(一社専属)保険会社を退職しようと思ったら。保険代理店やFP会社に転職するタイミングはいつがベスト?転職のタイミングやおすすめの転職方法をご紹介

保険会社を退職して代理店やFP会社に転職する人がいます。よく、ファイナンシャルプランナーWANTED!にも相談に来られます。転職理由は様々ありますが、どのタイミングで転職するのが良いかと相談を受けることがあります。

今回は1社専属の保険会社から保険代理店やFP会社への転職はどのタイミングがベストか?についてファイナンシャル・プランナーWANTED!の考えを記載していていきます。

1-1.一社専属の保険会社に入社する人

一社専属の保険会社の営業は、新卒で入社してずっと働いているという方は多くはありません。中途採用で保険会社に転職した方がほとんどです。
中途入社される方の前職は様々です。銀行、証券会社、別の保険会社など金融機関からの転職の場合もありますが、別業界出身で営業経験がある方もたくさん活躍されています。不動産業界や自動車業界など、少なからず前職の実務で生命保険や損害保険の存在が近しい業界の方は保険営業で働く具体的なイメージをもって転職されている方が多いです。たとえば広告業界や医療機器業界、リース営業など前職での営業経験や人脈を活かして保険営業として活躍される方もいます。他にも飲食店やアパレル、スポーツインストラクター、主婦から社会復帰して保険営業になったという方まで様々なバックグラウンドの方がいます。

1−2.保険会社入社の理由

保険会社への入社の経緯は、自分自身が提案を受けた保険の担当者経由で、その保険会社からスカウトを受け入社に至るケースが多いです。求人広告や転職フェアなどへの出展も盛んにおこなわれていますし中には自ら転職サイトなどで志願して保険会社に入社することがあります。

1-3.保険会社の給料制度など

一社専属の保険会社はどの会社も福利厚生がしっかりしている会社が多いです。営業が始まると保険契約毎に報酬があります。また入社から2~3年の間は初期補給と呼ばれる固定給がある会社がほとんどです。報酬制度としては固定給に加えてインセンティブや歩合制があります。社会保険や福利厚生が充実していながら歩合制でもあるため、結果を出せば報酬は青天井に上がっていくと聞くと、起業されている方にとっては羨ましいシステムに思えるかもしれません。

2.一社専属の保険会社の営業が転職を考える理由

そのような環境にある一社専属の保険会社マンが転職を考えるのはどのような理由があるのでしょうか。筆者の経験上、大きく分けると以下の3つの理由があります。

①自社の商品しか取り扱えない(もっと多くの商品を取り扱いしたい)
1社の商品しか取り扱えないということは商品ラインナップが少ないことを意味します。お客様のニーズが自社の商品では応えきれない時に転職の検討を始める方はたくさんいます。例えば積立を保険で検討しているお客様に対して自社の商品ではお客様の要望を満たせない(ex.ドル建ての商品や投資信託型の商品がない、または商品があっても商品力が高くない)ということが営業現場に立つ保険営業にとって大きなストレスになることがあります。また他のケースでは医療保険に加入希望のお客様に持病などがあるときに、自社の商品では引き受けできないが他社のものでは引き受けることが出来る場合があるなど、お客様のニーズは掴んでいるにもかかわらず提案や契約ができないシチュエーションは一社専属で保険営業する限りよく訪れます。このような理由でもっとお客様の期待に応えたくて転職を検討するケースはよくあります。

②見込みお客様の開拓に苦戦する
保険の営業が好き、お客様に貢献できている素晴らしい仕事だと感じている。ただ、成績がなかなか挙がらない。そんな時に成績が挙がらない理由を振り返ると、保険の提案を聞いていただける人が見つからない、お客様からのご紹介がなかなか頂けない、活動量を増やす努力はしているが成果になかなか結びつかないといった理由があげられます。保険のお話をさせて頂ける機会さえあればお客様のお役に立てる自信はあるのに、その機会をつくるところまでが簡単ではないということが保険営業の一番大変な点だと言われる点です。

③会社や上司の方針や価値観との不一致
新商品が発表されると販売目標が会社から求められることがあります。ただ、その商品の商品性や商品力について保険営業本人が「お客様にとって自信をもってご提案できるものだ」と納得していないと、お客様にその商品を熱意を持ってオススメすることができません。月末になって、目標まで残り●●件!という張り紙をみて急にふと、何の為に仕事をしているのだろう、と感じてしまう方もいます。
また保険営業に限った話ではありませんが、マネージャーなど上長との関係がうまくいかないと仕事を続けることを難しく感じます。進捗報告や月次目標などをマネージャー面談で話すことが多々あり、会社の方針やチームの営業方針に馴染めていないとそういった時間が苦しく感じてしまいがちです。

