老後の資金が足りないかもしれないといったケースがあります。

今あるまとまったお金、毎月積立できるお金、中身を全く覚えていない生命保険の見直しやその他支出の見直しなど別の課題も一つ一つ見直していくことで無理のない堅実なプランを提案することができます。

FPに向いていない人の特性 5選

こちらもファイナンシャルプランナーWANTED!がこれまで多くのFPのカウンセリングをしてきた中で、活躍できない方に共通する傾向があると思われる特性を記載します。

1. ロジカルに考えるのが苦手
FPは複雑なデータの分析やお金の計画を行うため、論理的な思考が苦手な人には難しい職種と言えます。収支の計算、未来の予測、資産運用の利回りのシミュレーションなどを行いながらお客様の最適解を提案する仕事になるためです。多くの計算はFP専用のシミュレーションソフトを使いますが、そのソフトを駆使して答えを導き出すのはFP本人なので、数字を扱うこと自体に苦手意識がある人は向いていないかもしれません。

2. 人とかかわる仕事が苦手
お客様のニーズを把握する為にはお客様が何を求めているのか、相手の話を聞かないことには問題を解決できません。お客様が誰しも全ての心配事に対して理路整然と説明してくれるわけではありません。FPの聞き方次第で思わず話したくなる、答えやすい質問をすることやお客様が話している時に目線をあわせる、相手の言葉を反復するなどお客様が話を聞いてもらっている、理解してくれていると感じてもらう必要があります。お客様が話しやすいなと感じてもらうことからFPの仕事は始まると言っても過言ではありません。

3. 約束を守らない
どんな仕事でも言えることではありますが、信頼関係を築くための誠実さに欠ける人にはFPの仕事は向いていません。嘘をつかない、約束を守る、時間を守ると言えば社会人として当たり前ではありますが、そういった基本的なことをしっかりできることがFPの仕事でも重要です。

4. 変化が苦手
変化に適応するのが苦手な人は、最新の知識を取り入れるのが難しくなりますし、お客様の要望に応えることも難しくなる傾向にあります。
一つ例を挙げてみると、昨今オンライン面談が主流になってきました。対面にはご面談から得られるお客様の表情や感情の機微を捉えられるというメリット、がありますが、一方でオンライン面談にはスケジュール調整の容易さという大きなメリットがあり、最近ではお客様もオンライン面談を望まれるケースが増えています。このようなトレンドを鑑みるとFPはオンライン面談を積極的に取り入れることで得られるメリットは大きいでしょう。オンライン面談には対面面談とは異なる提案スキルが必要なこともあり、FPにはオンライン独自の相談の進め方を学ぶことが求められます。今までのやり方を変えてオンライン面談のスキルも身につけていかないと、FPとして活躍できなくなる未来が来るかもしれません。変化への対応はとても重要です。

5. 思い込みが強い
向いている人のコミュニケーション能力でも触れていますが、相談事の最終的な答えはお客様自身がもっているものです。適切なコミュニケーションがとれることで最適な解決策まで導くことができます。図らずともFPの思い込みで相談内容を進行してしまっては、お客様からの信用を失い相談の途中であっても次回の面談がなくなることがあります。事実は何か、お客様の言葉は何か、一つ一つ確認をしながら面談を進行していくことがFPとして仕事をする上で極めて重要な要素です。

いかがでしたでしょうか。

FPの仕事には特定のスキルや性格が求められることがわかります。しかし、自分に足りないスキルや特性を認識し、それを補う努力をすることで、向いていないと思われる人でもFPとして成功する可能性は十分にあります。実際にこれまでも自身の弱みと向き合いトレーニングで克服して、活躍できるようになったFPはたくさんいます。

FPの仕事に向いているかどうか、FPとして働いてみたらどんな成功が考えられるか。成功するためには、お客様の想いを第一に考え、常に自身の知識やスキルをアップデートしていく姿勢が求められます。しかし、その結果として得られる達成感やお客様の笑顔、成功の喜びは、FPとしてのキャリアを非常に価値あるものにしてくれるでしょう。

FPとして活躍したい、またはもっと成功するために環境を変えたいという方はファイナンシャルプランナーWANTED!の転職カウンセリングや求人情報からの応募もぜひご検討ください。

1社専属の保険営業マンと保険代理店の保険カウンセラーとファイナンシャルプランナー(FP)ってどう違うの?仕事の内容の違いや特徴、メリットとデメリットを解説!

