ファイナンシャルプランナー(FP)はみんなどうやって生計を立てている?気になるFPの収益源をご紹介!

ファイナンシャルプランナーの皆さんはどのように生計を立てているのですか?この質問は多くの方が興味があるようです。実際、筆者もお客様や知り合いから聞かれることはよくあります。ご質問の内容としては「相談を聞くだけでもいいんですか?」「メディアにでることは可能ですか?」「お金のアドバイスってどんなことをするのですか?」などなど。

実際のところはどうなのでしょうか?今回はFPがどんな仕事をしておりどのように生計を立てているのか、その具体的な内容を今回は解説していきます。

1.FPとは

FPの一般的な仕事は、お客様のお金の計画・ライフプラン(生活設計、貯蓄計画、投資、保険など、総合的なファイナンシャル・プランニング)を企画立案し、その実行を支援します。お客様の希望のライフスタイルや人生の価値観、将来の夢を踏まえながら、家族構成や家計のお金の使い方、将来やりたいことや買いたいもの、現在の貯蓄や金融資産などをヒアリングします。ヒアリングした内容から作成したキャッシュフロー表に沿って、お客様にとって最適なお金のプランを作成し提示します。

FPとして就業している方の人数は82,920人(出典:令和2年国勢調査結果)、平均年収は780万円(出典:令和4年賃金構造基本統計調査結果)、平均年齢は40.5歳(出典:令和4年賃金構造基本統計調査結果)、ハローワーク求人統計データを見ると有効求人倍率は0.77倍となっており、人気職種の一つであることが数字からも見て取れます。

そんな人気職種となってきているFPがどういった会社に所属しているかと言うと独立系FP会社、保険代理店、不動産会社の場合が多く、FP資格を保有しIFA(Independent Financial Advisor)に従事している人もいます。

2.FPはどんな相談を行うのか

「お客様からお金にまつわる相談を受け、計画を作成する」と一口に言ってもその相談内容は様々です。 相談内容は大きく分けると以下のようなものに分かれます。

① ローン・融資アドバイス
銀行勤務や銀行出身のFP資格保有者の多くは、住宅ローンや事業資金の融資、教育ローンなどの借入れに関する相談やアドバイスを行っています。初めての借り入れの相談に対してのアドバイスだけでなく、借り換えのアドバイスも行います。ローン残高や現在のローン金利の変化、お客様の審査内容の変化にあわせて、借り換えすることで毎月の支払いを下げられるか診断し、お客様にとってメリットのある借り換え先を提案します。

② リスクマネージメント(保険)
保険会社勤務のFPの多くが現在加入中の保険についてリスク診断を行い、適切なリスク対策が可能な保険の提案をします。
例えば、偶然の事故によって生じた損害額に応じて保険金が支払われる損害保険についてのリスク診断であれば、自動車を購入した時に加入した自動車保険、住宅購入時に加入した火災保険・地震保険など、加入中の損害保険がお客様にとって必要な保障を補えているかどうか診断することでリスクマネジメントの最適化を図ります。自転車保険の加入を検討しているお客様のリスク診断をしてみると、加入中の火災保険に個人賠償責任保険が含まれているため、既に同内容の保障に加入済みであることアドバイスをすることが出来ます。
このようにリスクマネジメントを最適化することはコストアップだけでなくコストダウンに繋がることもあります。これは病気やけが、収入を得ている家族がなくなった時の死亡保障などの生命保険も同様で、リスク診断をすることでコストダウンに繋がることもあります。

③ 教育資金に特化した積み立て相談
子供の教育資金の必要額の計算や資金準備のアドバイスをメインにしている子育てアドバイザーと兼任しているFPもいます。親子写真撮影会の参加者や保活の情報収集している子育て世帯に対してFP相談を実施しています。
大学進学など将来必要な教育資金の算出、教育資金に向けた積立のプランニングを行います。具体的なお子様の進学先や習い事、公立と私立の教育費の差額や受験費用、下宿や留学の有無など積み立てるべき目標額の設定が主な相談内容になります。児童手当の有効活用などの有益情報の提供も行います。

