ファイナンシャル・プランナー(FP)は投資用不動産をお勧めするのか?投資用不動産を購入検討のお客様に対してFPができることやその役割を解説

投資、資産形成を考えるうえで投資用不動産を検討する方は少なくありません。みなさんは投資用不動産についてどんなイメージがありますか?投資用不動産は一般的には投資用不動産会社が販売をしていて、みなさんも広告などで見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれません。「投資」であり資産形成の範囲になるので、FPも投資用不動産の話をするのかどうか、気になっている方もいるかもしれません。実際のところはどうなんでしょうか。このコラムでは「ファイナンシャル・プランナー(FP)は投資用不動産をお勧めするのか」というトピックについて、お話していきたいと思います。

■投資用不動産とは

ワンルームマンションで投資をしている方が一般的です。投資に回せるお金がたくさんある方や投資マインドが高い方は一棟もので買うケースもあります。ただ一方で「不動産投資は怖い」という印象をお持ちの方もいます。

近年、実は投資用不動産は首都圏を中心にかなり販売件数が伸びている人気の投資手段です。特に東京都心の中古物件だと、投資用に購入したいという方の需要が投資用物件の供給を上回っている状況です。投資用不動産を検討したことがない方は現在の投資用不動産人気に驚かれたかもしれません。では投資用不動産を検討するうえで、どういったメリットやデメリットがあるのかを考えていきましょう。

■ 投資用不動産のメリット

投資用不動産は、ローンで物件を購入し賃貸に出し、将来的な資産形成を目指します。他人に自分の資産の返済をしてもらって、将来返済後は資産だけが残る。そこにそのまま住んで老後は家賃0ということも可能ですし、そのまま誰かに貸し続けて年金の上乗せにすることも可能ですし、売却し生活費のために現金にすることも可能です。

1. 安定した収入の源
賃貸物件としての投資用不動産は、家賃収入という定期的なキャッシュフローを生む可能性があります。自分が老後で受け取る年金に対して不安を感じている方にとって、毎月の収入を確保することでその不安の解消を目指すことができます。
2. 資産の価値の向上
長期的な視点で考えると、不動産の価格が上昇することにより、資産の価値が増加することが期待されます。都内の物件に人気が集中しているのは、この理由によるところが大きいです。
3. 税制上のメリットがある
特定の条件下で、税金の控除や優遇措置が受けられることがあります。節税だけを理由に始める方はいらっしゃらないかと思いますが、所得税率が高くなってくると、投資をしながら節税効果もあることでメリットを感じやすく人気の理由の一つになっています。
4. インフレヘッジになる
不動産は物価の上昇に対して比較的強いため、インフレから資産を守る手段として有効です。ローン返済額は変わりにくく、賃貸料をあげることは相場に応じて可能であること、都内中古物件の賃貸料は築年数があがっても下がらずむしろ相場はあがっています。

■投資用不動産のデメリット

空室リスク、空室がおこるとローン返済は家賃収入がない状態で支出のみ発生してしまうことになります。空室の期間が続いてしまうとダメージが大きくなってしまう場合もあります。

1. 初期投資が大きい
不動産は他の投資よりも、初めの資本が大きく必要な場合があります。積立型の金融商品のみの投資経験の場合は初期投資が必要なことはデメリットと感じることもあります。
2. 流動性の低さ
売却を考えた際、すぐに現金化するのは難しいことがあります。買い手が見つからなければ希望額での売却することは出来ません。
3. リスクの存在
地域の経済状況や自然災害など、外的要因による価値低下のリスクが考えられます。
また最も大きな心配事と言えば空室のリスクです。空室がおこるとローン返済は家賃収入がない状態で支出のみ発生してしまうことになります。空室の期間が続いてしまうとダメージが大きくなってしまう場合もあります。

■ FPとしての立場からのアドバイス

FPが投資用不動産とどう関わるのか
FPの中にも投資用不動産の相談ができる人とできない人もいます。投資用不動産とFPの関わりについて、まずFPに求められることは第三者的な立場であることです。FPとして求められることは投資用不動産のメリット・デメリットを第三者の立場としてお客様に伝えられるかどうか。例えば、お客様のライフプランに投資用不動産のシミュレーションも組み合わせることでお客様にとってもお金の面でのメリット、デメリットが明確になってきます。シミュレーションを開示しながら、もし購入して上手くいったらこれくらいの資産形成効果があります、お子様の教育資金が必要な時期は空室リスクが発生した場合には耐えられなくなるかもしれません、現状のキャッシュに余裕があるので今のお客様の状況であれば投資用不動産もチャレンジしても良いかもしれませんね、などお客様のライフプランに沿ってお話することがFPの役割です。

もし投資用物件を購入したい意欲が強いお客様であった場合は、FPの目線で見て損しない物件かどうかを一緒に検討することもお客様に貢献できることの1つです。投資用不動産の業界とファイナンシャルプランナーの業界は近しいので、ここの不動産会社はお客様想いで良い物件を仕入れている、ここの会社は紹介しない方が良いなどの情報をもっていることはあります。お客様にとってメリットをもたらせてくれる、信用できる不動産会社をご紹介することができます。実際に投資用不動産を購入するかどうか、最終的にはお客様が決断する必要性がありますが、その決断の精度をあげるためにFPに相談するのは1つの有効な手段となります。

しかし、FPには専門的な知識や経験が豊富な方から、投資用不動産の詳細に精通していない方もいます。そのため、投資用不動産に関するご相談をされる際は、FPの専門性をしっかりと確認することが大切です。

まとめ

投資用不動産には、魅力的なメリットが多い一方で、注意点やデメリットも存在します。FPとしては、お客様一人ひとりの状況やニーズをしっかりと把握し、最適な提案を心がけています。投資用不動産に関心がある方は、信頼できるFPや業者とのしっかりとしたコミュニケーションを通じて、より良い決断をしていただけることを願っております。

以上、投資用不動産に関する優しいお話をさせていただきました。ご不明点や疑問がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

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