こんにちは!お金のことって難しく感じることが多いですよね。最近だと新NISAが流行って来ていますが、私の周りでもNISAをやった方が良いという人もいれば、やめておいた方が良いという人もいます。またマンションを購入するときにどの住宅ローンにするのか(団信や特約はつけるのか、ペアローンにするのか)なども悩まれる方が多いです。

あなたはお金のことについてプロに聞いてみたいな、と思った時に誰に相談しますか?お金のことについて家族や友人にはなかなか相談しにくかったり、身近な人がお金に関しての仕事をしている人はいそうでいなかったりしますよね。お金のことについて相談できる人は大きく分けると①保険屋さん②保険代理店さん③FPの会社などが出てきます。では保険屋さん、保険代理店とFPの会社はどのように違うのでしょうか?これは私自身もよく聞かれる質問です。

そこで今回はお金の相談先として、保険代理店とFP(ファイナンシャルプランナー)の違いについて考えてみます。

結論としては保険代理店さんはお金の相談もできるけど保険相談がより強い、FPはお金の計画(ライフプラン表)作成やライフプランから課題抽出、解決策の提示を強みにしていることが多く、提案商品には保険もあれば不動産、株式など複数のレパートリーがあります。

ただ上記はあくまで一般論であり、実際の境界線は曖昧であったりします。例えば保険屋さんや保険代理店もライフプラン表の作成に強みを持っている方もいますし、FPでも保険が強い方もいます。

下記に一般的な特徴と傾向を記載していきますので、ご自身の相談したい方を見つける際の参考やこの業界の理解の参考にしてください。

1-1.保険屋さん(保険会社1社専属)
保険会社は〇〇生命など保険商品を作り、販売、管理をしているメーカーです。営業の方、いわゆる保険屋さんは原則、自社の保険商品のみを取り扱います。どの保険会社もより保険料の安い掛け捨て保険の開発や、より効率の良い積立保険、独自の付加サービスなどしのぎを削っています。1社専属の保険営業マンの特徴は所属する会社への忠誠心(ロイヤリティ)が高く、会社やお客様への責任感を持って業務を担当される方が多い印象です。

1-2.保険代理店の保険カウンセラー
様々な保険会社の保険を取り扱っています。業態としては来店型保険ショップ、訪問型保険代理店があると言われています。会社によっては何社の保険会社を取り扱っているのか、生命保険だけなのか、損害保険だけなのか、両方なのか大小の違いはあれど保険の募集、管理、維持に関する業務が仕事内容です。保険代理店で保険カウンセラーとして働く人はより多くの保険商品からお客様にマッチした商品をお届けしたいという方が多いです。

1-3.FP会社のファイナンシャルプランナー
キャッシュフロー表の作成を中心に、お金の相談を受け解決に至るまでサポートすることがメインの仕事です。その点以外はFPが職種であっても業務内容はFPによって違いがあり、一概には言えません。保険以外にも株や投資信託などの金融商品の取り扱いや投資用不動産の案内の有無は相談料が無料か有料かの違いに大きく関わってきます。敢えて資産運用・資産形成の商品の案内をしないFPは相談料が有料であることが多いです。また1対1の相談だけでなく、コラムやSNS、セミナー講師など複数人に対面やオンライン、メディアで発信することで生計をたてているFPもいます。

それでは保険屋さんや保険代理店にお金の相談をした場合とFPに相談した場合の違いのそれぞれのメリット・デメリットを解説していきます。

2-1.保険屋さんにお金の相談をした場合のメリット・デメリット

●メリット
保険屋さんは自社の商品のみを取り扱うので、その商品について深い理解度を有していることが多いです。保険会社の顔として営業しているので、会社や商品に対する熱意、責任感などが高い傾向にあります。「想いを持ったアツい人が好き」「商品よりも人で担当者を選びたい」という方には合っているでしょう。