④ 老後の資金計画相談
退職前後の方に向けた、退職金の有効な運用手段をアドバイスを行う相談です。退職後の生活設計や資金計画のサポート需要は介護・相続対策を含めて年々増加傾向にあります。
まとまった退職金を、豊かな老後生活を送るために計画的な切り崩し方、退職後の投資計画のアドバイスを行います。また実際に介護をする経験をされた方の多くは、自分たちの子供にはさせたくないと介護施設を希望され資金計画に組み込むためのアドバイスも行います。

⑤ 企業経営者向けのサービス
企業の資金計画、退職金準備、従業員福利厚生、M&Aや事業承継のアドバイスなどを行います。多くは税理士や弁護士といった士業の人たちと連携して、企業の課題解決に取り組みます。

⑥ライフプランニング(お金の計画)
住宅購入時や結婚した時、子供が生まれたタイミングで初めてライフプランを体験する方が最も多いです。また、ウェディング相談所や海外留学エージェントの相談会などライフステージにあわせたお金の計画の必要性がある場面とFPは相性が良いと言えます。そのためFP相談を依頼する企業も多く、またFPも企業に対して相談の機会を求めて営業をかける場合もあります。

では彼らがどうやって収益をあげているのかを次に挙げていきます。

3. FPの収入源

①相談料
相場は初回60分5,000円の相談料に設定している会社が多く見受けられます。
FPとしてのメイン業務であるライフプランシミュレーション作成を行う場合は、シミュレーション結果とその対策まで記載したデータ、若しくは製本したものを提供します。料金設定は20,000~30,000円という会社が多いです。
相談料が無料の場合の多くは、FP相談を依頼した企業側が費用負担しているケースがあります。例えば、住宅展示場にあるハウスメーカーでのFP相談会などがあります。

②セミナー講師
講師によって差が大きくはなりますが60分のセミナーで50,000円~で依頼を受けているFPが多いです。セミナー後に個別相談の実施等があり、その際に金融商品の提案機会があるケースなどではセミナー講演料自体は無料で依頼を受けるケースもございます。

③記事やコラムの投稿、監修
ウェブメディアや雑誌等の依頼で記事を執筆します。コラムの内容や納期、媒体、文字数、著作権の有無などで料金は変わってきます。コラムの単価は5,000円/1本のウェブコラムから50,000円/1本のコラムもあります。定期掲載であれば月単位の契約もありますが、多くは文字数か1本単位での契約になります。

④証券会社や保険会社、不動産会社からの手数料収入
F手数料収入はFPの収益源の1つです。お金を増やす、リスクをヘッジするなどの解決策として金融商品である投資信託や保険や不動産を提案し採用されることで金融機関や不動産会社から手数料を受けることになります。お金の計画をつくる相談だけを行うのではなく、解決策の提案もしてもらえる、またその後のフォローや定期的な見直しもしてもらえることにメリットを感じるお客様は多くいます。

投資信託は最近はNISA制度を活用する場合が多いです。保険はライフステージによって死亡保険や医療保険、相続対策、実際9割以上の日本人が加入しており、商品もかなり多くあり適切な保険に加入することが簡単ではないので、保険に詳しいFPのアドバイスが求められます。不動産の活用に関しても節税効果や資産形成効果があるため、投資リスクとの兼ね合いを考えながらアドバイスを行います。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
FPとしての生計の立て方や活躍のフィールドは人によって異なります。1つ言えることは、実力が伴ってくれば依頼は増えていきます。まずは経験を積み、スキルを磨いて行くことが重要です。そうした中で少しずつ自分のなりたいFP像が見えてくることもございます。
キャリアアップについてなどご相談したい方はファイナンシャルプランナーWANTED!のキャリア相談も是非ご活用ください。