保険代理店のカウンセラーとファイナンシャルプランナー(FP)の仕事の違いって何?現役FP経験者がその違いを解説します

Pにお金の相談をしたことがあったり、FPの資格勉強の経験がある方には「自分もFPの仕事に挑戦してみたい!お金について困っている人の役に立ちたい!みんなにお金の知識を教えてあげることを仕事にできないか」そう考えてファイナンシャルプランナーの仕事に興味を持ち始める人もいるでしょう。そのような中でFPの仕事を検索し始めると、多くの方が「保険代理店とFPはどう違うのだろうか」という疑問に突き当たることが多いです。未経験からFPを志されている方の中には「自分のやりたいことは保険だけじゃなく、中立的なお金のアドバイスができる独立系FPになりたい」というご相談をいただくことも多いです。

そこで本日は保険代理店とFP会社の仕事の違いというテーマで話をしていきましょう。

保険代理店とFP会社の違いを以下に記載していきますが、結論から申し上げると両社の境界線は曖昧なこともあり、1社1社その会社の業務内容やスタンスを確認してみることが必要になることがあります。FPの会社であっても、保険を取り扱っている場合も多くあります。なぜなら『お客様のお金の相談ごとを解決する』という点では保険も重要な役割を持っているため、FP会社を行う上でも保険が必要であるからです。

上記の前提の上で「保険代理店」「FP会社」の違いを記載していきます。

1.保険代理店の仕事内容
保険代理店の主な仕事は、お客様に最適な保険商品を提案し、その募集(販売)を行うことです。
人生の節目、ライフイベントがある時にお金のやりくりや計画についてや保険のことを考える方が多いので、お客様のご要望にあった保険商品を提供します。ライフイベントとは人生における大きな節目になるものです。以下、例を挙げながら、ライフステージとその際に考えられる保険商品の例を挙げてみます。

・結婚・出産
→ 生命(死亡)保険や医療保険、学資保険などの積立保険の検討
結婚や出産のタイミングで生命保険を検討される際には、残された遺族にどれぐらいのお金が必要なのかを計算します。遺族年金や勤務先からの弔慰金を計算、加味した適切な保険をご提案します。

・住宅購入
→ 火災保険と地震保険の検討、生命保険の切り替えを検討
住宅購入される方にはハザードマップや建築構造などを踏まえた火災保険、地震保険をご提案し、住宅ローンを組むのであれば団体信用生命保険を考慮した内容の生命保険への切り替えを提案することになります。

・退職
→ 相続に向けた生命保険の検討
退職金をすぐに使う予定や必要性が低い方にはまとまったお金を運用する手段としての運用系の保険をご提案します。また生命保険には相続税対策にもなるため、相続の準備として資産の一部を控除枠のある保険に移すという提案をします。

また、契約後のお客様のフォローアップや定期的にお客様の生活の変化をチェックし、保険の更新や新たな保険への切り替えを提案することも重要な仕事です。例えば医療保険の商品開発は毎年のように行われたりするので、年齢が上がってから新しい保険に入っても保険料が安くなったり、また最新の医療事情に合わせた商品が販売されることもあります。

2-1..FP会社の仕事内容
FP会社は、お客様のお金の計画をたてることで、お客様に貢献することをメインの命題として掲げている会社が多いです。具体的にはライフプラン表の作成、資産運用施策や住宅ローンの相談、保険の相談などがあります。保険商品の選定もFPの業務の一環ですが、その範囲はより広いお金の計画の一部として組み込まれます。そのためFPの仕事は、保険代理店よりも広範囲に渡ることが多いです。例えばキャッシュフロー表の作成から始まり、資産運用や税金、相続など幅広いお金の計画を総合的にアドバイスします。解決策として保険をはじめ金融商品の取り扱いがあります。FP相談を希望される方は、2023年現在では2024年からNISA制度の変更もあり、投資信託や株について、資産形成についての相談希望のお客様が多い傾向にあります。

2-2.FPの仕事の多様性
上記の通り保険相談もできる、保険の提案も行っているFPは多いです。その理由は保険が生活の保障、資産形成、相続など多岐にわたるリスクをカバーし、多くのお客様にとって必要なためです。その点では保険代理店の仕事と共通しています。
一方で、保険商品を取り扱っていないFP会社もあります。彼らはお客様からの相談料やコラム執筆、セミナー講師で複数人に対面やオンライン、メディアで発信する事などを通じて収入を得ています。相談業以外の仕事をメインに生計をたてているFPはたくさんいます。

2-3.FP会社で働く筆者の具体的なお客様相談例

筆者のお客様のご相談の例を挙げてみます。

▼お客様:夫婦とも30歳、お子様1人(2歳)
▼相談内容:住宅購入を検討中で住宅ローンの適切な額を知りたい
もう一人子供を授かりたいが、教育費を考慮した上で無理のない返済額の住宅ローンはいくらぐらいまでかを知りたくご相談に来られました。子育てしたいエリアの候補地は複数を検討しているので総予算次第で選定していきたいとのことでした。
▼提案/課題解決内容
キャッシュフロー表を作成し、お客様のご年収から算出できる借入可能額だけではなく、毎月の生活費や将来予測など家計の収支管理から始め、教育費の積立を考慮したうえで無理のない住宅ローンの月々の返済額の目安を提示しました。
そのうえで資産運用の計画、退職後の生活設計に向けた資産形成、ご両親の相続相談のアドバイスをさせて頂きました。、
▼お客様の反応
お金に対する漠然とした不安が解消できて前向きになれた、家を建てるのが楽しみだと喜んでいただきました。

まとめ
上記の通り、お金の相談先としては保険代理店もFPも選択肢になります。あなたがもしFPを仕事として考える場合、お客様からの相談を受ける側(FPになった時)で考えた時は、どちらの立場で仕事として取り組みたいでしょうか。
どちらもお客様の役に立つことのできる、とても使命感ややりがいのある仕事です。

保険代理店とFP会社、いずれの場合でもまずは経験を積むことが重要です。たくさんのお客様を担当し、実際のお客様の問題を解決する中で、多くの事例を学び、スキルを身につけていきます。
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