●デメリット
所属する会社の商品のことはよく知っているけど、他社の商品は分からないという方は少なくありません。保険選びの際に商品の内容や保険料を比較して自分や家族に合った商品をチョイスしたいという方には少し不向きかもしれないです。

2-2. 保険代理店にお金の相談をした場合のメリット・デメリット

保険代理店は、「保険のセレクトショップ」のようなものです。
いろいろな保険商品を見せてくれて、あなたに合ったものを教えてくれます。お金についての相談事が「教育費」であれば学資保険や学資保険としても使えそうな積立保険を紹介してくれます。また「老後資金」について相談したいと考えていた場合には、個人年金保険や外貨建て終身保険、変額保険などを紹介してくれます。

●メリット
複数の会社の保険商品について詳しい情報を持っているので、加入する保険の情報を一人でネットで調べるよりも詳しい情報を教えてもらえます。同じような商品があった場合の比較はなかなか自分自身で調べることは難しく感じます。比較のポイントや実際の保険料など、自分の要望にあわせた内容を精査してくれるのはプロならではです。保険会社は40社以上あるので、その中から1つを選ぶことや、自分の相談内容にあったものを探すことは大変ですからね。

もし提案された保険が気に入った場合、その場で保険の手続きを進めることができます。今ではオンライン面談に対応している会社が増えてきて相談するハードルがぐっと下がりました。また、保険に関するアフターサービスや質問の対応もしてくれる保険代理店が多いです。毎年の年末調整用の保険料控除の手紙はいつ届くんだっけ?引っ越したらどうしたらいいの?など手続き後も対応してくれるのは有難いですよね。

●デメリット
お金の相談について基本的に解決策は保険が中心になることが多いです。例えばNISAについての相談をしたかったけど、そのあたりはあまり詳しくないというケースもあります。中にはNISAや住宅ローンなどのことをしっかり教えてくれるお客様想いの担当者もいますが、基本的には保険をオススメしてご契約を頂くことが彼らの仕事になってきます。気になる場合はどこまでが相談範囲か確認してみると良いでしょう。

保険の種類が多くなるとカウンセラーとの相性やカウンセラーのオススメ商品と自分の欲しい商品が異なるようなこともあるので、自分の希望と合っているのかどうかはしっかり確認した方が良いと言えますね。

3. FP(ファイナンシャルプランナー)にお金の相談をした場合のメリット・デメリット

FPは、お金の全体的な計画を考えるプロのことを言います。あなたの今のお金や将来の夢を聞いて、どうやってお金を使ったり増やしたりするか一生涯のお金の計画を一緒に考えます。FPの専用ソフトを利用する場合が多く、詳細なキャッシュフロー表を作成、データや冊子にまとめ納品してくれます。また、お金の使い方や、お金を増やす方法など、いろいろなことを教えてくれます。

●メリット
保険だけでなく、資産運用や税金、将来の目標など全体的な視点でアドバイスしてくれます。保険を選ぶ場合もたくさんの保険商品から、あなたに合ったものを選んでくれることが多いです。資格やFPが所属している会社の取扱商品による部分が大きいですが、株式・債券・投資信託や保険、住宅ローン、不動産投資、生命保険、損害保険など、あなたのキャッシュフロー表にそった金融商品を紹介してくれます。キャッシュフロー表の作成までをご希望の場合は無理に商品を提案されることはありません。

●デメリット
無料での相談もありますが、有料でアドバイスを受けることもあります。相談料のみで活動されているFPは金融商品についてはアドバイスのみで販売まで行わないこともあります。弁護士に法律相談をした場合と似た料金設定の場合もあり、利用前に確認してから相談しましょう。

4..まとめ

保険屋さんや保険代理店は、具体的な保険商品の購入を考えていたり、お金の相談はプラスアルファに考えている人にお勧めです。一方でFPは、将来のお金の計画やお金のこと全体を考えることから保険や金融商品の加入まで始めたい人にお勧めです。(繰り返しになりますが、あくまで一般的な傾向です。)あなたが望む相談の進め方や現在の状況によって、どちらを選ぶか考えることをおすすめします。