3.一社専属の保険会社の営業マンが保険代理店やFP会社に魅力を感じるところ

一社専属の保険会社から保険代理店やFP会社に転職する人々が持つ理由は様々ですが、その中でも転職理由でよくあるものを挙げていきます。

①提案できる商品の幅が広がる
取り扱える商品が増えるのでお客様への提案幅が広げられる。一社専属での保険営業では出来なかった提案ができるようになり、よりお客様一人一人にあったコーディネイトが可能になります。一社専属の保険営業の場合、自社商品のみをお客様に提案することになるので、最終的に自社商品に加入することが提案のゴールになるように、結論から逆算してお客様へのヒアリングや提案を進める方が多いです。一方で取り扱いの幅が広がればお客様の課題やニーズをしっかり把握できれば、たくさんの商品(選択肢)から解決策を提示することが可能です。「~ということがご不安なんですね。そうであれば、こういった保険がありますよ。」商品が多く提案できる幅が広いので、お客様のいろいろな状況やニーズに対応できることが可能になります。この例のように「そういうことであれば」という一言でより容易に提案に繋げられます。

②見込み客の提供がある
面談機会さえあれば成績は残せるけど、面談機会を得ることがなかなか難しい。そんなモヤモヤを抱えながら仕事を続けることは良い結果を生みにくく、より多くの見込みお客様との接点をもつチャンスを得ようと転職先を探す方もいます。1社専属の保険会社でも商品へのパンフレット請求や会社への問い合わせ、また既存のお客様(退職者が担当していたお客様)のフォロー、学校や入館許可証がある職場との提携などを営業マンの行き先として提供しているケースがありますが、保険代理店やFP会社の中でも集客ノウハウや業務提携案件を持つ会社ではより多くの商談機会を提供しています。

③働き方の自由
ハイパフォーマンスを安定して達成できるようになると勤務スタイルの自由度があがります。上述のように提案できる商品の幅が広がり、見込み客様が確保されている結果、収入を増やしやすい環境があると言えます。

保険業界やファイナンシャルプランナーを目指した理由の1つに働く時間の自由度やライフワークバランスを掲げていた人にとっては、保険代理店やFP会社に転職することで、それがより達成しやすくなると言えるでしょう。

④中立的な立場での提案、お客様のサポートができる
商品の数が多く、保険以外の商品の取り扱いをしている会社も多いため、よりお客様目線で業務を遂行しやすいこともメリットの1つです。

例えば、資産形成を始めたい相談者の方に対して、積立型の商品が外貨建て終身保険の一つしかない一社専属保険会社の営業と、NISAと変額保険、外貨建て個人年金保険から選べたり組み合わせたりする提案をする保険代理店のプランナー、FPを比べると後者の方がお客様目線でご相談を進められると言えるでしょう。

⑤手数料が高い、固定給があるなど金銭面の理由
事務所代や間接人件費を節約してその分だけ営業マンのインセンティブ率を高めている保険代理店が多い。また一社専属保険会社は歩合制の給料であることが多いが、保険代理店では固定給与を保障している雇用形態の会社がある。

4.一社専属の保険営業が転職するタイミング

もちろん、長い間一社専属保険会社で活躍される方もたくさんいます。
転職のタイミングはあくまで個人の状況や目指すキャリアや価値観によって異なりますが、ここでは保険代理店やFP会社に転職する場合の一般的な指標を下記に記載します。

①最も多いケースは勤続2~4年
保険会社の平均退社年数が3年前後であることも要因としてあるようです。保険営業で2年以上勤め、営業経験やスキルが身についてきた時が代理店へも転職しやすい指標の一つになります。経験をしっかり積んでいれば保険代理店やFP会社からも即戦力とみなしてもらえるので転職先を選びやすい状態と言えます。自身のライフスタイルや求める条件で転職先を考えると良いでしょう。もちろんMDRTなどの受賞経験があると、どの会社にも転職し易くなります。

②勤続半年〜2年未満で転職する場合は「出直し転職」
勤続期間が2年未満の場合は、もう一度教育から含めてやり直すことを前提にした転職になることが多いです。面接時に企業からは経験は少ないと見られがちですが、それでも営業経験があることや保険契約のルールを知っていることは多少評価されます。これまで保険営業としてあまりうまくいっていなかった場合には教育に強みのある会社や固定給がしっかりある会社でやり直すのがお勧めです。(固定給の会社は年齢45歳くらいまでの制限があることがあるので要注意です。)こうした会社で一度しっかり保険セールスのスキルや営業の基礎を学んで、経験を積んだ後に成果報酬型の保険代理店、FP会社で高年収を狙うというキャリアの作り方もございます。

最後に
ファイナンシャルプランナーWANTED!ではたくさんの求人情報を掲載しているのでウェブサイトをご覧になりながら自身の希望に合いそうな求人があるかどうかという点でもぜひご参考にしてください。企業に対してウェブサイトからの直接応募も可能です。
またファイナンシャルプランナーWANTED!のキャリアカウンセリングでは、今後のキャリアの作り方のお相談、お悩みを聞いて解決策を一緒に考える、また独自の求人(大手媒体に掲載ないものもある)で、FPの経験や要望に応じて転職先を紹介することが可能ですのでぜひカウンセリングもご利用ください。