ファイナンシャルプランナーとして働くのに資格は重要?FPとして活躍するにはどのような資格があるとよいかをご紹介

はじめに
資格取得を目指す方はたくさんいますが、近年ファイナンシャルプランナー(FP)の資格取得をした方、目指す方が増えています。コロナ禍でお金について向き合うことが増えた御時世もありFP相談の数は年々増加傾向にありますが、自身が学び知識を高めたいと思う方が増えてきています。FPの資格試験は年に3回実施され、年間10万人以上が受験する人気資格になっています。また、FPの資格をとってファイナンシャルプランナーを目指す方、転職を検討している方も増えてきています。
フィナンシャルプランナーとしてのキャリアにおいて、専門知識とスキルを証明する資格は重要ではありますが、どれぐらいの資格が必要なのでしょうか。ここでは、FPとして成功するためにFP資格を含む取得すべき主要な資格を紹介し、それぞれの資格がどのようにFPの業務に役立つのかを解説します。
・資格名
★関連性
☆取得難易度 必要とされる学習時間目安、合格率
・ファイナンシャルプランナー3級  ★★★ ☆☆
基礎知識を養うことやFPを目指すきっかけ、登竜門として受けるには意味がある資格。FPとして働いていない方の取得も目立ちます。しかし3級をもっていることで実務の時にアピールになることはほとんどありません。むしろ伝えることを控えるものでもあります。
資格取得に必要な勉強時間の目安は約100時間と言われ、85%以上の合格率です。取得人数は2023年11月現在で591,178人です。

・ファイナンシャルプランナー2級(AFP)★★★ ☆☆
2級まで持っていると一般的なFPとしての知識をもっていると認識されるものです。FPを仕事とするならマストな資格と言えます。ほとんどの人はもってる、2級もっていることを条件にお客様を紹介していただける業務提携案件も多くあり、実務的に必要なレベルと言えます。入社後の取得でも可能です。

資格取得に必要な勉強時間の目安は150~300時間と言われ実務経験の有無で差が大きくなる資格です。取得の為には2年以上の実務経験か3級合格者であることが必要になります。合格率は約40%です。取得人数は2023年11月現在で542,135人です。

・ファイナンシャルプランナー1級(CFP)★★★ ☆☆☆
保有しているとFPとして拍がつく資格になります。筆者の肌感覚的に1級を取得しているFPの割合は10%以下です。1級は持っているだけで1つの個人のブランドになります。自分のブランディングとして使える資格です。

資格取得に必要な勉強時間の目安は400~600時間と言われ膨大な勉強時間を必要とする資格です。取得の為には2級合格者であることが必要になります。合格率は10%前後と高難度資格です。取得人数は2023年11月現在で23,428人です。

・証券外務員資格 ★★★ ☆☆
もっていることでお客様に幅広くアドバイスできること印象を与えられる資格です。また実際に証券の取り扱いができるので、お客様の課題解決の手段としての幅が広がります。

資格取得に必要な勉強時間の目安は100時間と言われています。合格率は約70%です。有効期間は設けられていませんが外務員期間は5年更新になります。取得人数は2023年11月現在で6544人と実務で必要でない限り取得を目指す方は多くありません。

・住宅ローンアドバイザー ★★ ☆
住宅購入、住宅ローン相談の場面で信用されやすくなる、住宅ローン選びの支援をすることができる資格です。住宅購入自体はFPの活躍できる領域なので、取得している現役FPが多い。
資格取得に必要な勉強時間の目安は30時間と言われ比較的取得しやすい資格です。有効期間は3年間、合格率は全日本不動産協会の場合、合格率は7割程度、金融検定協会の住宅ローンアドバイザー(HLA)認定試験では合格率は45.1%です。取得人数は約1万7000人です。

・相続診断士 ★ ☆
相続相談、相続税対策などでもFPが活躍できる分野です。遺言書作成など相続発生前の対策や手続きのアドバイスを行うので、お客様の資産を最適に管理・継承する支援が可能な資格になります。そのため相続対策の相談を前向きに取り組んでいるFPだけなく、相続との関連が深い⾦融業(⽣命保険業・証券業・銀⾏業)・不動産業・証券業の従事者は取得していることが多いです。
合格率は90%以上、有効期間2年、取得に必要な勉強時間は30時間と言われ、取得者数は4万人以上です。

・宅地建物取引士 ★★ ☆☆☆
不動産取引を専門的に扱う国家資格です。不動産業界からFPに挑戦する方が保有している場合が多いですが、FP転職後に取得を目指す方もいます。不動産投資や住宅の購入などのアドバイスを行う際に、法的な側面からサポートを提供することができます。
資格取得に必要な勉強時間の目安は600時間以上と言われ今回紹介するなかで最難関の資格です。取得の為には実務も必要になります。合格率は15%前後。取得人数は2023年11月現在、1,076,177人です。

資格があればFPとして活躍できるのか
上記は参考にしてもらいつつ、あくまで研鑽であったり自分自身のブランディングとして取得する人が多い。証券外務員や宅建のように保有していないと取り扱えない商品もあります。実務の場面では資格を活かしつつも、実際の面談経験であったりスキル、コミュニケーション能力などが求められます。
まとめ:
これらの資格は、FPとしてのサービスの質を高めるための基盤を作ります。しかし、資格はあくまで基礎であり、実務経験を積み、クライアント一人ひとりと真摯に向き合うことが、FPとしての価値を高める鍵です。知識を深めるための学習と同時に、コミュニケーション能力や共感力を磨き、お客様の信頼に応えられる専門家を目指しましょう。