お金の相談をしたいという方、保険の相談に興味を持っているという方はファイナンシャルプランナーwanted!のFP紹介サービスもぜひご活用ください。他のFP紹介サービスと異なり、ファイナンシャルプランナーwanted!ではスキルや経験、実力が備わった「厳選されたFP」のみをご紹介しています。ぜひ転職カウンセリングからお問合せください。

ファイナンシャルプランナー(FP)の年収について

先日カウンセリングに来られたお客様から「FPの年収が○○万円と雑誌に書いてありましたが本当ですか?」という質問がありました。実際多くの方が気になっているところかもしれません。

この質問に回答するとすると、「本当にその人次第」ということになります。特に独立系FPになりますとその傾向は顕著になります。会社によって一定のお給料のつくところ、完全歩合なところとマチマチですが、いずれにしてもFPもある種の営業である以上「お客様の信頼を得られるか」「分かりやすい話が講演でできるか」ということにも左右されてきます。生命保険や金融商品の取り次ぎ手数料も重要な収入源となるため、1件1件こまめにお客様にご提案しご契約頂けるとかという事でも収入は大きく変わって来ます。

FPの業界では年収2000万円以上の人もたくさんいますし、平均年収以下の人もいますし、時間的な自由やワークライフバランスを第一において活動している人もいます。いずれにしても大事なことはFPとしての経験を積み、その上で自分自身のキャリアプランを作っていくことになってくるかと思います。

FPにはこんな職種もある(1)不動産会社のファイナンシャルプランナー

よく弊社サイトのカウンセリングでご相談をいただく中で、「ファイナンシャル
プランナー(以下FP)にはどんな仕事があるのか?」と聞かれることがあります。弊社ではサイトに掲載している会社以外にも紹介先企業がございますが、その中に「不動産会社のファイナンシャルプランナー」という仕事もございます。

不動産会社には、当然のことながら不動産の購入を検討されるお客様がいらっしゃいます。ただお客様も実際に不動産も購入するかどうか、また購入するにしてもどれくらいの金額帯の物件を購入するのか、常に悩みはつきまとうものです。

そんな時に活躍するのが不動産会社に所属するFPです。お客様に対し、ライフプランシュミレーションや住宅ローンの計算、どのくらいの物件金額であれば無理なく相談できるのか等の相談を行い、お客様が安心して物件を購入するためのサポートを行います。不動産会社の中でも、お客様に物件を購入いただくため、また顧客満足を上げていくために重要な仕事です。

仕事の魅力という観点で言えば、住宅ローンや住宅購入に特化した相談スキルが養えることや、不動産会社に所属するので報酬面でも安定していることが魅力だと言えるでしょう。FPの仕事の中にはこういった仕事もあると知れば、より求職の選択肢も広がるかもしれません。

FPにはこんな職種もある(2)セミナー講師

よく弊社サイトのカウンセリングでご相談をいただく中で、「ファイナンシャル
プランナー(以下FP)にはどんな仕事があるのか?」と聞かれることがあります。弊社ではサイトに掲載している会社以外にも紹介先企業がございますが、今回は「セミナー講師」という仕事をご紹介します。

不動産会社、証券会社、金融系のITサービスetc、世の中にはお客様に対し、自社の商品やサービスのメリットや使い方等について適切な情報を届けたいと多くの企業が考えています。しかし、自社の社員が説明したのではお客様にとっていまいち合理性がありません。そんな時に頼りにされるのがFPです。第三者としての立場を活かして、その商材がどのような価値を持つのか、プロの視点とフラットな目線でお客様に伝えられるのがFPのメリットです。そのような訳で、セミナーや様々な記事の執筆をFPにお願いしたいというケースが多々あります。

お金のもらい方としては講演に対する講演料というケースが多いです。お客様に分かりやすくセミナーで情報提供できることは1つのスキルだと言えます。もちろん、FPになってすぐにセミナー講師が務まる訳ではありませんが、数年経験を積めば、このような活躍のフィールドがあるということは1つのやりがいになるかもしれませんね。

FPにはこんな職種もある(3)反響営業型の保険営業

「FPにはこんな職種もある」シリーズの第3段です。今回は保険営業について解説していきます。

弊社にカウンセリングに来られる方でよく聞くのが、大手求人媒体でFPとしての転職先を探すと、保険会社の求人メールがよく届くというケースがあります。またその相談者のほとんどが、やりたい仕事はFPとしての仕事であり、ベタベタの保険営業ではないと言います。

確かに、FPと保険営業だと似ているようで少し隔たりがあります。一方で保険営業マンもお客様の人生のコンサルタントという肩書きで活動しており、ライフプランの設計等を得意としている方もいますし、FPの仕事に近い部分もあります。それが求人媒体、転職情報サイトで保険営業の求人が多い理由だと思われます。

弊社でもカウンセリング次第では保険の仕事をオススメする方もいますが、その際のポイントとして、反響営業型のスタイルで営業している保険営業が未経験の方にはよいのではないかと考えています。

保険会社の中には、個人開拓で活動している保険会社と反響営業で活動している保険会社があります。個人開拓の保険営業マンは知り合いやご紹介等から販路を開拓していくスタイル、反響営業の保険営業マンは保険会社のHPからの問い合わせのあったお客様の対応や、既契約のお客様のフォローや追加契約を中心に活動するスタイルです。

個人開拓で活動している保険会社の方が求人の数も圧倒的に多いですが、弊社としてあまりオススメできないのは、長く続かない方が多いからです(もちろん大活躍している方もたくさんいますが)。FPとして活躍するため、まず経験を積むというスタンスでキャリアを考えるのであれば、固定報酬がついて、教育やお客様対応の経験も積める反響営業型の保険会社への転職は一つの選択肢ではあるのではないかと言えます。どのような保険会社が反響営業に該当するのかについて詳しく聞きたい方には転職カウンセリングにてご説明しております。

FPにはこんな仕事もある(4)記事の執筆

FP(ファイナンシャルプランナー)にはこんな仕事もあるシリーズの第4段です。
FPはお金にまつわるやりくりのハウハウや税金、社会保険等の専門家であるため、企業や金融系の会社から記事の執筆を依頼されることも多々あります。みなさんも、お金系の記事を何かのサイト等でみたことがあるのではないでしょうか。

どのようにして依頼が来るかといえば、依頼企業とのコネクションがあって依頼されることがケースとしては多いですが、今ではクラウドソーシングなどで仕事として受託している人も多いようです。子育てしながらや、空いている時間を活用して行うことのできる仕事でもあるといえます。

執筆の料金は案件にもよりますが、10,000円〜ということが多いようです。必要資格としてはFP2級以上、できれば1級が望ましいです。ライティングのスキルは、スクール等で学ぶことで取得可能です。

FPに興味のある方は、1つの仕事内容として参考にしてください。

ファイナンシャルプランナー(FP)の仕事はコンサルタント?それとも営業?

ファイナンシャル・プランニング技能士(以下FP)の資格は年間10万人以上が受験する有名資格です。FPの資格をとって資格を活かせるキャリアにつきたいという希望を持った方が大変多いです。

ファイナンシャルプランナーWANTED!のカウンセリングでよく頂く質問の1つに「FPの仕事の内容には営業の仕事も含まれるですか?」というものがあります。特に未経験者の方にとってFPの仕事とは具体的にどのようなことをするのか、イメージがつかない方もいらっしゃる様です。

この質問への回答は「YES」でもあり「NO」でもあります。どういうことかというと、相談料や公演、記事の執筆だけで生計を立てているFPもいれば、それに加えて保険や証券等の金融商品の取り扱いも行っているFPもいます。

割合で言えば後者のパターンの方が圧倒的に多いというのが現状です。
理由は様々ありますが、お客様が金融商品の契約まで望まれることが多いこと、金融商品取り扱いによる手数料収入がFPとして生計を立てるために欠かせないこともあること、特に日本ではお客様側に相談料を支払って良質な情報を得るということを考える人が少ないことがあげられます。

ただしこれは個人的な主観としては”どの業界でも当たり前に言えること”であり、決して悪いことではないと考えています。例えば、ITコンサルティング会社はクライアントのIT課題を分析・特定し解決策を提示し、その上で自社サービスの導入を提案します。どのような仕事でも”Planning”と”Action”が存在しており、お客様から信頼をされている場合その両方でお役に立てることがお客様にとっても最もメリットがあると言えるでしょう。

これを鑑みると、FPとして活躍していくためには金融商品の営業という側面もあることをしっかり理解しておいた方がよいでしょう。”お客様に喜んでいただく”ことと”金融商品のご案内も行い、ご契約も頂く”ことのバランス感覚を持つことが重要だと言えます。

FPにはこんな仕事もある(5)住宅展示場でのFPカウンセリング

FP(ファイナンシャルプランナー)にはこんな仕事もあるシリーズの第5段です。
FPの仕事には住宅展示場で住宅の購入を検討されているお客様に資金計画表の作成やお金の面でのお客様のご不安解消のための相談という業務もございます。お仕事のご依頼は住宅展示場を運営しているハウスメーカーさんから頂きます。

なぜ展示場でFPが呼ばれるのか?それは住宅展示場を運営しているハウスメーカーさんにとってもメリットがあるからと言えるでしょう。一般に住宅を購入検討するときにお客様がご検討されることは住宅の性能やデザインなどもありますが、それ以外にも例えば以下のようなことがございます。

・金利は変動がいいのか、固定がいいのか、どこの住宅ローンが良いのか
・最大でいくらくらい借りられるのか、ローンはペアローンがいいのか単体で組んだ方がよいのか
・頭金はどの程度入れたらよいのか
・自分たちの収入だとどれくらいの予算で住宅購入するのが妥当なのか
・住宅ローンを組んでも家計は将来に渡ってしっかり回していけるのか
・子供の教育費はどの程度かかっていくのか、どんな風に積み立てるのがよいのか
・会社で加入している確定拠出年金の仕組みがよくわからず老後の資金を予測しづらい
・住宅購入にあたって何か見落としていることはないか
Etc

これらに関して唯一の正解というものは存在せず、お客様それぞれの状況や価値観によってもベストアンサーは変わってきます。特に住宅購入というのは一生で一番大きな買い物ですから不安なこともありますし、誰かに相談したい、チェックしてほしい、背中を押してほしいなど様々な気持ちがあるものです。

ファイナンシャル・プランナーはこんな時に最も便りになる存在でもあります。
資金計画、住宅ローン、教育資金、証券、保険など全ての分野に精通しているからこそ、そのバランスを見ながらお客様にアドバイスをすることが可能です。ハウスメーカーさんとしても、お客様にご不安を解消していただいて安心した状態で住宅購入のご提案を聞いて欲しい、また他のハウスメーカーと差別化を図るためにも良質なFP相談を提供したいと考えられています。

もちろん、このような形でお客様のお役に立つことは簡単なことではありません。
FPとして知識とスキル面の両面を向上させる必要がある、つまりかなり一生懸命勉強する必要があります。FPの仕事は勉強をし続けることが重要な職業です。勉強や研鑽し続けることができれば、お客様にもたくさん喜んでいただける、やりがいのある仕事と言えるでしょう。

※こちらは弊社関連会社である株式会社マネープランナーズでの事例を元に記載しています。

保険営業マンとファイナンシャルプランナーの違い

今回は”保険営業マンとファイナンシャルプランナーの違い”について解説します。
当社に相談をお申込みされる方のご相談内容でよくあるのが「転職サイトでFPの仕事を探しても保険営業の仕事ばかりが表示される」「私は保険営業ではなくて、中立的な金融アドバイザーの仕事がしたい」というものがあります。実際、保険会社の求人でも”ファイナンシャル・プランナー”、”ファイナンシャル・アドバイザー”と謳っているものが多くあります。

では「ファイナンシャルプランナー(FP)」と「保険営業」の間に違いはあるのでしょうか?
答えを申し上げるならば”FPと保険営業マンは実際には違う”ということになります。

筆者の経験値も元にお話をすると

保険営業マン→保険を提案・販売する人
FP→保険も提案・販売することもあるが、それ以外のこともできる人

ということになります。

FPは保険以外にも不動産や証券などの金融商品、また有料のライフプランやセミナーの講演など分野が多岐に渡ります。どの分野を主戦場とするのかは人によっても異なります。

この”保険営業”と”FP”という職業の敷居があいまいになっている理由としては以下のようなものが挙げられます。
・保険会社もファイナンシャル・プランナーを自称している
・FP会社と名乗っていても保険を中心に取り扱いしている人も多くいる
・純粋なFP会社が世の中で知名度が高くない(求人もあまり大手求人サイトでは公開していない)

またお金をトータルでコンサルティングできるFPになるためにはFP資格取得もさることながら、保険、証券、不動産など各分野に実際の実務を通して精通する必要があり、多くの努力や勉強が必要になります。

もしFPを目指すのであれば、自分にはどのような形が向いているか、どんなキャリアが形成できるか、どんな勉強をするべきか、経験を積むべきかなどをまず知ることが先決と言えます。真剣に将来FPになることを目指す人はぜひ当サイトのカウンセリングも申し込んでみてください。

FPの仕事/メリットまとめ

本日はファイナンシャル・プランナー(FP)の仕事のメリットについてご紹介させて頂きます。ぜひ転職を検討される、またキャリアを考える際の参考にしてください。

(1)時間的な自由がある
FPの仕事は最も自分のペースでできる仕事の1つです。最近はオンライン相談の敷居も低くなってきたのでより仕事はしやすくなってきました。一般的にお客様は平日夜、土日の相談を希望されることが多いですが、専業主婦やママさんなどは平日昼間のご相談をご依頼される傾向にあります。一般的な会社員のように労働時間の管理をされることはあまりなく、自由に働きやすいと言えます。旅行やショッピングなども平日の方が空いていたり、料金が安かったりするのでお得感を感じられることもできるでしょう。

(2)定年がない
定年がないこともこの仕事の魅力の1つです。60歳を過ぎても現役でバリバリ働いている方もたくさんいます。年金の給付は現在は65歳からですがより引き上げられるという案もあったり、人生100年時代と言われていますので長く働ける仕事に就くこともキャリア選択の上で重要になってきます。平均年収が高いような一般企業の仕事でも50代で役職定年になる、出向になるということや40歳を過ぎてリストラ対象になることもありますので、FPへの転身は攻めのキャリア形成であるという捉え方もできます。ただし40歳、50歳を過ぎてFPを目指すことは不可能ではないですが多くの困難を伴うこともあるので、より若い時からチャンレンジしてみることをお勧めします。

(3)お客様の為になる
「お金のことに興味関心がない」という人はほとんどいないため、全ての人に喜んでもらえることができるのもFP冥利に尽きると言えます。資金計画、投資、節約、不動産、保険のバランスを考えながらしっかりお客様の意向を考えてライフプラン作成のパートナーとなることはとてもやりがいがあり、またお客様からも頼りにされます。

(4)報酬の魅力
報酬面でも”頑張ったら頑張った分だけ報酬が上がる”ということも1つのメリットと言えるでしょう。報酬形態はFP業を行なっている各会社によって異なりますがインセンティブ制を導入しているところが多いです。たくさん稼ぎたいという方に向いている仕事でもあります。

(5)独立しやすい
自身の経験、自分のお客様、また業務提携先などの人脈が増えれば自身で独立することも十分可能な仕事です。FPの仕事自体が資格も必要ではありますが、個人のスキルやパーソナリティが重要である分独立もしやすいと言えます。そのため自分で会社をつくりたい、将来は地方で生活したいなどという方にも向いているかもしれません。

いかがでしたでしょうか。もちろん、FPとして活躍して上記のようなメリットを享受できるようになるためには努力、勉強、経験、覚悟が必要になってきますし、誰でも成功が約束されている訳ではないことも重ねて記載しておきます。上記も踏まえ、FPへの転身を考えている方は当サイトのカウンセリングも活用してみてください。

ファイナンシャルプランナー(FP)と不動産投資

みなさんは不動産投資に関してどのようなイメージをお持ちでしょうか?
“自分でもやっている””興味がある”という人もいれば”怖い””怪しい””不動産会社の営業担当者にガツガツ営業されるのではないか”等様々なイメージがあるかと思います。不動産投資もお金にまつわる事、将来の資産形成のために行うものなのでFPの仕事にも関わってくる部分がございます。

大前提として不動産投資はその名の通り”投資”であるので、絶対にうまくいく保証のあるものではありません。投資に積極的な人もいれば消極的な人もいるため全ての人にとって良いものではありません。

ではどのような人にとって不動産投資が向いているかというと”リスクを取って資産を増やしたい”人や”節税をしたい”人になります。特に後者の節税については、不動産投資はサラリーマンができる数少ない節税手段の1つでもあるので、年収の高い方は節税目的で投資用不動産を複数購入するケースもあります。また将来自分が住むことも想定して物件を購入する人もいるでしょう。

さて、肝心のFPが不動産投資をどのように関わるのかという点ですが、
・お客様に対し不動産投資のメリット、デメリットを”中立的な視点”でしっかり伝えること
・不動産投資を望むお客様に対してはどのような物件(業者)が良いのかをアドバイスできること

が求められる役割となってきます。不動産投資も数多くの物件、数多くの不動産業者が存在するため、お客様目線を持った立ち位置で話ができるFPがどういった物件や会社が良いのか選定してあげられることは一つの強みになると言えます。

上記のような視点で、不動産投資の話がしっかりできるように勉強すること、できれば収支やローンなどの知識も含め物件をしっかり選定できるようになること、お客様目線でメリットのある不動産業者と関係を築くことなども信頼されるFPになるために必要なことと言えるでしょう。

FP資格はFP業務をする上でどの程度必要なのか?

ファイナンシャルプランナーとして活躍していく上で、FP資格はどの程度必要になってくるものなのでしょうか。FP資格を取得してこれから転職を考えたい人、これからファイナンシャルプランナーへの転職を考えるにあたって資格取得を検討している人にとって気になるところかと思います。実務の現場ではどのようにみなされているのでしょうか。

FPサービスを行っている現場にもいる筆者の経験を元にお話すると

(1)FP資格は無いよりはあった方がよい
(2)ただしFP資格があればすぐに活躍できる訳ではない
(3)FP資格以外のこれまでの経験やスキルも必要

ということになります。

(1)FP資格は無いよりはあった方がよい

FP資格に関して、3級はあまり意味を為しません。2級とAFPは一通りしっかり学んでいますという証明にはなると思います。名刺などに記載できるのも2級、AFPからでしょう。1級、CFPは持っていると箔が付くレベル感です。ファイナンシャルプランナーとして働いていくのであれば2級までは持っているのが当たり前ということになります。

(2)ただしFP資格があればすぐに活躍できる訳ではない

FP資格があればすぐにファイナンシャルプランナーとして活躍できるかと言うと、そういう訳ではありません。自動車免許を取ったらすぐに運転できる訳でもないのと同じです。実際にはカウンセリングの流れ、商品知識など様々なことを習得する必要があります。お客様によっても実にいろいろなケースの相談があるので経験も必要になってきます。他の仕事と同じく、3年経験して1人前(つまり3年程は経験も必要)ということを前提にキャリアステップを考えるとよいでしょう。

(3)FP資格以外のこれまでの経験やスキルも必要

お客様は自分の人生の大事なお金のことを相談することになるので、知識や経験も大事ですが、ファイナンシャルプランナーの”人となり”も重要になってきます。自分自身のこれまでのキャリアや人生経験、自分の家庭の不動産や保険、投資などの状況を話ができることも1つの強みになると言えます。保険や不動産の営業であれば20代前半からでも可能ですが、ファイナンシャルプランナーとして活躍するのであればその経験に加えて上記のような自分自身の経験があるとより良いでしょう。

いかがでしたでしょうか。これからファイナンシャルプランナーになることを目指す方はぜひ1つの指標として参考にしてください。